Salesforce AgentForce Data Cloudとは?概念と構造(DLO/DMO)
1. Data Cloudの役割:顧客を360度で“理解する”中核データ基盤 💡
Salesforce Data Cloudは、AgentForceや各クラウド製品の背後で動く「顧客データ統合基盤」です。
CRM、MA、コマース、外部システムなどに散らばる顧客情報をひとつの顧客ID(統合プロファイル)に集約することで、“一人の顧客を全方位で理解できる”ようにします。
この基盤は、単なるデータ倉庫ではなく、リアルタイムに更新される顧客ビューを提供します。
たとえば「この顧客が昨日メールを開封し、今朝ECサイトで商品を閲覧した」といった行動を、時系列でつなげて分析できるのです。
Data Cloudはまさに、Salesforceの「AI」「自動化」「パーソナライズ」の根幹を支える心臓部。
AgentForceが会話の中で“顧客を理解して動ける”のは、このData Cloudが全顧客データを統一して提供しているからなのです。
2. DLO(Data Lake Object)とDMO(Data Model Object):構造の理解が鍵 🔍
Data Cloudのデータ構造を理解するうえで欠かせないのが、**DLO(Data Lake Object)とDMO(Data Model Object)**という2つの概念です。
・① DLO:生データを格納する層
DLOは外部システムやCRMなどから取り込まれた“元データ”を格納する領域です。
たとえば、顧客マスタ、取引履歴、ウェブログ、購買データなどがこれに該当します。
DLOはあくまで「生データをそのまま保持」する層であり、ここに格納されたデータはまだ構造的な統一がされていません。
AgentForceでは、このDLOを検索・参照してAIがリアルタイムな情報を取得することも可能です。
・② DMO:標準モデルへ統合する層
DMOは、DLOから取り込まれたデータをSalesforce標準のデータモデルにマッピングした統合層です。
顧客・注文・製品・イベントといったオブジェクト単位に整理され、共通のキー(例:個人IDや顧客ID)で紐づけられます。
たとえば、複数のCRMから取り込まれた「同一顧客A」のデータを、一つの統合プロファイルに結びつけることができるのです。
このDLOとDMOの二層構造によって、Data Cloudは“データの取込みから活用まで”をスムーズに接続できるのです。
DLOが「データの倉庫」、DMOが「知識として整えられた顧客ビュー」と覚えるとイメージしやすいでしょう。
3. AgentForce × Data Cloud:AIが“文脈を理解する”ための情報源 🧠
AgentForceは、Data Cloudを通じてCRMや外部システムの情報を自然言語で扱えるように設計されています。
AIが「この顧客はどんなプラン?」「最近の購入履歴は?」といった質問に答えられるのは、Data CloudからDLOやDMOを参照しているからです。
ここではAgentForceの活用イメージを見てみましょう。
・ユーザーが質問:「顧客Aの最新契約内容を教えて」
・AgentForceが動作:
① トピックで「契約確認」と判断
② アクションでData Cloudの契約DLOを検索
③ DMO(契約+顧客オブジェクト)を参照し、結果をPrompt Builderで整形
④ 「顧客AはGoldプランで2026年3月まで契約中です」と回答
この流れの中で、Data Cloudは**AIの“記憶と知識の参照元”**として機能しています。
さらに、Einstein Trust Layerによるアクセス制御が適用され、PII(個人情報)や機密データを保護したままAIが活用できる点も大きな特徴です。
Data Cloudがあることで、AgentForceは単なるチャットAIではなく、**リアルな業務データを理解して行動できる“実務エージェント”**へと進化します。
まとめ ✨
Salesforce Data Cloudは、AgentForceを支える“顧客理解の脳”です。
DLOが外部データを取り込み、DMOが標準モデルとして整える──この構造があるからこそ、AIは企業全体の情報を横断的に理解できます。
まとめると、Data Cloudは「データ統合」「リアルタイム処理」「AI活用」を同時に実現するSalesforceの中核。
AgentForceと組み合わせることで、AIが文脈を理解し、顧客単位で最適なアクションを自律的に実行できるようになります。
企業にとってData Cloudとは、単なるデータ管理ではなく、**“AIが動ける環境を整えるためのインテリジェント基盤”**なのです。
