「正解」を出すより「おもしろがる」
第3回 なんでそんなん楽会(学会)で見えた、教室の新しい深呼吸。
「それ、まだ『なんでそんなん』ですか?」 2026年の持ち寄り初め。
先生たちが教室のモヤモヤを「事例」として差し出したとき、 そこは深刻な検討会ではなく、温かい笑いに包まれた「楽会」になりました。
① 開催の背景:なぜ「学会」ではなく「楽会」なのか
学校現場には、常に「正解」が求められます。
不登校、学級経営の悩み、個別の支援。
それらを「解決すべき課題」として捉えると、先生たちの心はどんどん削られていきます。
私たちは考えました。
「課題」を「おもしろい事例」として捉え直すことはできないか?
専門的な理論を振りかざす「学会」ではなく、みんなでその子の不可解さを愛でる「楽会」でありたい。
「なんでそんなんプロジェクト」の精神をベースに、「その子らしさを最大限に発揮できる教室」を、真面目に、かつ愉快に探究する場として、第3回を開催しました。
② イベントの様子:教室の「違和感」が「愛おしさ」に変わる瞬間
全国から「自分の教室の『なんでそんなん』」を拾ってきた先生たちが集まりました。
提示されたのは、指導案には決して載らない、生身の子どもたちの姿です。
アンケートの自由記述には、その場の空気感がリアルに綴られています。
「現場のリアルな声を聞けて、自分一人でモヤモヤしていたことが、実は『おもしろいこと』だったんだと肯定できました」
「笑い合える仲間がいる。それだけで、明日教室に行くのが少し楽しみになる。そんな不思議なパワーがありました」
「『まとめなくていい、結論を出さなくていい』という安心感が、本音を引き出してくれました」
一人が事例を出すと、
「いいねいいね!おもしろい!!」
「あ、それうちのクラスにもいるかも!」
「それって、こういうこともありそうじゃないですか?」とツッコミが入り、訳のわからないはずの事例が、いつの間にかみんなの「お宝」のように輝き始めました。
③ そこから見えてきたもの:笑いは、最高のインクルーシブ
今回の楽会を通じて確信したのは、「おもしろがる」という態度の力です。
アンケート結果から見えてきた、私たちの共通の気づきをまとめます。
「肩の力を抜く」という教育技術
「もっと楽に子どもと向き合っていい、そのままでいいんだと思えた」という声が多数ありました。先生がリラックスしていることが、子どもたちの安心感に直結します。
評価の枠からはみ出す「余白」の価値
授業の目的や評価軸に乗らない「ズレ」こそが、その子の「らしさ」であること。それを面白がれる余裕が、教室の空気を変えていきます。
孤立を溶かす「ツッコミ」のコミュニティ
一人で悩めば「問題」ですが、みんなで笑えば「文化」になります。「自分だけじゃない」という連帯感が、先生たちのレジリエンス(回復力)を高めることを再確認しました。
最後に
「なんでそんなん楽会」は、答えを出す場所ではありません。
むしろ、新しい「なんでそんなん?」という問いや、お土産に持ち帰る場所です。
アンケートでいただいた「この素敵な輪を広げたい」という言葉を糧に、これからも私たちは教室の「余白」を耕し続けます。
2026年、あなたの教室の「なんでそんなん」も、ぜひこの楽会に持ち寄ってみませんか?
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▼この記事を書いた人
青野祥人(あおのよしと)
公立中学校の国語科教員。ラグビーをこよなく愛しつつ、サッカー部顧問として活動しながらコミュニティを運営中。
