受賞者は一体、何を考えていたのか?ライターポータルのイベント「note創作大賞2026向け勉強会」に登壇しました【イベントレポ&感想紹介】
「創作大賞の受賞者は、一体どんな思いを抱き、どんな覚悟で作品に向き合ってきたのだろう……」
2年続けて創作大賞にがっつり挑戦してきた私は、自ら作品を応募したり、結果発表をドキドキそわそわと待っている間に、ふとそんな思いを胸に抱くようになりました。
世の中には、創作論やノウハウが星の数ほどあり、「創作大賞を狙うなら〇〇すべき!」といった考察も尽きることがありません。けれど私にとって、創作の根っこにあるものは
「好きな世界を形にすること」
です。
そう感じるのは、20年以上前から趣味で細々と小説を書き続けてきた経験が、私の奥底に深く息づいているからなのかもしれません。けれども今、お仕事でライティングに携わっていくうちに「仕事」と「好きで書くこと」を別物と捉えている自分がいることに気づき始めます。
好きなものをただ好きなように書くことも尊いし、コンテストを意識して戦略的に書くことも、1つの尊いスキルです。どちらも否定されるものではなく、どの道も間違いではありません。
けれど「創作大賞」という目標を掲げるなら、やはりそれにふさわしい工夫や覚悟が必要なのではないかと……。そんな思いから、私はかねてからずっと受賞者の声を聞いてみたいと願っていました。

願いは、形になる――今年、その願いは二度も叶えられたのです。
ひとつは「ライター研究所」で開催された、『創作大賞の裏側』。
こちらのイベントでは、望月さん、ハスつかさん、秋田柴子さん、深谷みどりさん、紫吹はるさんより、貴重なお話を伺いました。
そして12月12日には、ライターポータル主催「note創作大賞2026向け勉強会」に登壇しました。
今回イベントにあたり、受賞者5名の方にヒアリングさせていただきました。ご協力いただいた方々ありがとうございました。
タキアユミさん エッセイ部門 『セブンイレブンに憧れた少女がアフリカでデザイナーになる話』双葉社文芸出版部賞
YASUさん 恋愛小説部門『パーティーはいつか終わる』 双葉社文芸出版部賞
ハスつかさん フード部門『マツコの番組にも出演!日本一のおむすびマニアが22の注目事例で語る「2025年のおにぎりトレンド」』入選
稿 累華さん ファンタジー小説部門『魔法が使えない魔導師と、霧の大陸の教え子たち』入選
はそやmさん ベストレビュアー賞(3年連続受賞)
ささやかなお礼ではありますが、振り返り記事の中でイベント紹介時のエピソードとともに作品の紹介をさせていただきます。なんと今回、タキアユミさんからの「告知」がありますので、こちらもぜひよろしくお願いいたします。
今回、特別にライターポータル様に交渉し、ヒアリング協力いただいた方々にのみアーカイブを共有させていただきます。
イベント登壇4回目の気づき
イベントの前に、もう一度作品を読み返し、感想をメモに書き残しました。メモは、パソコンの隣に置いて「いつ何を聞かれても問題ない状態」で臨みました。

頭の中では理解しているつもりでも、いざ言葉にしようとするとすぐには出てこないものです。紙に書き留めておくことで、当日のイベントでは落ち着いて話すことができました。
ただ、反省点もあります。なんと、スライドが40枚とかなりのボリュームになってしまったため、重すぎて途中で止まってしまったのです。Canvaから直接共有したのが原因だったのかもしれません。次はダウンロードしておいた方が安心だと学びました。
アクシデントが起きた際にも、進行役のヤムラさんが最後まで丁寧にサポートしてくださり、本当に心強かったです。今回お声がけいただき、このような機会をいただけたことに、心から感謝しています。本当にありがとうございました。
【THANKS】
ヤムラさん
AIが語る百物語。発想が斬新で、今まで読んだことのない小説。鏡のくだりが凄く面白い。鏡をこれから見る時に、ヒヤッとしそうです。AIに詳しい方ならではの小説と感じました。
ここからは、ヒアリング協力いただいた方々の作品とともに、イベントで紹介した際のエピソードを少し紹介します。
セブンイレブンに憧れた少女がアフリカでデザイナーになる話 タキアユミさん
━━世界のどこかに、自分の「本当の居場所」があるのではないか。
それは、現状に不満を抱いたことがある方なら、誰しもが一度でも思ったことではないでしょうか。
