四十一時間のクリスマス(一)|シン・アメリカ・モノガタリ
二〇二五年
十二月二十五日
十八時半発のシアトル行の飛行機に乗ってみれば、窓の奥がまっしろになっていた。十二月のぼおっとした霧である。
定刻をすぎても、機体は動かない。
となりにいた、アメリカ人の好青年は、肩をすくめる。
「霧ばかりは、どうしようもない」
私のほうは「それはそうだ」とゆったりと首肯する。なにも急いでいない。なるようになるさ。言わずもがな、静かな時間こそ、幸いなるかな。好青年の彼、ローガン君とは、この機内ではじめて会った。霧が晴れるまで彼と談笑できるだろう。
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