【分析】DeadlockをMOBAとヒーローシューターというジャンルから考察する

概要

 Half-lifeとTeam Fortressを作ったValveの新作TPS+MOBA、Deadlockがβテストを始めた。青春をLoLとPCゲームに捧げた私がDeadlockに興味を持ったことは必然でもある。第一印象は「そういうゲームがあるんだー」だったが、YouTubeでプレイ動画を見てからは1秒でも早く遊びたくてしょうがないほど感動した。しかし、実際プレイしてみたところ、面白さは充分感じつつ、そこまで夢中にはなれなかった。本文ではそれはなぜだろうかと、これまでプレイしてみたTPS/MOBAゲームと比較しながらDeadlockを分析してみる。

※本文は開発初期の2024/10に作成された文章で、現バージョンとの相違があります

本作のSteamページ


ゲームの流れ

レーンにそって、味方ユニットと共に敵陣へ進撃する
敵陣を壊したら勝利

 Deadlockのルールは一般的なMOBAと大差がない。12人のプレイヤーが2チームに分かれ、敵陣を壊すことを目標とする。各陣営に向かう道がいくつかあり、この道はレーン(Lane)と呼ばれる。各レーンには敵対ユニットを攻撃するタワーがあり、進撃を防ぐ。プレイヤーはレーンに沿って進む味方NPC(ユニット)タワーを破壊して戦線を上げ、相手の敵陣を壊すことがゲームの目標。


レーン戦について

Deadlockのレーン戦

 MOBAで、ゲームの序盤(主にレーンの1番目のタワーが壊されるまで)は一つのレーンで相手のプレイヤーと対立し、戦線を押し合う。これをレーン戦という。Deadlockは6vs6で他のMOBAより多い、4つのラインがある。プレイヤーは1:2:2:1でレーンに立ち、レーン戦を始める。

 LoLの場合、どのキャラクターでどのレーンに行くか役割が決まっており、ルールを覚えるまでかなりの時間を必要とするが(キャラクターだけで140体以上)

LoLのレーンと、そのレーンに立つキャラの一覧

 Deadlockはゲームの開始と同時にレーンが自動で決まりキャラがどのレーンに立つか学ぶ必要がない。これはマップがほぼ完璧な左右対称で、役割を分ける必要性が低いからだと考えられる。(単純にメタが出来上がってない可能性も高い)

レーンの移動手段、ジップライン
ゲームが始まったら自動でジップラインに乗り、自分に与えられたレーンへ向かう

 それぞれのレーンにはジップラインがついている。ジップラインは味方NPCの位置、つまり戦線によって長さが変わり、戦線を上げるほどジップラインに乗って敵陣の奥側まで進める。一般的なMOBAで使われるテレポート型ではなく、世界観に馴染んでいるシステムであること、戦線を上げることにメリットを与えたこと、上から視野が広く、復帰と同時に戦況を把握しやすいことでこのジップラインはMOBAジャンルで革新的なシステムだと思う。

戦線を上げると同時に長くなっているジップライン(紫)
ジップラインで降りながら素早く戦況を読み、ファイトに参戦する

 MOBAは毎ゲームが小さなRPGのように、レベル1で始まって成長するようになっている。故に最初からファイトするよりは、レーン戦で敵NPCを狩って通貨(本作ではソウル)や経験値を集めて安定的に成長する。

LoLの例。敵NPCを狩って経験値/通貨を集める行為をファームと呼ぶ

 レーン戦では安定的にファームして成長しながら、相手のファームを妨害、機会があればキルし、相手より強くなることが目的になっている。しかし、Deadlockはファームでも少し変わったシステムがある。

NPCをキルした時に1回、
魂を攻撃して2回ソウルを得ている

 敵(NPC/タワー/プレイヤーなど)は、死んだあと魂を落とす。魂は空に飛び、数秒後消え、キルしたプレイヤーにソウルを与える。しかし、飛んでいる魂を攻撃すると即時ソウルが得られる。相手がキルしたユニットから出た魂も、攻撃するとソウルを奪うことができる。Deadlockのレーン戦では自分のファームに集中しながら、積極的に相手の魂を奪うことも大事な要素である。

