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peach┊︎サグラダファミリアのてっぺん、網戸の蜂

サグラダファミリア。訪れたのは今年の1月末。
完成前に行きたくて、それが叶った。
あまりに有名すぎて、noteに書く予定はなかった。

▲サグラダファミリアの中。
白の造形に圧倒されます。
▲パラシュートを広げたかのようなキリスト像

塔(受難のファサード)を登ると、
そこに見えるのはフルーツ盛り(笑)

▲かわいすぎる…
▲黄色いモチーフは「麦」、緑の房は「ぶどう」。
パンとワイン、つまり聖餐の象徴だとか。

そしてこれらモチーフを引き立てる壁の「肌色」が素敵だと思った。
特に印象に残っています。

(でも「肌色」って今は使っちゃいけない言葉だそう。
なので今回は「ピーチ色」という呼び方で…)

……いずれにせよ、
ガウディ、最高すぎる。ムフ。


   ☆

───と、家でバルセロナ旅の写真を懐かしがっていたら、
作業デスクのそばの窓で、なにかが動いた。


むむ。
網戸のこちら側に、大きな蜂🐝がへばりついている。
うちは高層階で、網戸は固定式。開かない。
網戸の外から、どうやって部屋側へ侵入したかは不明だけど、
窓を開けていた私は、とっさに閉めた。

────つまり網戸と窓の間に、蜂を閉じ込めた


蜂だし、部屋に入ってこられては困るし、
申し訳ないが、そのまま閉じ込めておくことにした。
(死に至るまで)

▲サグラダファミリアから見下ろすバルセロナの街


翌日。その蜂は網戸にへばりついたまま。
でもまだ生きていて、少しだけ上へと位置を変えていた。
さらに翌日も、少しずつ上へ。
うねうねと遠回りしながら、でも確かに、上へ、上へと登っていた。(逃げられやしないのに)

▲冬の夕暮れ。
ステンドグラスが太陽の紅に染まる。

そんな蜂を見ていたら、
またサグラダファミリアのことを思い出した。

あの建物も、完成を夢見て、いまも上へ向かっている。
なぜか、閉じ込められた蜂と聖堂が重なって見えた。

▲色フェチにはたまりません(涙)
色を引き立てる「肌色(ピーチ色?)」の石


さて、蜂を閉じ込めて4日目。
ついに蜂は動かなくなった。
ずっと同じ場所にへばりついたまま。
もう上へは行かなくなった。
死んだと思った。
まあ、それを狙っていたのだけど。

その夜、夫との食事の帰り道、
「サグラダファミリア、実は完成後に見たかった派?」と今さらそんなことを喋っていたら、
「あ、そういえば……」と、蜂のことを思い出した。
夫は蜂の存在に気づいてなかった。

「よく4日も持ち堪えたもんだ」と言うと、
「いずれにせよ、空に返してあげたら?」と言う。
相変わらず優しい。

▲無加工でこの美しさ

家に帰って、熱帯魚用の小さな網を持ち出し、
蜂にそっとかぶせた。

……再確認。よし、もう動かない。
蜂は網の中に、ストンと仰向けに落ちた。
侵入時より、だいぶ痩せて見えた。ごめん。

▲バルセロナの街を見下ろす、カラフルなモチーフたち


が、次の瞬間。
モゾゾ…と、羽が動いた。

むむ? 生きてる!?
網戸のない窓を開け放し、蜂の入った熱帯魚網をそっと宙に差し出す。
すると本能を思い出したか、蜂は羽をふわっと振るわせ、夜の空へ。

心底「よかった」と思った。
閉じ込めておいて、アンタが言うな案件だけど。

▲塔からこの螺旋階段を使って降ります…
(手すりや落下防止柵ナシ)
高所恐怖症じゃないのに、本当にここは怖かった。

フラフラして不器用そうだったけど、
たしかに夜空の上へ上へと、羽ばたいていった。

▲まるで魔法のよう(自然光)━━

すると、
横で、夫がぼそっと言う。

「てか、あれ〝蛾〟だしね?」

むむ?
……〝蜂〟じゃなかったらしい。
(最初は、どう見ても蜂に見えた)

でもまあ、なんか、いいもの見た気はしている。

▲どこを振り向いても、どこかで工事中(笑)
▲ステンドグラス制作のジュアン・ビラ・イ・グラウ氏
時間帯ごとに変化する光に合わせて色彩を設計した。


ガウディは「光は神の言葉」と言ったそう。
夜空へ飛び立った蜂──じゃなくて蛾。
光のない夜でも、神のお導きはあるらしい。

さて蛾にとって私は恩人?それとも加害者?
……まあどっちでもいい。頑張って生きろよ、蛾!

聖と俗。
みんな、なんだかんだ上を目指してる。
サグラダファミリアは2026年に完成する予定だそう。





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