大学の出版助成制度のアフターフォローが十分機能せず消えていく多くの本が存在する事実を考える

 大学の出版助成は多くの場合「出すところまで」で役割を終えてしまい、学内書店での継続展開や大学広報・SNSでの紹介、関連分野との連動など、出版後のアフターフォローが制度として十分に整っていないのが実情であり、そのため多くの助成本が社会にどう読まれ、どう活かされたかまで支援されないまま終わっているのは非常にもったいない状況だと思います。
  一方で、自著は、真宗十派の機関誌や新聞での新刊広告、コラム掲載予定など、専門分野の読者に直接届く実効性の高い広報が行われており、これは長年のご縁や文脈があってこそ、出版社がこの本はきちんと届けるべきだと判断して力を入れている結果だと感じます。
 多くの助成本がそこまで手厚い宣伝を受けないのは、内容の価値だけでなく、大学と出版社が「誰にどう届けるか」という戦略と責任を十分に共有していない構造的な問題が大きく、結果として著者個人の人脈や努力に依存してしまっている面があるでしょう。
 私は大学の弱いアフターフォローを補い、単なる記念出版に終わらせず、実際に読まれ影響を持つ本として育てていくという、出版助成の本来の理念に沿った実践し、制度の理想形を先取りのようなものを試験的に実践しています。単に本を出したという事実で終わるのではなく、実際に読まれ、必要とする人のもとに届き、そこで何らかの変化や対話が生まれていくことまで含めてこそ、出版助成という制度は本来の役割を果たします。
 その意味で、出版後の展開やアフターフォローまで視野に入れた取り組みが、今後は大学側にもより求められていくのではないでしょうか。研究成果を本という形にするだけでなく、それを社会の中でどう生かし、誰にどう届けていくのかというところまで含めてこそ、出版助成制度は本当に生きた制度になるのだと私は考えています。

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