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料理苦手な私が変わったきっかけの本『自炊の壁/佐々木典士・山口祐加』を読んで

はじめに:料理が苦手な私が、自炊をしたくなった本

我が家の料理担当は夫です。
結婚後数年間そうやって暮らしてきたけれど、夫の転職で引越しをしたことがキッカケで、昨年から私の平日の買い出しミッションが加わりました。
たまに料理をするようにもなりました。

食材を選ぶようになると、旬のものがわかってきたり、「あれ食べたいな」という気持ちが生まれてきたり。
少しずつ、料理との距離が縮まってきた気がしています。

そんなタイミングで出会ったのが、この本でした。
「自炊の壁を乗り越える」というテーマが、まさに今の私に刺さりまくり。
読み始めたら「分かる!それなんだよ!!」の連続で、気づいたらメモだらけになっていました。

ぜひ読んでみてほしい一冊です。


「料理してるんじゃなくて、労働してる」に震えた

本書に出てくる言葉で、いちばん心を掴まれたのがこれでした。

レシピに書かれている食材を全部きちんと用意するのは、誰かにお使いを頼まれているように感じることもあります。そして、調味料をきちんと量って、指示された時間通りに火を入れて。「3分たったら、油からポテトをあげるんだよ」みたいな指示はファストフードでバイトをしてたらきちんと守らなくてはいけないはず。
レシピ通りに料理を作るというのは、そういったチェーン店で働いている感覚に近いこともあるでしょうね。料理しているというより、労働している。

「料理しているというより、労働している」の言葉のパンチよ。
心当たりしかないです。

レシピ通りに作らなきゃ、指示通りに作らなきゃって気持ちが、強いんですよね。分量もできるだけ正確に計りたいし。
対して、料理マスターな夫は、「ない食材や調味料は代替する」というスキルを持っています。シチューの素がない時に、ホワイトソースから作り出した時には、目から鱗でした。

「ないならないで、他のものを使えばええやん」
そんな余裕を、私も持ちたい。


無限レシピの海で溺れていた私へ

無限レシピ海で途方に暮れる

一本の正しい道が示されていなくて、みんなが野良的に学んでいる、というのは面白いなとは思います。
ただ、料理を一から学ぶ方法として、レシピを見て作るのはいちばん目立つ道だけど実はリスクも高いと思うんですよ。
料理のコーナーを見ても、本当に料理ができない人に向けたものは少ないと感じます。

それな!
レシピは、今は本だけでなく、ブログ、Webサイト、アプリ、YouTube、Instagramと多岐に渡っていて、大海原すぎるのだよな……。
いやいや、いきなりそんな見せられましても……。
なにを選べば良いんですのん??ってなるんですよねぇ。

大海原すぎるんですよ、レシピって。
レシピ検索した瞬間に、膨大な数の候補が出てきて途方に暮れた経験、何度もあります。どれが良いのか分からないし、選ぶだけで疲れてしまう。

料理家さんやレシピサイトをある程度絞る

「レシピはどうやって探したらいいですか?」っていう質問もよくもらいます。肉じゃがを作ろうと思ってもレシピは無限に出てくる。でも基準がないから、選べないですよね。
ぼくがレシピを探すときは、匿名の人が提供しているものより、料理家さんがレシピを提供しているNHKの「みんなのきょうの料理」なんかを参考にしています。ぼくの戦略は、フォローする料理家さんや、レシピ際とをある程度絞ること。あれもこれもだとレシピの海にすぐ溺れちゃう。

この本では、「フォローする料理家さんやレシピサイトをある程度絞ること」が大事だと書かれていました。
あれもこれも見ようとするから溺れる。
自分に合う料理家、自分が好きなレシピ本を見つけることが、まず第一歩なんですよね。なるほどな、と思いました。

マイレシピ本を作る

新しいレシピを探すことよりも、作ったものをきちんと保存して、自分のレシピ本を作っていくようなことって大事なんじゃないかなと思って。

自分のレシピ本。面倒ですけどね。やっぱりあると便利。
少しずつ作りたいものです。
マイレシピを持ってる人が羨ましい。
notionなどで、少しずつためていきたいなぁ。


料理の方程式が変えてくれたこと

この本で紹介されている料理の方程式が、すごく腑に落ちました。

基本的に、あらゆる料理は「食材×調理法×調味料」という方程式で表すことができるんですよね。
今日の献立を考えるときに、メインはだいたい肉や魚になるから、それで食材が決まる。
次に調理法です。鶏ももを買ってきたとして、何も考えずに「鶏もも肉」というワードで検索してしまうと、沼というか海くらい広いレシピの中で溺れてしまう。だから、
まず何かの食材を見たときに、料理法という大きな方向性を決める。

調理法といっても、無数にあるわけじゃなくて生のまま、焼く(炒める)、煮る、ゆでる、たまに揚げる、ぐらいしか日常的に使わないですからね。
その調理法の中から決められたら、調味料や味付けを考える。
反対に調味料、味付けから料理をスタートすることもできます。キムチ味の何かを作りたいと考えて、キムチチャーハンやキムチ鍋を考えたり。

