命を選別する痛み――はじめての「間引き」と向き合って
最近、ずっとやりたかった園芸を始めてみました。
ラディッシュとミニ大根、それとブロッコリーを育てているのですが、少し前にラディッシュとブロッコリーの芽が出てきたのを見たときは、本当に嬉しかったです。
土の中からちっちゃい緑色の双葉が顔を出しているのを見つけて、「おっ、出てきた!」って思わず声が出てしまいました。毎日水をやりながら、大切に育てたいなと思っていました。
でも、色々調べていくうちに、「間引き」っていう作業をしないといけないって知りました。
最初は「間引きって何だ?」と思って調べたのですが、要するに、密集しすぎて栄養が分散してしまうから、一番元気な株だけを残して、他の芽は抜かなきゃいけないっていう作業らしいです。
それを知ったときは、正直ちょっとショックでした。
だって、せっかく自分の手で植えて、一生懸命に土を押し上げて芽を出してくれた命ですからね。それを「この子は残すけど、ここの子たちは抜く」って自分で選別しなきゃいけないなんて……。
頭では、野菜を美味しく育てるために必要なことだって分かっているつもりなのですが、実際にやるとなるとめちゃくちゃ気が引けます。「お前は生きろ、お前はダメだ」って決めるみたいで、なんだかすごく残酷なことをしているような気持ちになってしまいました。
本当は、芽を出してくれた子たち全員をそのまま大きくしてやりたかったです。みんなに太陽をいっぱい浴びて育ってほしいと思っていました。
でも、そうしないと結局みんなヒョロヒョロになってダメになってしまうから、心を鬼にしてやらなきゃいけないんだなぁと思いました。
園芸って、もっとのんびり植物を愛でるだけの穏やかな趣味だと思っていたのですが、意外とメンタルが削られるというか、命と向き合うシビアな一面もあるんだなって思い知らされました。
限られた環境の中で、何を残して何を諦めるかって、なんだか普段の生活や仕事での選択とも通じるものがあるような気がして、ちょっと考えさせられました。
いつか立派に育った野菜を収穫できる日が来たら、泣く泣く抜いてしまった他の芽たちの分まで、しっかり感謝して美味しく食べようと思います。
そう思いながら、今日もちょっと切ない気持ちを抱えつつ、ピンセットを手にプランターの前に立ちました。
ps
間引きした芽はスープに入れていただきました。

