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masaru12
熱帯夜からはじまる|シロクマ文芸部|ショートショート
「熱帯夜か〜…。」
「え、何??」
隣で同期がつぶやいた言葉が聞き取れなくて、問い返す。
「あ、いや、今、天気予報見てて。今日の夜も暑いのかぁって。」
「暑いの苦手なの?」
「うん。え、逆にここ最近のこの暑さ…得意な人いると思う?」
「…うん、いないね。
でもさ、園山さんって苦手なものなさそうじゃん?
なんだかこう…いつも凛としていて、
私なんでもできるんでって顔してるっていうか…。」
「え、ちょっとまって。私、今ディスられてる?」
「ちがうちがう!そんなつもりない!」
「…人間が2回、同じ言葉繰り返すときって嘘ついてるらしいよ。」
「まってまって!…あぁ、また。えーっと、だからさ…。」
「ふふ…下村くん、焦りすぎ。」
彼女の普段会社で見せないようなフワッとした笑顔を見て、
「俺、園山さんのこともっと知りたいんだ。
今日…その、夜ごはんでもどうかな?」
と胸に秘めていた想いが溢れてしまった。
熱帯夜に照らされたように、彼女の頬が赤らんだ。