相手がキルして出た魂はオレンジ色に見える
相手より早く魂を攻撃して、ソウルを奪う

 相手のファームを妨害する行為はLoLより前のMOBA、Dota2からあったもので、Denyと呼ばれる。DeadlockのDenyは、相手がユニットをキルする瞬間を把握して、相手より早く魂を攻撃しなきゃいけないため、高いレベルのエイムを要する。エイムさえ良ければファイトで負けて戦線を下げている状況でも、相手の魂を奪いながら成長することもできる。一般的には戦線を下げ、押されている状況だとDenyでファームもできず、劣勢が続くようになるが、これを防げる方法がある。

近接攻撃でキルしたユニットは、魂を落とさない

 それは近接攻撃である。Deadlockの近接攻撃は、チャージすると強くなり、チャージして攻撃すると相手に向かって突進する。近接攻撃でユニットをキルすると、魂が落とされずそのままソウルが得られる。Deadlockでは戦線を上げると、ファームしやすく、相手を攻撃しやすいというメリットもあるが、相手が近接攻撃でユニットをキルするとDenyができなくなるというデメリットもある

もちろん、近接攻撃は敵に近づく必要があり、
敵に攻撃されやすくなる

 Denyと近接攻撃で単純な撃ち合いのTPSではなく、レーン戦での読み合いがより深くなり、毎ゲーム様々な状況が生まれる。ファイトで勝つアクションとしての面白さと、有利な状況を作って少しずつ成長の差を広げる戦略としての面白さが共存している。βとは思えないぐらい、ゲームの深さがすごい。

NPCを狩る✖相手のファームをDenyする✖相手とファイトする

成長要素について

 ソウルはアイテムを買うための通貨でもあるが、ソウルを貯めるとレベルが上がり、「ソウル=通貨、経験値」と成長要素を一つにまとめたのが直観的に分かりやすい。他MOBAの場合、経験値/アイテム/特性…などなど色んな軸の成長要素があって知識が要る。しかしDeadlockは上段のUIに全プレイヤーの獲得ソウル量が表記され、今誰が強いか、誰が弱いかが一目でわかる

上段のUI
LoLのスコアボード
K/D/Aは見えているが、通貨は見えていない
単純に情報量が多い
BlizzardのIPを活用したMOBA、Heroes of the Storm

 このような成長のカジュアル化は、他のゲームでも見れる。Heroes of the Stormの場合、個人のレベルがなく、チーム全体のレベルが共有される。同じく上段バーにチームレベルが表記され分かりやすいが、個人の活躍が難しく、単調になるゲーム性をオブジェクトに頼りすぎるという問題があった。レベルの共通化は確かに分かりやすくカジュアルだが、変数が生まれにくくなり、ゲームが単純になる印象を受けた

Deadlockのショップ
右側に他のユーザーが作ったビルドが表れる

 そういう意味でDeadlockは、Heroes of the Stormとは真逆の道を選んだ。100個以上の様々なアイテムを作り、同じキャラクターでもアイテムビルドによって違う体験ができるようにする。これは一般的なMOBAも同じだが、Deadlockはアイテムという膨大な情報をなるべく分かりやすく伝えるためアイテムビルドをユーザーが作り、それを共有できるようにした。ライトなユーザーは人のビルドをそのままマネするとゲームを楽しめる。ゲームの理解度が高まってくると自分で考えてアイテムを選ぶことができる。

LoLのショップ
統計データから適切な選択肢を提供する
現在相手しているキャラクターに有効か、どんな状況で選んだらいいか

 Deadlockのアイテムはあまりにも情報量が多すぎてかなりの勉強を要する。特に、ファイトで直接的に影響を及ぼすアクティブアイテム(特定の技を提供するアイテム)の数も多く、それを全部活用するためには時間がかかる。しかし、ビルド共有でハードルを下げたことや直感的なUIでライトユーザーも遊べる機会を与えたことで、ゲームに興味を持って知識を得る機会は充分提供していると感じた。しかし、カジュアルに遊べる機会を与えたことはLoLのアイテムおすすめの方が、知識が少なくても自分で選択できるという面で魅力的だと考える。

短い距離をテレポートするアイテム
広範囲Dot攻撃のアイテム
キャラクターのスキル以外にも、戦闘で使える選択肢が星の数ほどある

アクションについて

 TPSのDeadlockは当たり前ながら主に遠距離で攻撃する。残弾数があって弾を使うとリロードが必要だが、Deadlockのリロードは一般的なシューティングゲームより長い。戦闘でターンを与え、戦略の幅が広がることはいいと思うが、ファイトで敵を追う時、弾切れになる瞬間はストレスを感じる。