私もかつて、自分が失恋した時、リストラした時に思ったことがあります。では、一体その居場所はどこにあるのか。そんな問いを常日頃から抱える人に、刺さる作品と感じました。
同作では、世界のどこかにある美しい場所「ここではない、何処か」に憧れ、レコード会社へ就職したり、世界を渡り歩いてファッションブランドをオープンしたりさまざまな経験を経て感じたタキさんの目線から得られた「気づき」が随所に盛り込まれています。
稀有な経験の中に「誰もが感じたことのある想い」がエピソードに盛り込まれていることで、誰かの「共感」に繋がっていく。ここが、読者を取りこぼさないポイントになっている気がしました。
最後に、色んな経験を経た上でタキさんが溢した「ある一文」が記されています。何気なくさらりと登場するのですが、裏付けされたエピソードがあるからこそ、その一文が深く胸につき刺さります。
昨今は「何者ブーム」とも言われ、言葉は「何を言うか」よりも「誰が言うか」に重きが置かれている風潮があります。それは、作者の著名性も一理あるかもしれませんが、言葉の説得力に関しては、その人が歩んできた経験や積み重ねてきた苦労ではないか、と。タキさんのエッセイを拝読し、そのことを改めて深く実感しました。
もちろん、タキさんほどの大きなエピソードを持つ人はそう多くはないかもしれません。けれど、誰の中にも「経験から得た気づき」は、少なからずあるのではないでしょうか。たとえ日常に潜む小さなエピソードであっても、見せ方次第で誰かの支えや救いになる気がします。
むしろ、小さなエピソードこそ、書き手の腕の見せ所ではないかと私は思う訳ですよね。「タキさんほどのエピソードが私にはない……」と思う方も、諦めずに書き続けて欲しいものです。(と、昨今のエッセイ議論を横目で眺めながら思っていました)
話が脱線したので、戻します。最後にタキさんが「居場所」について語った言葉に、胸をぐっと掴まれました。それは、数々の苦労を重ねながらも「乗り越えていく過程」が、きちんと伝わってきたからなのかもしれません。
ここで、盛大なカミングアウトをします。実は私も今、自分の居場所を絶賛模索中です。今の状態で、このまま突っ走っても大丈夫かなとか。いつも試行錯誤を重ねています。
でもタキさんのエッセイを読んで、「今ここにある場所」にきちんとフォーカスし、与えられたことをコツコツ頑張ろうと思い直しました。
それが結局、自分の「居場所」を作るんですよね。
タキさんより告知です
12月19日(金)より、双葉社文芸総合サイト「COLORFUL」にて、タキさんの連載エッセイが始まります。
タキさんからは「創作大賞を受賞した者のこれからを、どうか温かく見守っていただければ幸いです」とのメッセージをいただいております。
私自身も、タキさんのこれからの展開を心から楽しみにしています。
タキさん お礼メッセージ
実は授賞式ではタキさんと直接お話できなかったのですが(声をかけるべきだった!)、その後に拝読した授賞式のレポートや、ヒアリングの中で、タキさんは熱い情熱と、冷静さのバランス(客観視が上手)が抜群に上手い方だと感じました。
さらにエッセイを読み終えたときには、まるで「もしかしたら、私はタキさんだったのではないか」と錯覚をしてしまうほど、心理描写が丁寧に綴られており、その巧みさに驚かされました。
受賞記レポートである「【創作大賞2025受賞記】2026年4月のあなたへ」を拝読し、「ぜひ、お話を詳しく伺いたい」と思って、今回お声をかけさせていただきました。
改めまして、この度はご協力いただき、誠にありがとうございました。そして、受賞おめでとうございます。
パーティーはいつか終わる YASUさん
東京に行けば、人生は変わっていたのかもしれない。
私は地方から外に出ていないので、40代半ばになった今でも「東京にもし進出していたなら」と、たらればみたいなことを思っています。きっと「たられば」を語っている時点で、東京に行っていても何も変わっていなかったのかもしれません。
さて、私の話はここまでにして、YASUさんの作品を紹介します。こちらの小説は、東京に行っても何ひとつ達成することができないまま中年になってしまった40歳の女性「潮田」が主人公です。
潮田は実家が寺で、親の都合で跡継ぎ問題に巻き込まれたりして、なかなか自分を出すことができません。そんな潮田は、会社の送別会で青羽さんという45歳の男性と出会います。その彼が、なかなかいいキャラをしてます。そして、この青羽さんが作品における「キーパーソン」となります。キャラクターが1人1人しっかり作りこまれているのは、流石の一言です。
