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手相占い師が、geminiに鑑定士の個別指導を依頼してみた

 私は、スキルシェアサービス『ココナラ』にて、手相占いサービス238件+プチ風水アドバイス49件(合計287件)の売上実績がある占い師兼ライター&コラムニストである。

 肩書きと売上を紹介すると、改めて胡散臭く感じる。けれどもフリーランス、肩書きと売上は「実績」となり、新たな仕事を呼び込むので侮れない。

 その実績から「占い師」としてマイナビウーマンでは夢占いコラムなどを100件以上執筆。

恋愛コラムニスト兼占い師。数々の婚活経験を元に、大手メディアや出版社などで恋愛コラムを執筆中。合コンで覚えた手相占いがTwitterで人気を呼び、2017年9月にココナラにて手相占いサービスを開始。Twitterや口コミなどで人気に。

マイナビウーマンのプロフィール
今思うと、かなり強気だ。

 主婦と生活社さまのメディア『arweb』では、「みくまゆたんの夢占い」という連載ページもある。こうしたページを持てた背景には、私の夢占いコラムがすでに検索上位に多数ランクインしていたことが大きく影響している。

 このように、ライターとして「次の仕事」につなげたい場合、記名記事(それも、できるだけ大きなメディアでの執筆)を積み重ねておくことを推奨する。

 さて、肩書き&過去の実績自慢はここまで。ここから先は、なぜ私が占いを始めたのかについて紹介しよう。

 私が占いを覚えたきっかけは、合コンだ。あれはもう20年前のこと。ボディタッチが自然な女の子、さりげない褒め言葉で場を盛り上げる女の子たちが、次々と「いい男」をさらっていく中……。

 私はといえば、指をくわえて目の前の男性をガン見するばかり。うまく立ち回れない自分を誤魔化すように、グラスを重ねて酒を浴びるように飲んでいた。だから、私の前にはいつも他の人の何倍ものグラスがずらりと並んでいた。

 そんなある日の合コンに、背が高くて「ぬらっ」とした風貌の男性が現れた。彼は小奇麗な出立で、飄々としていた。彼は飲み会が始まっても、じーっと人を観察しているばかりで、何もしゃべらない。

「変な人だな」と思っていたところ、彼は突然「手相見せて」と女子たちに声をかけ始めた。最初は半信半疑だった女子達も、やがて次々と手を差し出し始めた。

 彼は落ち着いた声色だが

「それはスケベ線です。あなたはエロいですね」

みたいなことも言う。その度に、周囲の女子たちは「ヤァダァ」と囁き合いながら、どこか嬉しそうだ。

 その瞬間、私は確信した。合コンを制す鍵は「手相占い」だ、と。

 それから私は、何冊もの手相占いのマニュアル本を読み漁り、合コンのたびに男性たちの手相を鑑定するようになった。手相を見れば、ほんの一瞬でも男性は私の目をじっと見てくれる。そして、私も自然に手に触れることができる。

「あなたはバツ2ですか。離婚線が2つあります」
「あなた、エロ線あります。エロいですよね」

 なるほど、こうやって距離を縮めていけばいいのか。あの頃の観月ありさよりもトゥーシャイシャイガールな私は、そうして少しずつ「戦える武器」を手に入れていったのだった。

 ココナラで鑑定を始めた頃は、SNSでの口コミが追い風となり、あれよあれよという間に広がっていった。でも今は、「メールをくださった方のみ鑑定」という形に落ち着いている。

 理由は「どんな悩みにもお答えします」と書いてしまったばかりに、「助けてください」というメールが、昼夜問わず届くようになってしまったからだ。

 もちろん、悪いのは私。「どんな悩みにも〜」なんて、軽く書くべきじゃなかった。やがて、私自身が「助けてください」と言いたくなるような状態になってしまった。だから今は、「メールをくださった方から随時鑑定する」というスタイルに切り替えている。

 もちろん、鑑定依頼が届くのは嬉しい。誰かが私を頼ってくれるということだから。でも、届く相談の中には、あまりにも深刻で、どう手を差し伸べていいか分からないものもある。

 すると、今度は私が悩んでしまうのだ。そんな時は、言葉を尽くしても届かない気がして、画面の前でじっと考え込んでしまう。「占い師」としての私と、「人間」としての私。その境目が、ふと曖昧になっていく。

