収穫のハシリ
さあ、立秋に入って、収穫祭までの行程が見えてきました!
これからの頑張りで豊かな正月を迎えられるかどうかがかかっています。夏の間に済ませる予定だった仕事がまだ残っている。暑さを利用できるのは処暑†まで。立秋は文字通り残暑なのです!
夏休みの宿題を片付けましょう! 夏野菜の残りを収穫し、来る祭に向けて農耕を再開します。この時期に初物があれば、お盆のお供えに。厳しい夏を生き残れたことをご先祖さまに報告しましょう。
立秋の支度
暦の上ではなんとやらといいますか、暑さはまだ残る時期ですが、立秋は秋の農作業を始める時期、という意味じゃないかと思っている。暑さにバテそうだけど、その暑さこそが土を浄化する力になる。
本当は小暑の時期にビニールをかけて2ヶ月ぐらい土を殺菌したかったけど、仕方ない。(そこに作物がまだあったから)家庭菜園だと作物の植え替えを計画的にやらないと土を浄化できずに次の季節に行くこともある。気をつけたいのはウリ科やナス科を植えたあとに残るセンチュウです。殺菌せずに根菜を入れると大根や人参は「肌荒れ」しますから。センチュウ対策にはネギが効きますが、ネギ類は豆類や大根とは相性が悪いです。やるならどちらかだ。土を殺菌して大根を植えるか、殺菌せずにネギを育てるか。今年は大根が高くなるんじゃないかと思っているので、なんとか自家製作りたい。
秋野菜は既に大暑に入る前に植え付けが終わっている。夏を超えた物をこれから収穫するわけです。収穫するための世話を再開するのも立秋です。
里芋は分岐して育っていて、月見に向けて収穫期間の計算に入っています。サツマイモのつる返し†もこの時期だ。旺盛に伸びるツルを制御して芋に栄養が行くように計算する。ナスもこの時期に入ると皮が薄くなっていて盛夏の頃に採れるものとは違った柔らかさでうまくなる。落花生も土寄せしてあげると収量が増えますね。
冬野菜の播種時期は寒くなりはじめてからでは遅い。白菜やキャベツは結球するために百二十枚は最低でも必要だし、大きな玉を作ろうと思うと外葉を大きく育てる必要がある。そのため、種をまいて外葉を育てるのはまだ暑さの残る時期、太陽がまだ空に高く登っている時間を確保する必要があります。大根も葉の数が必要なのでアブラナ科の種は遅くとも9月中旬までには撒きたい。最悪の場合、白菜やキャベツはホームセンターで既成の苗を買えば時間を買うことはできる。でも、根菜類は直播しないといけない。そのためには土を白露†までには作らなければならないわけでございます。
土中にいる虫たちや細菌類が暴れないように太陽熱を使って殺菌処理をする。人によっては雑草の処理も同時に行う。今は許されないが、野焼きはこの時期の風物だったらしい。草木灰を作って次の季節の栄養にする。今はビニールで蒸し焼きにして草を枯らし、土中の殺菌を行うのがせいぜいか。少なくとも2週間は灼きたいが、夏の終盤は夕立もあってそれほど土の温度も上がらない。一番いいのは大暑の太陽光なんですけど、やらないよりはマシなので計画してみます。
水をまいた畝を透明なビニールで覆って二週間放置。できれば大きな草は抜いておくと土に直射日光が入るので土の表面の温度を上げることができます。今年、私は草マルチを活用したので、一見すると草だらけの畑なのですが、枯れ草を除けば雑草は簡単に剥がれるのでその状態でマルチをかける予定です。ビニールを使うと人工物が残ると言って気にする方もいるんですが、そういう人は気長に土を複数回掘り起こして太陽光にまんべんなく当てて殺菌します。私は暑い時期に何度もクワを持って働く意欲はないので、手抜きで頑張ります。
土を殺菌したら、苦土石灰†を入れてpHを整え、土中環境が落ち着くまでさらに二週間。その後、元肥を入れて一週間ぐらいしたら種まきの時期到来。計算では立秋の時期から約一月。白露の頃に干しネギを畑に戻し、種を蒔く計算。苗作りは処暑にはスタートできるだろう。
鉢の植替えはもう少し気候の落ち着く頃にやろうと思ってます。今年は既にセンテッドゼラニウムの株分けを終え、秋にニラとアスパラガスの植替えを計画。イチゴもランナーに新芽が出たので来春用の植替えを十月までに。
キッチンの整理