食材×調理法×調味料という方程式のうち、空いている要素をスロットを埋めるように決めていく。

基本的に、あらゆる料理は「食材×調理法×調味料」で表せる。

食材が決まったら、次は調理法(生のまま、焼く、煮る、ゆでる、揚げる——日常的に使うのはこれくらい)を選ぶ。調理法が決まったら、調味料や味付けを考える。逆に、「キムチ味の何かが食べたい」という調味料起点でも考えられる。

スロットを埋めていくイメージで料理を組み立てられるとわかったら、なんだか料理が「パズル」みたいに思えてきて、少し面白くなりました。

他にも「野菜+タンパク質の法則」「味付けの三種の神器」など、料理を分解して法則として理解する考え方がたくさん出てきます。
理屈で理解したほうが覚えやすいタイプの私には、ぴったりの本でした。


この本を読んでから、台所に立つ心構えが変わった

本を読んでから意識するようにしたことが、二つあります。

ひとつは「分量を正確に測りすぎない」こと。もうひとつは「この工程は何のためにしているのかを考えながら作る」こと。

分量を正確に量ろうとすること自体が、レシピを見続けることにつながっちゃう。練習のために、あえて量らないようにしていることが多いです。
レシピのコピペではなく、少しでも自分の頭を使う余地を残しておくといいですよね。レシピを見ること=悪じゃなくて、上達のために良くないのは「何も考えないこと」。たとえば、ぼくがレシピを見るときに心がけているのは「薄目で見る」ということです。レシピをガン見しながら作らない。レシピからその料理の法則を抽出して、ざっくりとした工程だけ理解して作る。
酒が入っているのは臭み取りだろうなとか、にんにくを途中で取り出すのは、このままだと焦げるからだなとか。そういう想像ができるようになると、レシピも楽しいものになりますね。

レシピは「ガン見しながら作らない」「薄目で見る」という表現が本書に出てきて、これが目から鱗でした。
レシピから料理の法則を抽出して、ざっくりした工程だけ頭に入れて作る。
「お酒が入っているのは臭み取りかな」「にんにくを取り出すのは焦げ防止かな」と考えながら作ると、自然と覚えられるし、レシピを見なくてもなんとかなるようになってきました。

読んでいたレシピ本を選ぶ目も変わりました。今は「なぜこの工程をするのか」が書いてある本を意識して選ぶようになっています。


思わずメモした箇所

買い置きするならこの食材

野菜でいうと、じゃがいも、玉ねぎ、にんじん。保存できる期間も長いですし、いろんな料理に使えて凡庸性が高いので、買い置きしておいても損はないと思います。
「野菜+タンパク質」法則の、タンパク質を担う食材もおすすめです。油揚げ、ちりめんじゃこ、ベーコン。どれも冷凍ができるし、使いたいときに少量ずつ使えます。
豚バラ肉、鶏もも肉、干物も冷凍におすすめ。

余り物の一掃メニューを持とう!

味噌汁、カレー、キムチ鍋、ミネストローネ

買い物上手、余り物一掃上手に、私はなりたい!
これができると、一気にレベルが上がる気がします。


実家の料理に思いを馳せた

実家に帰ると、品数の多さに毎回驚きます。
ここはどこぞの旅館か!?と思う量が、朝食で出てきます。

もちろん帰るのは土日ではあるけど。
それでも、品数がすごい!とにかくすごい!
我が家は共働きということもあり、料理に時間を割くことは難しくて、品数はそこまで作れません。大量に作って、数日間同じものを食べる日もたくさんあります。

そんな中!我が母は!頑張っているなぁ!すごいなぁ!と、大人になって気付きました。
実家にいた頃はそれが当たり前になっていて、今では本当に感謝してます。

父は品数が多いことが正義。
そりゃぁね。母は専業主婦だからね。
分からんでもないけどさ。
「品数多い!朝から凄い!
 お母さんにもっと感謝の気持ちを伝えた方が良いよ!」
と言えるくらい、娘は大人になりました。

山菜の天ぷらまで出て、完全に旅館です。
ありがとう母。
娘はあなたに似て料理好きにはイマイチなれてないけど、これからは、もう少し母の料理を覚えられるように、頑張ります。


まとめ:今後は料理がもっと楽しくなりそう

料理を上手にしたいとは、あまり思っていないんです。そこは夫に任せるで良くて。
でも、もっと楽しくしたいし、旬の食材を楽しみたいな、とは思っています。

この本を読んで、レシピ通りに作ることへの執着が少し緩んだ気がします。正解を求めるのをやめて、「今日の素材はどうなってるかな」を見られるようになったら、台所に立つのが前より怖くなくなりました。

今の目標は、自分のマイレシピ本を少しずつ育てること。
作ったもの、うまくいったこと、覚えておきたい味を、自分なりに積み上げていけたらいいな、と思っています。

料理が苦手でも、コツを掴めば楽しくなる。
この本は、そう言ってくれる一冊でした。

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