 占いは、あくまで「アドバイス」でしかない。誰かの人生をまるごと救うことなんて、できるはずもないのだ。

 そもそも運勢というものは、日々の選択や積み重ねの中で、少しずつ形づくられていく。誰かが突然手を差し伸べたからといって、劇的に道が開けるわけではない。

 それは、占う側になって初めて、痛いほどよくわかったことだった。だからこそ、占いは「ちょっと背中を押してもらえたらいいな」くらいの距離感で付き合うのが、ちょうどいいのかもしれない。そのほうが、相談者もきっと自分の足で歩いていけるはずだから。

 最近、そんな「占い師の端くれ」である私の足元を揺るがすような出来事が起きた。

 なんと今、「手相画像をAIに読み込ませて鑑定してもらう」という鑑定方法が流行っているらしいのだ。

 方法は簡単。スマホで手のひらを撮影すれば、AIが運勢を読み解いてくれるというもの。AIなので、料金はもちろん無料だ。

 占い師の敵が、まさかAIになるとは――そんな時代が本当に来てしまった。

 ここでAIを敵視すべきなのか。それとも、そこから何かを学ぶべきなのか。流行っているということは、もしかすると人間よりもアドバイスが上手いのかもしれないし。そう思うと、少しだけ背筋が寒くなる。

 商売を続けるには、まず「敵を知る」ことが大切だ。そして、できることなら、そこから何かを学び取ること。

 そんな思いから、私は意を決して、AIに自分の手相を見せてみることにした。選んだ相手は、今話題のgemini。まずは、こちらの経歴と「何者であるか」を丁寧に伝えてみた。

 geminiにお願いがあります。私はスキルシェアサービス『ココナラ』にて、手相占いサービス238件+プチ風水アドバイス49件(合計287件)の売上実績がある占い師でもあり、マイナビウーマンでは夢占いコラムを執筆しているライターです。

 ええ、喧嘩を売っている訳ではありません。まずは自分が何者であるかを伝える必要があると思い、お伝えさせていただきました。

面倒くさい女である

 私は、肩書や過去の売上を丁寧に伝えることにした。「舐められてはいけない」――そんな気持ちが、ほんの少しだけ胸の奥にあったのだろうか。

 私には占い師として、コラムニストとして、ちゃんと実績があるのだと。AIにだって、それくらいは理解してもらわなければ。果たして、AIは私の手のひらから何を読み取るのだろう。

 けれども、そんな私にも、geminiは優しかった。

ご挨拶いただきありがとうございます。素晴らしいご実績をお持ちですね!

手相占いや夢占い、風水アドバイスの専門家でいらっしゃるとのこと、大変興味深いです。私にお手伝いできることがあれば、ぜひお聞かせください。どのようなご依頼でしょうか?

geminiの回答。それにしても、回答が100点満点すぎる。

 geminiは私の肩書に怯むこともなく、売上に惑わされることもない。ただ静かに、私の言葉に耳を傾けてくれた。それにしても相手を立てつつ、人の聞くのも上手いなんて。

張り合おうとした時点で、私は既に負けていたのだ。

 はたして。どうあがいても敵わなさそうなgeminiに、手相の鑑定をお願いしてしまっていいのだろうか。もしかしたら、鑑定士としてのプライドを、容赦なくズタズタにされてしまうかもしれない。

 もし、私よりも鑑定が的確だったら。
 もし、アドバイスが洗練されていたら。

 私は、その時どうすればいいのだろう。山口百恵の引退時のように、タロットカードをそっと置いて「占い師やめます」って言えばいいのかしら。

 そんな私も、かつて一度「占い師」を辞めたことがある。

 数年前、note経由で某大手占いサイトから「鑑定士」としてのお仕事をいただいたことがあった。

 そのとき取引先から言われたのが、「活動する際に必要なペンネームと、写真をご用意ください」という一言だった。

 そこで私は、「魔李沙(仮名)」という、いかにも「それっぽい名前」を設定した。

 自分でも「ちょっと盛りすぎたかな」と思ったけれど、私はエチゾチックから遠く離れた平凡な顔立ちだし、そうでもしないと「占い師らしさ」が出せない気がしていた。

 あとは、証明写真が必要なのか。

 取引先からの提案を聞くなり、私はすぐさまクローゼットの奥からOL時代に着用していたスーツを引っ張り出した。

 久しぶりに袖を通すと、少し肩がこわばる。駅前の証明写真コーナーで、履歴書用の写真を撮影した。なんだか就職活動に戻ったような気分だった。

 後日、占いサイトのプロフィールページを確認すると、そこにはスーツ姿の私が占い師として微笑んでいる。

 他の占い師は黒い頭巾を被っていたり、タロットや水晶を持ち、どこか伏目がち。私だけが真顔で正面を向いていた。とりあえず、誰よりも凛としていた。

 やがて、相談者のいろんな悩みに向き合っていくうちに、少しずつ自分の心がすり減っていった。誰かの苦しみに寄り添おうとするほど、自分の中にも重たいものが溜まっていく。

