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1週間で妻の浮気をスッパ抜く方法最終章

1週間前の覚書


マリコと佐々木は、床に正座していた。

「マリコ」

マリコが顔を上げてタカオの方を見た。

「マリコ お前はこっちに座れ」

タカオはソファに座るように指示した。

「え・・・・・でも」

「いいから こっちに座れ」

タカオは少し語気を強くしてもう一度指示した。

マリコは恐る恐る不安げにソファに座った。

そして、タカオは机の引き出しから二枚の便箋を取り出した。

そして、二人の前に広げてみせる。

ほんの一週間前に、二人が書いた覚書きだ。

忘れたとは言わせない。

「佐々木さん、覚えているよね。これ、一週間前にあなたが書いたものだよ」

佐々木は、便箋を見つめたまま黙っている。

「では声に出して読んでもらおうか」

佐々木は便箋を手に取った。

そして、震える声で読み始めた。

「声が小さくて、何を言っているのか聞こえないよ」

タカオは佐々木を見た。

「もっと大きな声で読んでみて」

佐々木は顔面蒼白になった。

そして、今にも泣き出しそうな声で、もう一度読み上げ始めた。

「私、佐々木真一は、・・・・・・・・。

今後、今回の説明に虚偽があったことが判明した場合は、いかなる処分も受け入れます。」

こうして佐々木は地獄の門を開く呪文を何度も何度も唱えるのであった。

終わり

エピローグ


あれから、しばらく時間が過ぎた。

あの一週間は、タカオにとって長い一週間だった。

マリコの小さな変化に気づいたこと。

「ちょっと用事がある」と言って家を出た朝。

「今日は残業で遅くなる」と届いたライン。

そして、駅前の喫茶店で佐々木と二人でいたマリコ。

たった一週間。

だが、その一週間で、タカオは見たくなかったものを全部見てきた。

夫婦は、35年も一緒に暮らしていると、言葉にしなくても分かることがある。

いつもと違う声。

いつもと違う仕草。

ほんの少しの違和感。

それを「気のせいだ」と流してしまえば、それで終わる。

だが、もし、その違和感が本当に何かの始まりだったら――。

もし、その違和感が氷山の一角だったら。

タカオは、今回それを放っておかなかった。

タカオが調べたかったのは、マリコを捨てるためじゃない。

マリコに手を出した男を逃がさないためだった。

幾つになっても恋は盲目なのだ。

マリコにとってタカオに足りないものを佐々木は持っていた。

マリコは女として扱ってくれる佐々木に少しずつ魅かれていってしまった。

浮気は心の隙間に眼に見えないそよ風の如く入ってくる。

「最初は喫茶店で仕事の相談をしながらお茶するだけの関係だったのに・・・。」

浮気の9割はほんの些細な出来事から始まる。

タカオのようにこの蟻の一穴に一刻も早く気づきすぐに動けば事態は大きく決壊しない。

興信所や探偵に依頼しなくても、いくらでも浮気をすっぱ抜くことができる。

浮気かなと疑い始めた貴方に読んでいただけたら光栄です。

なお、浮気した者たちへの制裁方法は、100人いれば100通りある。

どれが最高の制裁なのか。

それに答えはない。

この物語は、制裁そのものに重きを置いたものではない。

そのため、読者の皆さんには不完全燃焼に感じられる部分も多々あったかもしれない。

その点は、申し訳なく思う。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

それでは――。

次の物語で、またお会いしましょう。

新作まで、もうしばらくお待ちください。


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