周囲の視線を気にして、ついネガティブな思考に陥りがちな潮田。そんな潮田は、さまざまな人との出会いを重ねる中で、少しずつ心を開いていく姿は圧巻でした。はたして潮田は幸せを掴むのか。それとも。
「自分の居場所はどこだろう」
「周りの目が気になって、思うように人生が動かない……」
そんな思いを抱いたことのある方に、ぜひ目を通していただきたい作品です。結局人生を動かせるかどうかって、「誰かが何を言うか」より「自分がどうしたいのか」なんですよね。
YASUさんへ メッセージ
今回、YASUさんに絶対お話を伺おうとおもっていた一方で、メールをした時にはドキドキ胸が高鳴りっぱなしでした。
実は密かに、私は彼の隠れファン(隠れていないかもしれない)。授賞式の少し前より、noteの記事にスキをもらう機会があり、その度にドキドキそわそわしていました。
メール待っている最中も
「ああ……メール返事来るかなぁ……ドキドキそわそわ」
と、完全に「婚活難民時代に、憧れのイケメンに連絡していた時のアレ」状態でした。
授賞式でお会いした瞬間、想像の1億倍のイケメンが目の前に現れ、思わず息が止まりそうになりました。背はすらりと高く、切れ長の澄んだ瞳はまるで韓流スターのよう。いや、今をときめく若手俳優だと言われても、きっと疑うことなく信じてしまったでしょう。
そんな圧倒的イケメンを目の前にして、私はちゃっかり写真を撮らせていただき、さらに握手までしてもらったのです。この経験は、私の宝物ですね。
YASUさんからは、
「エンタメ作品としての強度を残しつつ、いかに現実的な設定にするかが、共感しやすい物語を作る上で大切な心構えだと思います」
というお話をいただきました。来年、創作大賞に応募される方は、ぜひ参考にしてください。なお、YASUさんには個人的に「私が、ただ聞きたいだけ」という理由だけで「推しの作家さん」についても聞いてみることに。
♯職権乱用
好きな小説家は一穂ミチさん、山内マリコさんとのこと。そして驚いたのは、YASUさんが小説よりも漫画で育ってきたという点でした。
なんと、創作において最も影響を受けた存在は、漫画家の浅野いにおさんだそう。そこから話題は「浅野いにおさん」へと広がり、私自身がカツセマサヒコさんの大ファンであること(カツセさんもいにおさん好きなので)を語ったりして……。
もうね、メールのやり取りが楽しすぎて、時間を忘れるほどでした。
♯職権乱用
改めて、この度はヒアリングに協力いただき、本当にありがとうございました。今後のご活躍を、心より応援しております。
マツコの番組にも出演!日本一のおむすびマニアが22の注目事例で語る「2025年のおにぎりトレンド」 ハスつかさん
ハスつかさんは、ライター研究所のイベントに続いて、今回2回目の紹介です。本職は、noteによると有名企業の商品企画、プロモーション、ブランディングや、地域・企業のマーケティング・コンサルティングにも携わっているとのこと。
そんなハスつかさんは、日本中を巡りながら、おにぎりを打っているお店を探し、そこで売られているおにぎりの食レポをほぼ毎日のように更新しています。
記事の中では、マーケティングでの知見などを活かして、
「おにぎりの現状」
「全国のおにぎり販売店の図解」
「ブームの理由などの分析」
などについて綴られています。
私は普段、コンビニや旅先で何も考えずに「おにぎり」を購入しています。なぜおにぎりを買うかと聞かれたら、腹が減るからです。今年は、お仕事で「おにぎり」の記事を何本か執筆しましたが、実際に記事を書く上でリサーチを進めると
「なぜ、今このおにぎりが企画されているのか」
という事情が潜んでいるんですよね。
実際におにぎりの記事を執筆してみて、改めて「商品であるおにぎり」が誕生するきっかけについて考えさせられました。
そういった背景を知ると、おにぎりをもっと深く味わえるのかもしれないと、ハスつかさんの記事を読んで感じました。
ハスつかさんへ メッセージ
この度は、快く応じて下さりありがとうございます。
今回、紹介が2回目ということで、
「もし深堀りしたいポイントがあれば、書き加えます」
「聞いている方に、どんな人かわかるように簡単な紹介をつけておきますね」
と、色々気遣ってくださったことも非常に助かりました。おかげ様で、今回はハスつかさんのことを上手く紹介できました。ここ最近、色んな方とお会いする機会があるのですが、活躍されている方の「先回り精神」は目を見張るものがあります。売れている人には理由があるんだなぁ、と……!
