認知症のSさんの中にある色んな言語(その1)

今日は大寒。
去年、初めて大寒卵の事を知り、
働いてる介護施設のSさんという
認知症のおばあちゃんにお話した。
彼女は大寒卵を食べてたと。

このSさんはスタッフの方には
気難しいと少し不人気。
通いだった彼女は日曜日に必ず
入浴だったので、わたしは毎週
Sさんとお風呂のときいっぱいお話ができた。
お風呂大好きなのに何故か彼女は
お風呂につかったと思ったら 
えっ?もう出るの?の勢いであがってる。
ポチャン。
出る。
そんな感じ。
この事を、カラスの行水と言うと後で知る。
なのでもう少しゆっくりしてもらうため
彼女が浴槽に入ると、わたしは
隣りに座ってお話をする。
もちろん髪や身体を洗ってるときも
わたし達は喋りっぱなしだ。
わたしは彼女は気難しいと言うより
よく笑って話をしてくれると感じる。

彼女には色んな話を聞いてるし
色んな事を教わった。
根丑寅の話(十二支のネズミとウシと
トラがどうやってこの順になったかの話)や
ご主人がノンベイだったと言う事で
ノンベイと言う言葉を学んだり
きたきり雀という言い回しも。
これらは当たり前に日本の人が
知ってる事なのかわたしは知らないが
日本語が不十分なわたしにとっては
新しい情報だ。

読書が好きだったというSさんに
よく読んだ本の事をうかがうと
吉屋信子という名が上がる。
彼女が言うには、ちょっと
エッチな内容よ、と。
なので読んでると親や先生に怒られたと。
わたしはこの作家が気になって、
お風呂からあがってから
もう一度彼女に情報として作家の名前を
聞くと、彼女は思い出せない。
なので時間を置き、話ながら
話の流れで聞いてみると、吉屋信子、と
名前が出てくる。

調べてみると確かに存在する作家だ。
特にエッチではないのだと思われる。
当時としては、少し少女が読むには
進んだ内容が含まれてたのだろう。

で、わたしが現在行ってる980円の
ヘアカットのお店も彼女に教わったのだ。

とにかくいつも難しい顔で
同じ事しか言わない彼女は
おもしろい話をふると、よく笑って
色んな話を持っている。
わたしは彼女の事も、他の
色んな事も学んでいる。

今見ているドラマで、通訳をする登場人物が
世界には7000以上の言語があると言う。
すると年配の作家さんが、いや、
人の数だけ言語はあると訂正。
その人が語ってる言語をじっくり
聞いてみるとイイみたいな。

なんてこった。
イイ事言ってくれるじゃないの、
この作家のおじさん。

で、ひょっとしたら1人の人の中にも
色んな言語があるのかもしれない、
そうわたしは思うのだ。

(その2へと続く)

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