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豊かな恵みを後世に 〜久米島が挑む、持続可能なモズク養殖の未来(久米島漁業協同組合)

MELニュースに掲載している、認証事業者からの寄稿(持続可能な水産業への取り組みや考えなど)を毎月ご紹介しています。
今月は、沖縄で2件目となるモズク養殖認証を取得された久米島漁業協同組合より、久米島漁協の参事 譜久里様に取り組みのご報告をいただきました。

「豊かな恵みを後世に」 〜久米島が挑む、持続可能なモズク養殖の未来

久米島漁業協同組合 参事 譜久里

沖縄本島から西へ約100km、古くから琉球の美しい島「球美(くみ)の島」と称えられてきた久米島に久米島漁業協同組合はあります。清浄な海洋深層水と豊かなサンゴ礁に囲まれたこの島は、全国でも有数のモズク産地で、年間約1,000トンの水揚げを約36名の生産者で養殖を行っています。私たちは、この美しい海の恵みを次世代へ引き継ぐため、ただ収穫するだけでなく、「大切に守り、育み、つないでいく」ことを何よりも大切にしております。その決意の証としてMEL認証取得に取り組むことにしました。
私たちがMELを取得したのは、まず「海の声に耳を傾ける」ためです。モズクの成長は、ありのまま自然に依存しています。だからこそ、自分たちのやり方が海に負担をかけていないか、MELの基準で厳しく見つめなおし、常にベストを尽くして生産し続ける。その「誠実な姿勢」を仕組みにしました。もう一つが、「選ばれる誇り」を磨くためです。世界中で環境への想いが高まる今、国際水準の認証は、私たちが海を愛している証そのもので、「このモズクなら信頼できる」と胸を張って選んでいただけるよう、久米島ブランドとして新しい価値を吹き込んでくれると感じています。

美しい久米島の海とモズク養殖場風景        収穫されたばかりのモズク

2014年より流通パートナーや消費者の皆様を巻き込んだ活動も行ってきました。それが「久米島美ら海環境基金」です。これは、当組合と大阪いずみ市民生協、わかやま市民生協、(株)海産物のきむらや、そして久米島町がパートナーとなり、モズクの対象商品1点購入につき3円を基金に積み立て、久米島の環境保全活動に役立てています。
単なる商品の売買にとどまらず、生協関係者の皆様が実際に久米島を訪れ、共に海岸清掃を行ったり、陸域からの赤土流出を防ぐための「ベチバー(深根性の植物)」を植栽したりと、泥にまみれて海を守る活動を続けています。こうした顔の見える関係こそが、持続可能な水産業を支える「共感のネットワーク」を生み出す大きな財産となっています。

赤土の流出を防ぐペチパー

また、私たちは新たな領域として「ブルーカーボンクレジット」も認証取得しました。海藻であるモズクが成長過程で吸収する二酸化炭素を価値化し、脱炭素社会への貢献と漁業経営の安定化を両立させるモデルを目指しています。
この「久米島モデル」は、日本国内にとどまらず世界へも発信したいと思っております。健康食としての魅力に加え、環境・社会への貢献を付加価値とした 「サステナブル・モズク」として海外市場を開拓し、日本の養殖業の新しい形を提示したいと考えています。
私たちの願いはシンプルです。「いい商品を、継続的に届けること」。
しかし、気候変動や海洋環境の変化が激しい現代において、昨日と同じことをしていては「継続」は望めません。MEL認証を指針とし、科学的根拠に基づいた資源管理と環境保全をアップデートし続けることや、環境・社会に貢献すること。それこそが、久米島の豊かな恵みを100年後の子供たちに手渡すための、唯一の道であると確信しています。


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