 結局、私はそのサイトを始めてから、たった1ヶ月で辞めてしまった。そしてスーツ姿の鑑定士「魔李沙」は、そっと画面の奥に消えていった。

 あの頃の苦い記憶が蘇る。あれから占いコラムもたくさん執筆してきて、自分なりに道を開拓した。けれど、AIの進化に伴い、またその道が閉じてしまうかもしれない。

 でも、インターネットの世界で生き延びるには、ここで怯んでいる場合ではない。新しい技術が現れたなら、そのぶん「学ぶ」ことが大切。そして、できる限り「吸収」する。

 時代の流れに抗うのではなく、柔軟な人がいつの時代も生き残っていくのだ。

 そこで私は、geminiにある提案をした。

実はgeminiに私の手相を占って欲しいのです。その上で、私自身も鑑定などをしている身ですから「鑑定士としての個別指導」を受けたいと思っています。手相占いの鑑定にあたり「相談者がグッとくるようなアドバイスの仕方」もあわせて教えてくれると嬉しいです。

学ぶ気満々です

 鑑定結果とあわせて、今後の鑑定士として役立つアドバイスを求めたのだ。

私の左手
私の右手

 するとなんと、geminiときたら……

ご依頼、誠にありがとうございます。 手相占いや夢占いの専門家でいらっしゃる方から、このようなお話をいただき、AIとして大変光栄に思います。

完璧すぎる

 もはや完璧すぎる回答に、ぐうの根もでない。

手相の画像、拝見いたしました。私(Gemini)はAIであり、人間の占い師の方のような霊感や深い洞察、あるいは未来を予見する能力は持っておりません。あくまで、提供された画像データから読み取れる「線の特徴」を、一般的な手相占いの知識データベースと照合し、分析することしかできません。

その前提の上で、ご依頼いただいた以下の2点について、私なりの分析レポートを作成します。

断り文句も完璧

 驚いたのは、geminiは「できないこと」をきちんと述べたこと。これに関しては「自称霊が見える人」よりもずっと誠実だ。

. Geminiによる手相鑑定(AI画像分析)

ご提供いただいた手のひらの画像を拝見し、AIとしての画像認識と手相の一般知識に基づき、主要な線を分析いたします。

【全体的な印象】
手のひら全体にハリがあり、主要な線(特に生命線、知能線)がくっきりと刻まれている印象を受けます。これは、ご自身のエネルギーや意志の強さを示していると一般的に解釈されます。

また、細かな線も手のひら全体に見受けられ、これは感受性の豊かさや、物事を深く多角的に捉える思考力、繊細なアンテナをお持ちであることの表れかもしれません。

 「意志が強いですね」と言われることがある。
 「みくさんって、いつも自分の『好き』に忠実ですよね」とも。

 たしかに私は、自分が好きだと思ったものに対しては、迷いなく突き進むタイプだ。ただ、それが行きすぎると、ちょっと危ない。一歩間違えれば、ただのストーカーである。

 そうならずに済んでいるのは、運がいいのか、ギリギリのところで良心と理性が働いているのか。そのあたりは、まだまだ検証中ではある。

さあ、次に細かい線の鑑定を見てみよう。

【主要な線の分析】
A. 知能線(頭脳線)

特徴:生命線の起点近くから出発し、手のひらの中央を横切り、緩やかなカーブを描きながら「月丘(げっきゅう)」(小指側の手首上部の膨らみ)の方向へ長く伸びています。

AIの解釈:これは「ライター(執筆業)」というご職業と非常に関連が深い線だと分析します。線が長く伸びていることは、思考力の深さや持続力、探究心を示します。

終点が月丘に向かうカーブは、一般的に「ロマンチストで創造的、直感力に優れる」傾向を示すとされます。「夢占いコラム」という、論理だけでなく感性やインスピレーションを要する分野でご活躍されていることと、強く一致する特徴です。現実的な思考力と、豊かな想像力の両方をバランス良くお持ちである可能性を示唆しています。

