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店が触れない導線が、韓国の検索に現れた

「韓国のNAVER対策」って、スマートプレイスの登録情報を整えることだと思っていませんか。

正直に言います。私もそう整理していました。8月20日にNAVERが始めた機能を見るまでは。

■ 何が始まったのか

NAVERが8月20日から、ユーザーがネイバー地図(NAVERマップ)上に自分で作って公開した「保存リスト」を、統合検索の結果で推薦し始めました。

入口になるのは「地域名+가볼만한곳(見どころ)」というクエリ。「부산 가볼만한곳(釜山 見どころ)」「제주 가볼만한곳(済州 見どころ)」といった検索です。

対象地域は、江陵・慶州・大邱・大田・釜山・束草・麗水・全州・済州・坡州の10か所から。公式ブログには「점차 확대해 나갈 예정(順次拡大していく予定)」とありますが、時期も次の対象も書かれていません。

推薦されるのは「全体公開」に設定されたリストのうち、NAVER内部の基準で推薦品質を満たしたもの。その基準の中身は非公開です。表示されるのはリストのタイトル、作成者のニックネーム、そして検索した地域の場所(業体)情報。

■ 店舗が動かせるレバーが、見当たらない

ここが今回一番引っかかったところです。

スマートプレイスなら、店舗が自分で情報を入れて、写真を差し替えて、口コミに返信できます。手を入れた分だけ整っていく面ですよね。

保存リストは違います。作るのはユーザー。公開範囲を決めるのもユーザー。推薦するかを決めるのはNAVER。三つの判断が、全部お店の外側にあるんです。広告として買える枠だという案内も、発表には出ていません。

「じゃあ自社でアカウントを作ってリストを量産すれば」と思いますよね。私も一瞬考えました。でも、この面は作り手のニックネームが表示される設計です。ユーザーが自分の体験を残す場所として作られている。数で押す発想とは、たぶん噛み合いません。

■ 開始10地域に、ソウルも仁川も入っていない

これ、地味に大きい話だと思っています。

江陵、慶州、大邱、大田、釜山、束草、麗水、全州、済州、坡州。首都圏の二大都市が入っていない。

「가볼만한곳(見どころ)」という聞き方を考えると納得できます。その街に住んでいる人は、こんな言い方でお店を探しません。この問いを投げるのは、土地勘のない人——つまり旅行者です。

日本から韓国に出店するとなると、最初の候補はソウルの明洞・弘大・江南あたりになりがち。開始10地域とは重なりません。拡大の意向は書かれていても、時期が出ていない以上、そこを前提にした計画は立てられない。読み取れるのは方向だけです。旅行者の発見体験から手をつけている、ということ。

■ 順位の話ではなく、文脈の話

ここが本題です。

これまでのローカル検索対策って、お店を単体で最適化する作業でした。屋号で検索されたとき、業種で検索されたとき、自店の情報がどう出るか。主語はいつも自分のお店。

保存リストが検索面に入ると、主語が入れ替わります。

公式ブログが例に挙げていたのは「아이와 함께 가기 좋은 곳(子どもと一緒に行きやすい場所)」「감성 카페만 모은 리스트(感性カフェだけを集めたリスト)」「뚜벅이 여행 코스(車を使わない徒歩・公共交通の旅コース)」。どれもユーザー自身の文脈ですよね。

自分のお店は、その文脈に合った一項目として現れる。見出しを書くのは他人です。

Googleマップの口コミと似ているようで、決定的に違う点が一つあります。口コミは自店のページに溜まる。でもリストは、他人のページに置かれるんです。自社の資産にならないのに、来店の入口にはなる。

■ 今できること

三つに絞りました。

一つ目。推薦基準を追いかけないこと。NAVERは基準を公開していません。「こうすれば載る」と断言する情報を見かけたら、まず出典を確認してください。

二つ目。動かせる面と動かせない面を、予算ごと分けて管理すること。スマートプレイスの運用工数を保存リストの「対策費」と混ぜると、何が効いたのか測れなくなります。

三つ目。出店候補地を「地域名+가볼만한곳(見どころ)」で実際に検索してみること。日本からでも見られます。どんなリストが並んでいて、どんな粒度の文脈が支持されているのか。開始10地域が候補に入っているなら、今日から確認できます。

お店が触れられない場所で、お店の評判が形になっていく。厄介です。でも裏返せば、予算で順位を買えない面が一つ増えたということでもある。そこに載るのは、実際に足を運んだ誰かが「人に見せたい」と思ったお店だけですから。

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引用と出典をつけた詳しい版は、こちらに書いています。
https://menumenu.life/blog/naver-saved-list-search-recommendation

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