『ゼロから触ってわかった!Databricks Agent Engineering実務入門』を出版しました
このたび、Kindle書籍
『ゼロから触ってわかった!Databricks Agent Engineering実務入門 ~AI Gatewayでつなぎ、Agent Skillsで標準化・量産し、MLflowで運用する~』
を出版しました。
本書のテーマは、Databricksを使ったAgent Engineeringです。
生成AIの活用というと、これまでは「SQLを書いてもらう」「Pythonコードを生成してもらう」「エラーの原因を調べてもらう」といった、開発者を支援する使い方が中心でした。
もちろん、それだけでも十分に便利です。
しかし、AI Agentが進化する中で、次に考えるべきなのは、
「AIにコードを書かせる」から「Agentに仕事そのものを任せる」
という変化ではないかと考えています。
たとえばデータパイプライン開発であれば、単にSQLを生成するだけではありません。
接続先やソースデータを確認する
取り込み方式を判断する
テーブルを設計する
SQLやPythonを生成する
データ品質チェックを追加する
テストを実施する
問題があれば修正する
こうした一連の仕事をAgentへ任せる世界です。
ただし、AgentにToolを渡すだけでは、企業の期待する方法で仕事をしてくれるとは限りません。
企業には、命名規則、データ設計、BatchやStreamingの使い分け、増分ロード、MERGE、データ品質、テスト方針など、さまざまな開発標準があります。
本書では、これらをAgent Skillsとして「再利用可能な能力」に変えるという考え方を中心に扱っています。
本書で扱う4つのステップ
本書全体は、大きく次の流れで構成しています。
接続する → 能力化する → 量産する → 運用する
まず、Unity AI Gateway、Unity Catalog、Connection、MCPなどを使い、Agentが利用するAIモデルや外部サービスへの接続を管理します。
次に、接続先やToolへ企業固有のルールや仕事の進め方を組み合わせ、Agent Skillとして能力化します。
さらに、Genie Codeから複数のSkillを利用し、YAMLで要件を与えることでパイプラインを繰り返し生成するPipeline Factoryへ発展させます。
そして最後に、MLflow TracingやEvaluationを使い、Agentの実行内容や品質を評価し、その結果をSkillへフィードバックするAgentOpsまで扱います。
「コードの再利用」から「能力の再利用」へ
本書を書きながら特に重要だと感じたのが、この考え方です。
これまでのデータエンジニアリングでは、関数、ライブラリ、テンプレートなどを再利用してきました。
Agent時代には、その対象をさらに広げ、
「この会社では、この仕事をどのように進めるのか」
という判断基準や作業手順そのものを再利用可能にしていくことが重要になると考えています。
人が標準書を読んで実装するのではなく、Agentが標準を利用して成果物を生成する。
そして、標準が変わればSkillを更新し、次に生成される成果物へ反映する。
そんな開発スタイルを、本書では実際のデータパイプラインを題材にしながら段階的に構築しています。
こんな方に読んでいただきたいです
Databricksで生成AIやAgentを活用したい方はもちろん、
AI Agentを実務へどう組み込むか悩んでいる方
Agent Skillsに興味がある方
データパイプライン開発を標準化・自動化したい方
Genie Codeを単なるコード生成以上に活用したい方
MLflowを使ったAgentの評価・運用を学びたい方
これからのデータエンジニアの役割について考えたい方
に特におすすめです。
本書はDatabricksの個別機能を紹介するだけではなく、
「接続を管理し、企業の知識を能力に変え、Agentで量産し、評価して改善する」
という一連のAgent Engineeringのライフサイクルを理解していただくことを目指しています。
生成AIをコーディング支援として利用するところから、もう一歩先へ進みたい方にとって、何か一つでもヒントになれば嬉しいです。
ぜひお手に取っていただければ幸いです。