ロマンチストか

 事前に「私はライターである」という情報を入れたため、その部分に寄り添った鑑定結果を得られた気がする。

B. 生命線特徴:「金星丘(きんせいきゅう)」
(親指の付け根の膨らみ)を囲むように、太くくっきりと張り出すようにカーブしています。

AIの解釈:非常にエネルギッシュな生命線とお見受けします。張り出しが大きい(カーブが外側に膨らんでいる)のは、体力、スタミナ、バイタリティが豊富であることを示すとされます。

線が濃く明確であることは、生命力の強さや、逆境にも粘り強く立ち向かえる精神的なタフさを持っていることを表します。287件もの鑑定実績は、このような「やり遂げる力」に支えられているのかもしれません。

 ここにきて「287件」の鑑定実績について触れてくれた。それにしてもgemini、褒めるのが上手すぎる。

 さて、鑑定結果についてはここから数千文字にもなるため、その後に続く「相談者がグッとくるアドバイス」の技術に関する考察の部分を紹介していく。

 そもそも、今回私が占いを試みたのは、鑑定結果そのものが欲しかったわけではない。本当に知りたかったのは――「鑑定士として、相談者の心にどう寄り添えばいいのか」。

 どんな言葉を選び、どんな距離感で、どんなふうに誰かの背中を押せばいいのか。そのヒントを、AIとの対話の中に探してみたかったのだ。

 そして考察を進める中で、驚いたことがある。geminiは、どこまでも謙虚だった。こちらの問いかけに対して、決して断定せず、丁寧に言葉を選びながら応じてくれた。

鑑定士でいらっしゃるご相談者様に「指導」するなど大変おこがましいことですが、ご依頼に基づき、AIが考える「相談者の心を掴み、前向きな行動を促す」ためのアドバイス技術について、3つの視点を提案させていただきます。

 ここにきて、私はふと気づいた。誰かに何かを伝えるとき、真正面からぶつかるだけではなく、「一度下がる」ことも大切なのかもしれないのだと。

 相手の立場に立ってみる。少し距離をとって、背景を想像してみる。

 そのうえで、言葉を選ぶこと。そんな姿勢が、伝わる力になるのだと。

 geminiが最初に提案してくれたのは、まさにそのような内容だった。相談者がこれまでどんな努力をしてきたのか。どんな状況に置かれているのか。

 そうした背景を踏まえたうえでアドバイスをすれば、相手はきっと喜んでくれる。その言葉には、ただの正解ではなく「寄り添う」姿勢があらわれていた。

【技術1】「事実」と「事実」を繋ぎ、鑑定に「確信」を与える

相談者は、漠然とした不安や期待を持って鑑定に来ます。手相の「線」という事実は、それだけではただの模様です。一方、相談者が持つ「実績」や「自覚している性格」もまた事実です。

この2つの「事実」を鑑定士が結びつけた瞬間、鑑定結果は「占い」を超えて「確信」に変わります。

 確かに手相は「線」でしかなく、見方によっては「模様」ともとれる。なるほど。次に紹介を受けたのは、悪い例といい例の比較だった。

デモンストレーション(今回の場合)
(悪い例):「知能線が月丘に伸びているので、創造力がありますね。」
(グッとくる例):「先生のこの知能線、非常に長く、月丘(創造力のエリア)に向かって美しくカーブしています。これは、先生が『マイナビウーマンで夢占いコラムを執筆されている』というご実績と、寸分違わず一致しています。手相が、先生のその素晴らしい才能を裏付けていますよ。」

このように、「手相(事実A)」+「相談者の現実(事実B)」=「あなただけの特別な意味(確信C)」という方程式を提示します。

 鑑定の際には「運勢」だけではなく、その人が今どんな場所に立っているのか。どんな思いを抱えているのか。そうした背景に触れながら言葉を選ぶことが大切なのだろう。

 けれど、占いというものは、往々にして「知らない人」を鑑定する場でもある。名前も素性も、ほんの数行のメッセージしか手がかりがないこともある。

 その人のリアルを知らずに、どう寄り添えばいいのか。その難しさに、何度も立ち止まったことがある。だからこそ、この方法が本当に活きるのは、顔見知りの人を鑑定する場面なのかもしれない。

 次に提案を受けたのは「ネガティブな結果」を伝える場合のアドバイスだ。

【技術2】ネガティブを「課題」ではなく「伸びしろ」としてリフレーミングする
 相談者が最も恐れるのは、ネガティブな結果を断定されることです。
「グッとくる」アドバイスとは、弱点や欠点に見える線すらも、ポジティブなエネルギーに変換する技術です。

