peach┊︎サグラダファミリアのてっぺん、網戸の蜂
サグラダファミリア。訪れたのは今年の1月末。
完成前に行きたくて、それが叶った。
あまりに有名すぎて、noteに書く予定はなかった。


白の造形に圧倒されます。

塔(受難のファサード)を登ると、
そこに見えるのはフルーツ盛り(笑)


パンとワイン、つまり聖餐の象徴だとか。
そしてこれらモチーフを引き立てる壁の「肌色」が素敵だと思った。
特に印象に残っています。
(でも「肌色」って今は使っちゃいけない言葉だそう。
なので今回は「ピーチ色」という呼び方で…)
……いずれにせよ、
ガウディ、最高すぎる。ムフ。
☆
───と、家でバルセロナ旅の写真を懐かしがっていたら、
作業デスクのそばの窓で、なにかが動いた。
むむ。
網戸のこちら側に、大きな蜂🐝がへばりついている。
うちは高層階で、網戸は固定式。開かない。
網戸の外から、どうやって部屋側へ侵入したかは不明だけど、
窓を開けていた私は、とっさに閉めた。
────つまり網戸と窓の間に、蜂を閉じ込めた。
蜂だし、部屋に入ってこられては困るし、
申し訳ないが、そのまま閉じ込めておくことにした。
(死に至るまで)

翌日。その蜂は網戸にへばりついたまま。
でもまだ生きていて、少しだけ上へと位置を変えていた。
さらに翌日も、少しずつ上へ。
うねうねと遠回りしながら、でも確かに、上へ、上へと登っていた。(逃げられやしないのに)

ステンドグラスが太陽の紅に染まる。
そんな蜂を見ていたら、
またサグラダファミリアのことを思い出した。
あの建物も、完成を夢見て、いまも上へ向かっている。
なぜか、閉じ込められた蜂と聖堂が重なって見えた。

色を引き立てる「肌色(ピーチ色?)」の石
さて、蜂を閉じ込めて4日目。
ついに蜂は動かなくなった。
ずっと同じ場所にへばりついたまま。
もう上へは行かなくなった。
死んだと思った。
まあ、それを狙っていたのだけど。
その夜、夫との食事の帰り道、
「サグラダファミリア、実は完成後に見たかった派?」と今さらそんなことを喋っていたら、
「あ、そういえば……」と、蜂のことを思い出した。
夫は蜂の存在に気づいてなかった。
「よく4日も持ち堪えたもんだ」と言うと、
「いずれにせよ、空に返してあげたら?」と言う。
相変わらず優しい。

家に帰って、熱帯魚用の小さな網を持ち出し、
蜂にそっとかぶせた。
……再確認。よし、もう動かない。
蜂は網の中に、ストンと仰向けに落ちた。
侵入時より、だいぶ痩せて見えた。ごめん。

が、次の瞬間。
モゾゾ…と、羽が動いた。
むむ? 生きてる!?
網戸のない窓を開け放し、蜂の入った熱帯魚網をそっと宙に差し出す。
すると本能を思い出したか、蜂は羽をふわっと振るわせ、夜の空へ。
心底「よかった」と思った。
閉じ込めておいて、アンタが言うな案件だけど。

(手すりや落下防止柵ナシ)
高所恐怖症じゃないのに、本当にここは怖かった。
フラフラして不器用そうだったけど、
たしかに夜空の上へ上へと、羽ばたいていった。

すると、
横で、夫がぼそっと言う。
「てか、あれ〝蛾〟だしね?」
むむ?
……〝蜂〟じゃなかったらしい。
(最初は、どう見ても蜂に見えた)
でもまあ、なんか、いいもの見た気はしている。


時間帯ごとに変化する光に合わせて色彩を設計した。
ガウディは「光は神の言葉」と言ったそう。
夜空へ飛び立った蜂──じゃなくて蛾。
光のない夜でも、神のお導きはあるらしい。
さて蛾にとって私は恩人?それとも加害者?
……まあどっちでもいい。頑張って生きろよ、蛾!
聖と俗。
みんな、なんだかんだ上を目指してる。
サグラダファミリアは2026年に完成する予定だそう。