弾切れで攻撃ができない瞬間

 Deadlockのファイトでは、上述した近接攻撃も頻繁に使われる。ダメージが高く当てやすいが、この近接攻撃は防御(クールダウン有)でパリーできるパリーされた敵は一定時間行動不能になる。Overwatchのようなヒーローシューターを除く、多くのシューティングゲームでは相手と近接するとエイムの動く幅が大きくなり、混乱しやすい。近接でも戦略的なファイトができることもDeadlockの魅力だと思う。

 DeadlockはTeam FortressとOverwatchを継ぐヒーローシューターである。単純な撃ち合いではなくキャラクター固有のスキルを使って、x/y軸ではなくz軸もつかった立体的な戦闘ができる

歩いた経路に氷の道を作る
アクティブアイテムアイテム、ダッシュ、スライドを活用した追撃

 デフォルトの移動速度が速く、ジャンプからのダッシュ、スライドからのジャンプでダッシュなど滞空中方向転換も自由にできる。このような複雑な操作を活用できる地形も多く、毎回違うファイトが行われる。こういう部分はTPS+MOBAのアクションゲーム、Cyphersとも似ている印象を受けた。

 CyphersはMOBAのルールを使った3人称アクションで、ジャンル的にはDeadlockとかなり似ている。しかし、Cyphersは格闘ゲームのようなアクションシステムを採用し、ダウン状態/起き上がる時に無敵判定/掴み/ダメージ受け時硬直などのシステムが再現されている。Cyphersは戦略より個人のファイト実力に比重を置き、難しいことを考えずにファイトだけに集中したいユーザーも楽しめるが、MOBAとしての戦略性は比較的浅いという懸念点がある。

Cyphersの魅力は爽快感のあるアクション

 Deadlockはジャンル的にTPSよりはMOBAに近いゲーム性を持っている。しかし、トップビューではなくTPSのDeadlockは個人のファイトでの面白さも、MOBAの戦略的面白さも両方感じれるように設計されている。TPSとMOBAを合わせたゲームは幾つかあるが、両方を違和感なく混ぜ込み、どっちの味もちゃんと深くしている点が素晴らしい。


チームファイトについて

 チームファイトとTPSといえば、ヒーローシューターの代名詞、まずOverwatchが浮かぶ。父親のようなTeam Fortressにはなかったウルトシステムを導入し、味方と技を連携して一気に敵チームを全滅させるチームファイトがOverwatchの面白さである。

ウルトの連携が戦略の核となるOverwatch

 Deadlockも同じように、味方との連携を大事にしている。しかし、DeadlockのチームファイトはOverwatchよりは他のMOBAに近い。Overwatchのスキルは味方をサポートするためだけのスキルだったり、キャラクターの役割がはっきり決まっている。しかしDeadlockは上述したように個人のアクションも、戦略的にも、キャラクターのビルドも、選択肢が星の数ほどあり、Overwatchのような気持ちいいチームファイトは頻繁に行われない。(チームファイトそのものが少ないという意味ではない)

Deadlockのチームファイトはみんなが同じ場所で争う戦争よりは、
1vs2/1vs1/3vs3が同時に行われる乱戦に近い印象

 もちろん、DeadlockはOverwatchのような気持ちいいチームファイトもできる。ヒーローシューターの面白さに達して、数多い選択肢を提供して毎ゲーム違う戦略が生まれる。できることが多く、その分多様な体験ができるが、あまりにも多い情報量を要求するため、既存のMOBAに慣れていないユーザーにはハードルが高いと考える。Overwatchを楽しんだユーザーが必ずヒーローシューターのDeadlockも好きになるとは言いづらい。

敵にダメージを与えると、その敵の現在体力が表示される
乱戦で分かりづらいファイトでも情報を得やすくなる
チームファイトを誘導する壺運び
マップの反対側まで壺を運ぶとチーム全員がソウルを得る
縦軸(ジップライン)以外にも横軸でマップを横断できるワープポイント

カジュアルさについて

 このようにDeadlockには要素が多すぎる。MOBAというジャンルはそもそも情報量が多いことも一つの理由だと思う。しかし、MOBAでありながらカジュアル路線を目指したゲームがある。みんな大好きポケモンIPを活用した、ポケモンユナイトである。