普段やろうと思っていてもなかなか手を付けられないのが水場の油掃除。換気扇を掃除する心づもりはしているのだけど、大暑を逃してしまった。立秋に入って、あわてて油汚れの掃除に着手、カーペットも日干ししました。今年初の浴衣も花火を見るという名目で袖を通してます。
暑い時期に大掃除はなかなか動きにくいのだけど、小さく動いて五分続けると体が動きやすいと聞いた。私は締切を作ったほうが動きやすいたちで、この時期を逃すともうできないぞ、と暗示をかけたほうが動ける。だから、残暑を逃すと一年後だ、と自分に言い聞かせ動いている。この時期を逃しても年末にもやるんですけどね。本当は換気扇だって、もっと頻回に油を落として清潔にするほうがいいんだけどさ。別に夏だけの行事ではないですよ。ただ、理屈をつけてしやすいってだけです。疲れているときにわざわざやるような仕事でもない。金があれば業者に頼んだっていい。
AIはこの時期に作陶するとか竈を作るなんて言っているが、一般人は作陶なんてしない。でも、やっと土を触れる時期になって園芸も再開した。
陶器の見直しも別にこの時期だけではないのだけど、陶器の行商人が動き始めたのを見て、そろそろ入れ替え時期が来たなと感じている。新作の器を見ているうちに何となく古い器をどうしようかな、欠けがあれば捨てようかな、とか考え始める。古くなったタッパーとかもう使わない調理具とかくすんだガラスとか。入れ替えるなら今がチャンスと思って食器棚も見直します。最近は防災対策で割れない器も購入しているので木製の椀も増えているんですが、ラーメン食べるにはやはり陶器だよ。秋には本格的に陶器市がひらかれるので、購入を考えたいなら今が捨てる時期だ。
今年、手に入れたいと思っていた器は「醤油差し」だ。それもお酢を入れられる小瓶が欲しい。百円ショップで手軽に購入しようと思って探していたが、酢を入れられる容器というのは少ないらしく、醤油はOKでも酢はダメとか安物買いはやはり気をつけないとダメだなと思った。結局、ガラス製の瓶を代用したけど、先月作ったタバスコを入れる容器は一滴づつ使えるように注ぎ口の小さな物が欲しいです。今、熟成期間中でシンク下で眠っているけど、いずれちゃんと使える容器を手に入れて自家製タバスコで食事したい。最初に味見できる時期は十月頃です! どんな味になっているか。
タバスコ作りでSNSを調べて意外と唐辛子を用いたレシピが多いことにも気づいた。ゆずの出てくる時期に完熟した赤唐辛子を混ぜれば柚子胡椒も作れる。まだ青いゆずやかぼすの皮で青唐辛子を入れても爽やかですね。柚子胡椒の消費は多い方なので、唐辛子が余れば作ろうかな。
だけど、私も堪え性がないもので、つややかな青唐辛子を見ると食べたくなる。パスタに入れようとか、刻んで辛味をつけようとか、ししとう代わりに甘く煮付けて食べようとか色々やってしまうので(辛さがマイルドなやつを作ってますので)、タバスコのために我慢した時期を除けば割と消費しやすい食品なのです。実が熟すまで待てないんだ。夏は辛い料理を食べたいじゃない。カレーにも刻んで入れてしまいましたよ。本当は赤く熟したほうが旨味あるんだけどさ。
食いしん坊なので食事の話をすると長くなるが、実は今の時期、冷蔵庫はすっからかんになってます。カレーを作ったというのもあるけれど、秋の植え付けを始める前が一番冷蔵庫が軽くなっている。今年は夏野菜を減らしているからなおのこと冷蔵庫に物がないわけです。夏バテで食べられる量も減るので、買い物する量も減る。冷蔵庫の掃除をするなら容量の減っている今がチャンスだな。そして、保存食の消費も今がチャンス。ものがなくなってからのほうがレシピは面白い物が増えてきます。食べるものがなさそうに見える冷蔵庫でも掃除すると意外と色々出てくる。冷凍した保存食なんかが。
この時期を逃せば冷蔵庫の余り物を処分するチャンスを失う。常にたくさんの食品が詰まっている方がいいかというとそうでもない。使い切ってない乾燥わかめを見つけたり、鍋で使い切れなかった葛切りを見つけたり、一年前の梅の味噌漬けを見つけたり、初夏に作っておいたひげ茶(コーン茶)を見つけたりするわけですよ。その時に使うのを忘れて芽の出てしまった残念な食品も見つけたりしますが、これを機に不要なものを一掃いたします。
