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Salesforce AgentForce プロンプト設計の基本構造

1. プロンプト設計とは:エージェントの“思考ルール”を定義する工程

AgentForceでエージェントを構築する際、最も重要なのが「プロンプト設計」です。
プロンプトとは、AIがどのように理解・判断・回答するかを決める“思考ルール”であり、人間にとっての指示書やマニュアルのような役割を果たします。
Salesforce AgentForceでは、Prompt Builderを使ってこのルールを定義します。
プロンプトには「指示」「コンテキスト」「制約条件」などを組み合わせ、AIの発話トーンや回答範囲、参照するデータを制御できます。
たとえば「営業担当として顧客の購買履歴を踏まえた提案をする」「サポート担当として過去の問い合わせを参照する」といった具合です。
つまり、プロンプト設計とは、AIを“賢く働かせる”ための設計図そのものであり、AgentForceにおけるAI品質を決める中核要素なのです。


2. 基本構造①:システム・ユーザー・コンテキストの三層設計

AgentForceのプロンプトは、主に「システムプロンプト」「ユーザープロンプト」「コンテキストプロンプト」の三層で構成されます。

① システムプロンプト(System Prompt)
AIの人格・トーン・役割を定義する部分。
例:「あなたはSalesforce営業チームのアシスタントです。常に丁寧な口調で答え、提案内容には必ず顧客名を含めてください。」
これにより、AIの一貫した話し方や対応スタイルが保たれます。

② ユーザープロンプト(User Prompt)
ユーザーが入力した質問・指示をそのまま受け取る部分。
ここでは、自然言語の意図をAIが解釈し、どのアクションに接続するかを判断します。

③ コンテキストプロンプト(Context Prompt)
過去の会話履歴、Data Cloudから取得した顧客情報、または外部システムからの参照データなどをAIに提供する部分です。
この層を組み合わせることで、AIは“文脈を理解して動く”ことができるようになります。

この三層設計を意識することで、AgentForceのAIは「誰が」「何を」「どの情報をもとに」回答しているのかを明確に制御できます。


3. 基本構造②:制約・トーン・出力形式を組み込む

プロンプト設計で見落とされがちなのが、「制約条件」と「出力フォーマット」の設定です。
AgentForceでは、AIが想定外の出力を行わないように明確な制約を与えることが推奨されます。
たとえば以下のような設定です。

  • 制約例:「顧客の個人情報(住所・電話番号)は出力しない」「推測ではなくData Cloudから取得したデータのみを回答する」

  • トーン例:「ビジネス丁寧語」「カジュアルで親しみやすい会話調」

  • 出力形式例:「JSON形式で返す」「3行以内で要約する」「箇条書きで提案を出す」

これらの要素をPrompt Builder上で明示的に設定しておくことで、AIの回答は安定し、業務フローに組み込みやすくなります。
特にSalesforceでは、FlowやApex、Einstein Trust Layerと連携するため、機械可読性の高い出力形式を設計しておくことが非常に重要です。
AIが曖昧に“答える”のではなく、再現性ある“成果物”を返すプロンプト設計が理想です。


まとめ

Salesforce AgentForceにおけるプロンプト設計は、AIを「正しく・安全に・効果的に動かす」ための最重要ステップです。
三層構造(システム・ユーザー・コンテキスト)を明確にし、制約やトーン、出力形式を緻密に設計することで、AIの精度と信頼性が劇的に向上します。
まとめると、プロンプト設計は単なる文章設定ではなく、AIを一人の業務担当者として“教育する”プロセスなのです。
AgentForceの強みは、この教育をノーコードで可視化し、Data CloudやFlowとシームレスに連携できる点にあります。
“話すだけで動くAI”を作るためには、まずプロンプトの構造を理解し、AIに「正しい考え方」を教えるところから始めましょう。

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