分かりやすい、ポケモンのMOBA
全般的に小さいマップ
ゲームにかかる時間も10分でMOBAにしてはすごく短い

 ポケモンユナイトにはラインが2つしかない。しかもラインに沿って進撃するNPCもなく、ラインを守るタワーもない。成長要素はインゲームではレベルだけで、アイテムはない。ルールはタワーの代わりにゴールエリアがあり、野生ポケモンや敵を倒して得たボールをゴールエリアにゴールし、より多くのスコア(ゴールで獲得)を得たチームが勝利する。MOBAを遊んでみたユーザーは誰でもすぐ習えるシンプルなルールである。しかし、あまりにもシンプルでゲームプレイが単調になる。

ゴールエリアでゴールボタンを押すと、ボールを入れる
ゴールを入れる相手を攻撃して妨害することもできる
頻繁に起こる裏どり

 アイテムがないためキャラクターの体験が大きく変わらない。マップが狭くレーンを守るNPCもないため裏どりでゴールを狙う戦略が主流になる。ゲームの後半には倒すとゴールスコアが2倍になるオブジェクトが表れる。

 しかし、ゴールスコア2倍バフがあまりにも強力で、後半までのスコアがどうであれ結局オブジェクトを取るチームが勝つゲームになってしまう。Heroes of the Stormがオブジェクトに頼りすぎるゲーム性だと上述したが、ポケモンユナイトはそれ以上である。

 ポケモンユナイトはカジュアルなMOBAではあるが、MOBA的にはゲーム性が浅く、カジュアルな面ではそもそもMOBAというジャンルが勉強を必要とするゲームであり、あまりアピールできないと思う

ゴールスコア2倍、待機時間なしでゴールできるバフを与えるサンダー

 多様な要素で豊かで複雑なゲーム性を作り、分かりやすいUIやライトユーザー向けのシステムでハードルを下げたDeadlockはMOBAが目指すべき方向性を示したと考えられる。ジャンル的な限界でカジュアルなユーザーはなかなか目を向けてくれないが、目を向けてくれた人のためにしっかりシステムを用意している。ポケモンユナイトが手軽で簡単に手に取れるブタメンだと、Deadlockは大衆的ではないが、一部のユーザーに長く愛される二郎系ラーメンである。

レーンを一つに減らしたLoLのカジュアルモード、ARAM

 しかし、プレイ時間が1戦40分以上かかる点は、私には大きいデメリットであった。MOBAの頂上に立っているLoLは、1戦15分ぐらいのカジュアルモードのユーザーが増え続け、最近はランクゲームを遊ぶユーザーの半分ぐらいのユーザーがカジュアルモードで遊んでいる。短く分かりやすいエンタメを求める最近の流れとは真逆のDeadlockが、どのぐらいの人気を得るかは分からない。


結論

 DeadlockはMOBAとTPS(ヒーローシューター)の魅力を合わせたゲームで、βテストにもかかわらず完成形に近いほどの奥深いゲーム性を持っている。しかし、複雑なゲーム性と情報量に疲れを感じないようにライトユーザー向けのシステムも用意されているが、1戦1戦が重いゲームプレイはカジュアルユーザーにはアピールできないと考えられる。しかし、深みのあるゲーム性に魅力を感じたユーザーには尽きることのない体験を与える、次世代のLoLになる可能性も見えている。

 テストプレイと修正を変態的に繰り返すValveだけに、今も毎日ユーザーからのフィードバックを受け入れて、アップデートを繰り返している。発売日が楽しみだ!

キャラコンで勝つ

(追加)2026年のDeadlockについて

 本文を書いたのは2024年の秋ぐらいで、2ヶ月ぐらい遊んで「楽しいけどやっぱり1試合のカロリーが高すぎる…」ということで暫く手放してた。そこから今年(2026)の1月末、大規模アップデートが来たということから再び触ってみたら、めちゃくちゃ面白くて、最近はメインの対戦ゲーム枠としてずっと楽しんでいる。

ビジュアルが全体的にすごいポップでおしゃれになっててびっくりした

よりカジュアルになっている

 大きな変更点としては、まずビジュアルがブラッシュアップされたこと、ヒーローの追加、あとマップの変更と新モード「ストリートブロウル」の追加がある。

 この中で取り上げたいのはマップの変更と新モードで、まずマップはレーンが4つから3つに減り、ワープポイントもかなり少なくなった。戦いが行われる場所を減らし、情報量も減ってきたので以前のマップより相当分かりやすくなったと思う。