そして、今はシソ科の剪定がピークだ。青紫蘇も赤しそもバジルもいらないのにめっちゃある。小麦粉もあるんだから余り物を使って手作りのピザを作ってもいいかもしれないですね。そろそろジェノベーゼの季節だ。バジルしか食べられない時期の到来。チーズとナッツを買ってこよう。ジェノベーゼの作り方はネット調べれば千差万別だが、うちではオリーブオイルと胡桃とチーズが入ります。手軽に作れていろんな応用のできるソースです。
憧れの雲海
これを書いている時期はまだ私は旅に出ていないが、今年は山へいくので朝霧を期待している。岐阜の山間は8月になると朝に靄がかかり始める。盆はまだ早いと思うけれど、状況によっては見られるかもしれない。
雲海で有名な観光地は全国にあると思いますが、今年は岐阜でそのチャンスを得る。昨今は熊の被害も多いので山はなかなか行きにくい。それでも8月に入り、山の日を迎え、雲海のみられる山頂を夢想いたします。条件が良ければ、朝日とともに立ち上がる雲の動きを黄金の光の中で見られるかもしれない。山の稜線から滝のように流れ落ちる朝霧や光線を浮かび上がらせる靄の存在。この時期の風物ですね。
朝夕の冷えてきた今の時期しか見られない自然現象だ。昼夜の寒暖差がある時期しかその現象は見られないと聞く。地面付近の湿った空気が夜の間に急激に冷やされ、行き場を失った水蒸気が真っ白な霧となって盆地に溜まっていく。その条件が揃わないと見られないので、秋口以降が一番発現しやすいという。
雨の日も見られないんだよね。だから、気候条件の揃ったラッキーな日しか見られないと思うけれど、見られるといいなと思ってます。
調べたら、雲海を見るには朝日が登る前に雲より上に出ていなかればならない。雲海と言っても、穂高のような雄大な場所で見るか、中津川のような盆地で溜まっている冷気で生じるか、条件に差があると出現する高度にも差があるらしい。低いところでは三百メートル程度の低さでも雲海もどきを見ることができるし、標高二千メートル以上登らないと見られない場所もある。岐阜は幸いなことに場所によってその条件が千差万別で、山間には盆地も多い。全国的に酷暑となる日中の寒暖差の大きな地域でもある。夏はより気温の低くなる高所でのほうが見やすいようだ。1000メートル前後。
昔、まだ若くて体力の有り余っていた時期に雲海を見たくて夏に富士山に登ったことがある。バイト終わりに知人に夜通し登ろうと誘われ、そのまま山へ連れて行かれたので今の常識から言うと信じられない軽装で行ったわけですが、幸いにして高山病にもかからなかった。誘ってきた知人は装備を整えていたにも関わらず途中でバテたのに、私は3000メートルという高度にも酔うことなく元気に登頂した。残念ながら日の出は8合目でむかえ、雲海は見られなかったが、雄大な富士の麓に朝日の指す光景を見て感動したことを覚えています。山頂で火口を巡ったり観光したはずだけど、そっちの記憶は殆どない。覚えているのはあの黄金の朝日が登る瞬間の神聖な気持ち。
富士は今入山規制が始まっているとも聞くし、今の体力では完登はもう難しいだろうなと思うので下から見上げるだけですが、あの瞬間はおそらく一生忘れないだろうと思います。一生に一度、登ってよかったなと思う山となっております。そういう思い出をまた作りたいなと思います。
素敵な景色が見られますように。
夏のサバイバルへの感謝
今年は特にサバイバルで生き残ったという感覚が強い酷暑でしたね。もう夏の日に外を日傘無しで歩くなんてできなくなった。先日テレビを見ていて、昭和の夏は三十度超えで騒いでいたという話を聞き、隔世の感がありました。今、三十度だと涼しいなって思っちゃいますからね。でも、体温超えが普通なんて方がおかしいですね。
かつて、砂漠に憧れていた時期があって、今でも人生の最後に行きたい3つの場所の一つにサハラ砂漠があるのだけど、砂漠に入るとエアコンもつけずに車の窓を閉め切ると聞いて、最初は暑そうと思っていた。なんでエアコンをつけないのか、窓を開けないのか、と聞いたら「熱風で焼けるからだ」と答えが帰ってきた。エアコンなんか使って車がオーバーヒートで故障したら命に関わる。窓を開けると熱風が吹き込んでくるので車の中に入れたくない。砂漠では外気温が五十度を超える日もあると聞き、全くその世界を想像できないと思っていた。
