常に100本の企画を持つ著者と、PCを閉じて歩き出す編集者の「アイデアの育て方」
私がお付き合いのある著者の先生で「僕は常に100本の企画を持っているよ」という方がいます。通過するかしないかは別として、企画を常に考えている姿勢は尊敬に値します。
アウトプットできるほどインプットもきちんとしている、ということだし、頭を常に柔軟にして色々なところにアンテナを張っている、ということでもあるし…
◎出版社ではどれくらいの企画を提案する?
出版社事情で言うと、毎週5本企画を提出しなければいけない出版社もあれば(もちろんそれ以上のところも!)、浮かんだときに出せばいいよという出版社もあり、企画の提出本数については出版社によってさまざまです。
扱っている本のジャンルによって大きく変わると思いますが、私が在籍してた出版社はそこまで厳しくはなく、年間担当点数が漠然と決まっていて、それを目指せるように企画を提出していました。
ちなみに、おもちゃ業界にいた人によると、100本ノックと言って、毎週100本出すように言われていたとかも聞いたことあります。
手法や本数は違えど、業界問わずクリエイティブなお仕事をしている人なら必ずぶち当たる壁のひとつに、定められた期限までに企画が浮かばない(提出できない)ことがあります。
「早く出さなきゃ」と期限に追われれば追われるほど、脳みそがカチコチに固まって何も浮かばなくなる——。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
◎私が企画を浮かべるためにしていること
私も会社員のときに、来週までに2本…どうしよう、1本はありきたりのものでも仕方ないか…と(企画を通すために企画を考えるのではなく)提出点数を満たすために企画を考える、という本末転倒なことをしていたこともあります。
今はフリーになり、提出先が増えたこともあって企画の幅が広がったこともあり、柔軟に考えられるようになりました。
そんな私が、会社員時代よりも柔軟に、より多くのアイデアを生み出せるようになった理由を順に考えてみると、ある共通点に気づきました。
まず、いつ企画がひらめくかというと……
毎日のウォーキングで、身体を動かすとき
愛犬の散歩中
バスルームの中で、頭を空っぽにしているとき
ご飯を美味しく食べているとき
友達や家族と、楽しくおしゃべりしているとき
「学びたい!」と自主的に勉強しているとき etc…
つまり、すべての共通点は「リラックスしているとき」なのです。
英語で言うなら、まさに "Unwind"(張り詰めた心をほぐす)の時間。
そして、浮かんだあとは、とにかくメモ!!
常にB5サイズのノートを持ち歩いていて、そこに書き込みます。
(スマホではだめです)
書いているうちにまた浮かぶこともあります。
◎仕事がはかどらないときは、予定変更したっていい
会社員時代は外出するにも常に理由を作らないといけない上司のもとにいたときは、することもないのに机の前でWordとにらめっこして企画を考える…という時間を過ごしていましたが、もちろん限界がありました。
企画が浮かんでそれを落とし込むには机上でも良いのですが、企画を「浮かべる」には机上では無理です。
とにかく外に出て五感で感じたり、人とふれあって刺激を受けたり、勉強してインプットすることで情報を増やしたり、逆に極限のリラックス状態を作り出したり…
そうすることで必ず数本は企画が浮かびます。
会社員時代の最後の上司(編集長)が、
「会社で座ってるだけなら、映画でも美術館でも行ってこーい!」
という人で、そのときは
「え!!??何を見るの?」と思っていたのですが、今では、その意味が心から理解できていると思います。
仕事がはかどらないくらいなら、私も美術館に行ったり、普段行かない街に行ってみたり、遠くにいけなければ近所のカフェでもいいので行ってみたりしています。
仕事がはかどらずに1日なにもできなかったと自己嫌悪にならずに、
予定変更したけど企画が浮かんだからいいか!となれるからです。
Great ideas come from a relaxed mind.
(素晴らしいアイデアは、リラックスした心から生まれる)
仕事がはかどらない日は、PCを閉じて、皆さんもぜひ心地いい場所へ出かけてみてくださいね。
※追伸:見出し写真は、仕事が行き詰まった日、PCを閉じて出かけた大好きなアーティゾン美術館にて。マリーローランサン展を観に行きました。仕事が行き詰まった日、予定変更して出かけた先で五感がひらかれる大切なインプットの瞬間です。
