育てにくいって何?

同じ頃、市役所の担当者が家を訪ねてくるようになった。
一度ではなく、何度も。

「育てにくくないですか?」
「今、旦那さんは在宅ですか?」
「子どものいいところを言えますか?」

そんな質問を、淡々と、けれど繰り返し投げかけられた。
どれも意図がよくわからない。
何を確かめたいのかも、どこを心配しているのかも、当時の私は読み取れなかった。

今ならわかる。
あの言葉の裏には、きっといろいろな“気づき”や“懸念”があったのだと。

けれど、当時の私はただ、何度も家に来る市役所の担当者が嫌だった。
忙しい毎日の中で、突然生活に踏み込まれるような感覚があった。
しかも必ず次の訪問日程を決めてから帰る。

育てにくいって、何?

その言葉の意味を、私はまだ知らなかった。

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