だが、昨今の日本は四十度超えも出てくるようになり、かつて考えられないと思っていた状況に近づきつつある。アラブの民の暑熱環境で生き抜く智慧が日本でも通用するようになってきてしまった。つまり、半袖を着るより長袖を着たほうが涼しい。頭からベールをかぶって直射日光が当たらないようするほうが涼しい。窓を開けて風を入れ替えるより、雨戸を閉めて日中は日陰にしておいたほうが部屋の中が涼しい。そんな今までやったことのない方法で夏を生き抜くようになっている。常識がひっくり返ってきたな。
今年は日本の街なかでもあちこちでアラブ人もどきを見た。最初は軽装ブルカだと思っていたが、日本人女性が日焼けを嫌がって顔をクール素材で覆い、アームカバーで腕を覆い、頭からポンチョをかぶって自転車に乗っている。男性は普通に日傘を差して歩いているし、半袖で日に焼けている人を見るより、薄手のジャケットを羽織って日光を避けている人のほうが多い。季節感がまるでわからない服装になっている。実は夏の軽装よりきちんとジャケットを着たほうが腕は焼けなくて涼しいらしい。屋内に入ればクーラーも効いているからね。実は昼間も和装で肌を覆った方が涼しいかもしれん。
一方、夏の節約でクーラーを止めていたお年寄りが屋内で亡くなっている。昔は善行だった節約の行為も今は命に関わるものになっているのだ。
先日、車の整備でディーラーを訪ねたのだが、作業場はクーラーが入っていないので本当に辛いと話をしていた。冗談で「昼間は休んで、早朝と夕方以降の二部制で働けばいいのにね」と話を振ったら盛り上がってしまった。本当は引き渡しに十分もかからないのに、作業場に戻りたくないからおしゃべりが弾んでしまったらしい。私も意図に気づいて三十分ぐらいくだらない話をして彼の汗が引くまで待った。エアコンを入れてあげてくださいよ。この季節に外で作業する人には本当に頭が下がります。真昼に客だって店に行きたいとは思わないよ。二部制でも私は全然構わないって思うんですけどね。ランチタイムは三時間ぐらい昼寝したっていいじゃない。平日に休まなくても銀行や官公庁にも行きやすくなるし。土木だって夕方以降動いてもいいと思いますよ。八時ぐらいまでに作業を終えてくれるならば。
日本にもそろそろシエスタの伝統が必要かもしれないですね。真面目に働くだけがいいとは限りません。従業員の命を守る経営を考えてもいいように思う。夏はもう少しフレキシブルに生きられるといいのに、と思います。
盆に入ると収穫の報告を兼ねて自分の野菜で精霊馬を作る。だが、今年はキュウリはないので馬を揃えるのは難しい。ナスは先日やっと初物を手に入った。間に合えばお盆のお供えに加えようと思うけれど、秋茄子はうまいので食べるほうが優先かな。初物はめっちゃ美味しかったです。サツマイモは試し掘りもちょっと無理そう。今年は少し寂しいお供えになりそうだが、その分果実を購入して分け合おうと思います。梨もハシリ†が出ているし、桃と梨を買おうかな。日持ちのするゼリーを子供用に用意して、夏を祝いたい。
お盆のお供えはその年の収穫を占うものなので、秋以降の農作業は気を引き締めたい。本格的な収穫祭は十月以降になるけれど、お盆を境に作業がはじまる。既に米の初物も出回りつつあるけれど、田畑で垂れつつある稲穂に秋の恵みを思います。
まずは生り始めた秋茄子が今後もたっぷり採れるといいなと願いつつ、生存のご報告です! これから迎える収穫祭に向けて、幸先の良いスタートとなりますように。
【脚注】
処暑(しょしょ): 二十四節気の一つで、8月23日頃。暑さが峠を越え、収まる頃とされます。
白露(はくろ): 二十四節気の一つで、9月8日頃。草花に朝露がつき始める時期で、本格的な秋の訪れを感じさせます。
つる返し: サツマイモ栽培で、伸びたツルが地面に根を下ろさないよう、ツルを持ち上げてひっくり返す作業。芋を大きく育てるために欠かせません。
苦土石灰(くどせっかい): マグネシウム(苦土)とカルシウム(石灰)を含む肥料。雨で酸性に傾きがちな土壌のpHを調整するために使われます。
ハシリ:その季節に初めて出回る初物のこと
