第10回✨この地にある光の神様――神明宮様と織物の血脈
こんにちは。精麻アーティストの長坂茉乎です。
今回は、金沢黒沼神社に鎮座する、国産大麻(精麻)と非常に繋がりが強い「神明宮(しんめいぐう)様」についてお話しします。
神明宮様は、この世に最初に光を与えた神様と伝わる、二柱の女神様です。
その御神紋は「十六菊花紋」。
小さな頃から
ここは「女性の祀り事」の場所と言われてきました。
実は、神明宮のお宮の中に入れるのは女性のみとされているのです。
黒沼神社の「羽山ごもり」が女人禁制であるのに対し、
こちらは「男性禁制」。対になるような神秘を感じずにはいられません。
昨今の神社ブームもあり、ネット上では「瀬織津姫(セオリツヒメ)ではないか」と推測して書き込まれている方もお見かけしますし、それを信じてご参拝くださる方も少なくありません。
しかし、伝承の通り、神明宮様はどこまでも「神明宮様」なのです。
神輿渡御(みこしとぎょ)の際、わずかに触れることができる御神体とも呼ばれるものは、美しい一張羅(いっちょうら)の着物の端布(はぬの)で幾重にも覆われた、二柱の姿をしています。
このお姿について、絹織物が普及するよりもさらに昔の時代には、「大麻布」で覆われていたのではないかと推測されています。
なぜ、女性だけの祀り事なのか――。
それは古来、女性たちが大麻の繊維を一本一本「手績(てう)み」し、祈りを込めて布を織り上げていた歴史の名残なのかもしれません。
光を、光の布で包み込み、安寧を祈った神籬(ひもろぎ)であり、神様の依代(よりしろ)。
なんと美しく神々しい光景だったのだろうと、想像するだけでゾクゾクします。
時を超え、地域の女性たちがそれぞれの美しい一張羅の端布を結び合わせ、神様を包むようになっていきました。
実は、私たちの宮司家には、
かつて福島県の産業に多大なる尽力をした人物がおります😊✨🙏
なんと、自動で絹織物を織る「自動織機(じどうしょっき)」を発明した人物です。それも、最高級のシルクである『羽二重(はぶたえ)』を織る機械でした。
世界のトヨタの始祖である豊田佐吉氏と時を同じくしながらも、一切の特許を取らずに周囲へ技術を広めたその人の名は、大橋(半澤)哲彌。私の二代前、曾祖父の兄弟にあたる人物です。
この歴史については、黒沼神社(公式)のInstagramや、私の手織りのInstagramで詳しくご紹介しています。
長坂茉乎のプロフィール( @long.slope_ )からリンクで飛べますので、ぜひご覧になってみてください🙏✨いずれそちらもお話したと思います。
神明宮様が現在、美しい絹の一張羅で覆われているのも、この織物の歴史の繋がりからなのかもしれません。
だからこそ……いつかその御神体を覆う大麻布を、神明宮様にも私がこの手で織り上げたいと、強く願っております。
今から1300年前、神明宮様は黒沼神社に場所を分け合いました。その際、神明宮様への深い敬意を表する意味もあり、一段高い場所にお祀りされ、黒沼神社の本社を見下ろすような位置に鎮座されています。
縄文、あるいは古墳時代という遥か古来より、
この湿地帯にいらっしゃる光と水の神様✨
禊(みそぎ)の場だけでなく、神様へお食事を差し上げる「御膳献上」の際にも、『神明井戸』の御神水が使われています。この地にあるすべては、神明宮様の恵みのお陰なのです。
古来、精麻を扱うにあたっても、この聖なる水の恵みは決して欠かせないものだったのでしょう。
すべてのパズルのピースが、麻と水、そして織物の歴史へと繋がっていきます。
実はもう一つ
物語を秘めた『青麻(あおそ)神社』が存在します。
次回に続く
金沢黒沼神社
長坂茉乎(精麻のムスヒ)