(例)もし「生命線が短い」相談者が来たら
(悪い例):「あなたは体力がありませんね。短命かもしれません。」
(グッとくる例):「この線は、ご自身のエネルギーを一点に集中させ、短期決戦で一気に能力を発揮する『集中型』の才能を示しています。だらだらと時間をかけるより、スプリント(短距離走)のように『今、ここ!』という瞬間に賭けると、物凄い力を発揮するタイプですね。」

 さすがにグッとくる例の「スプリント(短距離走)のように」という例えは、相手に伝わるのかどうか心配でもある。むしろ今なら、魚富先生の漫画『ひゃくえむ』が話題だから、漫画に登場するトガシみたいに

「勿論ただ走るだけじゃ何も解決しない。けど速けりゃ違う。気づいてないみたいだけど、この世には単純なルールがある。それによるとたいていの問題は、100mだけ誰よりも速ければ全部解決する。

出典元:ひゃくえむ。 1巻より

みたいなことを言えばいいのだろうか。いや、余計複雑か。

 そのほかにも、geminiは「もしも、運気がちょっと下がり気味の線を持った相談者が来たらどうするか」というシリーズについて、実に丁寧に教えてくれた。

(例)もし「線が乱れている」相談者が来たら
(悪い例):「悩みが多いですね。苦労する相です。」
(グッとくる例):「この部分は、あなたがそれだけ深く物事を考え、多くの情報や感情を人一倍キャッチできる『高感度アンテナ』を持っている証拠です。だからこそ、人の痛みが分かり、占い師というお仕事に繋がっているんですね。」

 なるほど。相手を落ち込ませないように、でも現実から目をそらさせないように……。

 このアドバイスを読むなり、昔所属していたダンスteamの代表が「人に何かネガティブなことを伝える時、ポジティブ+ポジティブ+ネガティブ+ポジティブ」という形で伝えると言っていたのを、ふと思い出す。

 これをポポネポの法則と呼び、ネガティブな話を伝えたとしても、ポジティブな意見に包まれているから相手は悪い気がしないらしい。

 私もその話を聞いて以来、密かに真似をし続けている。それから、人にあまり嫌われなくなった気がする。ポポネポの法則、万歳。

 次のアドバイスは、誰かの「躊躇」への対処法だった。

【技術3】鑑定を「未来への許可証」として使う

多くの人は、何かを始めたい、あるいは変えたいと思いつつ、「本当に自分で大丈夫だろうか」と躊躇しています。手相鑑定は、その背中を押す「お墨付き」や「許可証」として機能します。

デモンストレーション(今回の場合):
「これだけ素晴らしい『創造力(知能線)』と『実行力(生命線)』を併せ持っていらっしゃる。もし今、温めている新しい企画や、挑戦したいけれど迷っていることがあるなら、この手相が『あなたなら絶対に形にできる』と太鼓判を押してくれていますよ。自信を持って一歩踏み出す絶好のタイミングかもしれません。」

 さすがに「ポジティブ」が過ぎると、ちょっとだけうさん臭さが滲み出るが、不思議と「一歩踏み出してみようかな」と思わせてくれる力も感じる。

 思い返せば、占いや誰かに相談するときって、心の中ではすでに「答え」が決まっていることが多いのかも。ただ、その答えを選ぶ勇気が持てなくて、相談者は誰かの後押しを求めている。

「人は、誰かに相談することで、自分の決意を確認する」――そんな話を耳にしたことがある。

 ならば、AIの時代が到来したとしても。背中をそっと押せるアドバイスができる人は、きっと、いつの世も生き残っていける。

 それは、占い師であれ、編集者であれ、AIであれ、変わらないのかもしれない。geminiは最後に、占いとは「コミュニケーションの一環である」と私に教えてくれた。

【まとめ】
「グッとくるアドバイス」とは、単に手相の知識を披露することではなく、相談者の「過去(実績)」を肯定し、「現在(悩み)」をリフレーミングし、「未来(可能性)」に許可を与えるという、一連のコミュニケーションプロセスそのものであると、AIは分析します。

 鑑定は当たるが百。そんなイメージを持つ人は、きっと少なくないだろう。

 けれど、人気のある鑑定士に見てもらうと、意外なほど「人の背中を押すのが上手い」と感じることがある。

 話しているうちに、なぜかポジティブな気持ちになってくる。未来が明るくなるわけでも、悩みがすぐに消えるわけでもないのに、心が少し軽くなる。

 正しさよりも、寄り添う力。
 予言の精度よりも、誰かへの励ましや思いやり。

 人は案外、そういう言葉に救われることがあるのだ。

【完】

⭐︎この記事を書いた人

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