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想い出を手放すとき…

先日、物置の整理をしたとき
古い写真がたくさん出てきた。

我が家は昔、写真屋をやっていたから、
その量は普通じゃない。
こんなにたくさん…
少し途方に暮れる量だった。

色あせた集合写真。
少し黄ばんだ紙の匂い。
角の丸くなったアルバム。

一枚手に取るたびに、
もう戻れない時間が
静かにこちらを見つめてくる。

まだ若かった両親。
幼い頃の私や妹たち。

今はもう会えない人たちの笑顔。

写真って不思議だ。

ただの紙なのに、
その頃の空気や温度まで閉じ込めている。

だから整理を始めたはずなのに、
気づくと手が止まり、
しばらく思い出の中に座り込んでしまう。

過去を想い出し
「あの頃はこうだったな…」
そんな言葉が、
心の中を何度も通り過ぎた。

けれど、
いつまでも全部を持ってはいられない。

思い切って、
そのほとんどを処分した。

捨てるたびに、
少し胸が痛んだ。

思い出を手放すみたいで、
どこか悪いことをしている気持ちにもなった。

でも、不思議なことに

写真が減っていくたびに、
物置だけじゃなく、
心の奥にも静かな空間が生まれていった。

過去は消えない。

ちゃんと生きてきた時間は、
写真がなくなっても、
自分の中の記憶として
残り続けている。

考えてみると
私たち人間は
魂の存在で
魂は記憶媒体。

だからもう、
「形」として持ち続けなくてもいいのかもしれない。

窓から入る夕方の光の中で、
埃がふわりと舞っていた。
まるで、
長い時間が静かにほどけていくみたいだった。

人生には、
過去を抱きしめる時期と、
過去を見送りながら
未来へ向かう時期があるのだと思う。

あの日の想い出に、
そっと「ありがとう」を言いながら、
私は少しだけ、
次の季節へ進んだ気がした。

もう、ここにとどまっていなくてもいいよね。

新たなステージが始まる予感もした。

最後までお読みいただきありがとうございます♡


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