旧マップ(左)と新マップ(右)

 新規モードの「ストリートブロウル」は、上述したLoLのARAMのような、レーンが1つしかないマップでチームファイトだけを楽しむモードで、本作の「1戦遊びたいけど、試合が長すぎてちょっと…」というユーザーにアピールできそう。

 また、このモードで良い!と思った部分は成長要素がなく、ラウンド制で行われるゲームで各ラウンドの始まりに、ランダムに与えられる選択肢からアイテムを選ぶ点だ。

 これは流行りのローグライトっぽい「ランダムなビルドの面白さ」を作ることを超えて、上述したDeadlockのアイテム学習の難しさを解決するいいアプローチだと感じる。通常モードよりカジュアルなのでまだ慣れていないユーザーも遊びやすいし、目の前の3択のアイテムをゆっくり悩む時間で、数多いDeadlockのアイテムについて学べる。

私もアイテム多すぎてずっと分からない…となっていたので
このモードに初めて触れて「めちゃいい!」と思った

 全体的に、テストを始めた2024年バージョンと比べてゲームの参入障壁を下げようとする方向性のアップデートと感じる。上述した内容以外にも、遊びやすくするための細かい修正や、魅力的なビジュアルのキャラも増えてきたので、やっぱりこのゲームもっとメジャーになる気がする。

実際にSteam基準では結構な人気ゲームで、9万人ほどのユーザー数を保っている

やや気になる部分

 本作は絶賛楽しんでいるが、ゲーム性に対する懸念は少々感じてて、先輩に聞いて共感した言葉が、戦略に納得感が低いという点だ。

 どういうことかというと、MOBAはレーン戦のあと敵陣を攻めるためにチームが集まってレーンで睨み合う時間が発生する。この時期は主に各キャラが効率的に成長して、細かいファイトが行われたりする。主に、相手チームより優勢は取っているが、タワーで待っている敵の防御を攻めるほどのパワーがない時、こういう対立が長引く。

 多くのMOBAでは「オブジェクト」と呼ばれる強力なNPCモンスターがあり、それを狩るとチーム全体に大きなリワードが入ることで、睨み合いを終わらせる。このオブジェクトは一定周期で現れるので、そのタイミングに合わせて有利な状況を作っておく…などの戦略が生まれる。つまり、オブジェクトは睨み合いを終わらせ、ゲームを進行させる要素である。

LoLで一番強力なオブジェクト、バロン
バロンは優勢チームには勝利を固める手段、
劣勢チームには逆転のきっかけとして働く

 ただ、Deadlockはオブジェクトが少ないので(ミッドボスと壺ぐらい)睨み合いが長引き、その成長要素は各自の陣営でファームするぐらいなので、チーム全員の「全力戦」が発生する頻度が低く、それぞれのファイトの目的がない場合が多い。つまり、チーム単位での戦略性が薄くも見える。

 チーム単位の動きが薄いため「あの時のチームファイトで負けてチームが劣勢になった…」とか「オブジェクトのタイミングで奇襲して逆転したぞ!」のようなチームの勝敗に対する納得感も少ないんじゃないかな…と感じる。

 しかし、これはトップビューのLoLと3人称視点のDeadlockという、カメラ視点/ジャンルの違いからくる情報量の差も関わると思うので、どっちが正解と断言するのは難しそう。

5分ごとに、この2ヶ所に一時的に続くバフアイテムが現れる

 それでも個人的には睨み合いの間、目的のない時間が多く発生する気はするので、マップ中央で5分ごとに現れるバフを、新しいオブジェクトに変えるのはどうかと考える。

 既存のルーン(バフ)は個人に適用されるうえに一瞬で取れるので、戦略的な価値は低い。せっかく各チームからアクセスしやすい位置にあるので、これを中規模(LoLのドラゴンぐらい)のオブジェクトに変われば、睨み合いから「先に戦線上げよう」とか「オブジェクト周りのビルで待機しておこう」のような、チーム単位での戦略がより生まれるんじゃないか…と考えた。

 また、3人称視点でユーザーが情報を取りにくい課題もあるので、連続キルやタワーの破壊、オブジェクト関連の情報はアナウンスで全プレイヤーに認識しやすくしてほしい。


前のブログからの転載(2024/10/28)


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