ハスつかさんは、マツコデラックスさんのTVにも出演したことがあり、他にもさまざまなメディアに登場している売れっ子noterさんですが、人気の理由を改めて感じました。
魔法が使えない魔導師と、霧の大陸の教え子たち 稿 累華さん
ファンタジー小説と聞くと「設定が難しいのでは」と思う方もいらっしゃるかと存じます。それが、稿さんの小説は凄く読みやすくて、わかりやすいのが魅力と感じました。
小説は12歳にして、魔導大学府を卒業した天才シェイラが主人公。シェイラは、修養期間を経て18歳となり、師から魔法学校の相談役を命じられます。
ここでシェイラが面倒を見ることになったのが、「何らかの事情」で上手く魔法が使えない子どもたち。シェイラは、そんな子どもたちと真摯に向き合い、葛藤を重ねながら相談に応じていきます。
お話の魅力と感じたのは、登場する子たちが誰かの良いところ、悪いところも受け止めた上で「相手を受け入れよう」と奮闘する姿が垣間見れたところでしょうか。今の世は情報過多になり、生きづらさを抱えている方も少なくありません。どんな子も取りこぼさず、優しく接していくシェイラの姿に救われる方は多いのではないかと思います。
修行のシーンで、師匠が「毎日の授業は続けること」と語るのですが、この部分も習慣化だったり、noteを続けることに悩む方にそっと寄り添うような温かさを感じました。
稿 累華さん メッセージ
この度は、ヒアリングにご協力いただき誠にありがとうございました。
授賞式の際、お話ができてとても嬉しかったです。なんと、私のnoteも日頃から読んでくださっているとのことで、有難かったです。
稿さんの凄いところは、日頃からさまざまな出来事に深い考察があり、どんな物事においても分析をして「そこに合わせていこう」と真摯に努力を重ねていく姿です。
こちらの記事が凄く好きです。
過去の振り返り記事などもいくつか拝読させていただき、創作大賞への取り組みについてお話を伺いたいと思い、今回お声をかけさせていただきました。
改めまして、この度は快くご協力くださり、本当にありがとうございました。
【#創作大賞2025】好きを認めてくださりありがとうございました(6000字超えです) はそやmさん
はそやmさんはライター仲間でもあり、日頃からお世話になっています。なんと、ベストレビュアー賞3年連続受賞ということで、彼女しかわからない「深い気づき」があると感じ、今回お声をかけさせていただきました。
授賞式のレポートを振り返ると、彼女の凄さは「自分よりも人のために動ける」というところにある気がします。
こちらのnoteの中でも、紫吹はるさんの努力を称えていましたが、2人とも本当に献身的で、不思議と「もっと自分のためにも動いてほしい」と応援したくなるのです。
そしてふと気づいたのは、ベストレビュアー賞に選ばれた方々(野やぎさん、アルロンさんなど)の多くが、やはり「人のため」に尽くしている人たちだったということでしょうか。
自分の作品を抱えながらも、誰かのために力を注げる――それは決して簡単にできることではありません。誰かのために頑張れる人を、私は心から尊敬しています。だからこそ、同じくらい「自分自身のことも大切にしてほしいです」と願わずにはいられません。
はそやmさんからは
「感想を書く際には、なるべく引用は使用せず、作品の魅力を引き出すことを意識しています。あらすじを書かずに『こんな作品だよ』と理解してもらうためにはどうしたらいいかについて、常に悩んでいます。
そのために自分の言葉(表現)を磨かないといけないので、感想文は趣味と文章修行の両方を担っているのかもしれません」
というお声をいただきました。感想を書きながら、文章修行をしていく姿勢には頭が下がります。
はそやmさん自身、小説の方にも応募しており、私も感想を書かせて頂きました。ホラー小説部門でも何度かランクインしており、人気の作品でもあるので、もしよろしければぜひチェックしてみてくださいね。
ホラー×ヒューマンドラマという感じで、人間の怖さや、避けられない環境からの「絶望」を作品の中に上手く落とし込んでいる良作でした。
はそやmさんですが、なんとブックショートアワードさんの9月期優秀作品に選定されたとのことです。
継続は力なりだと、彼女の背中を通じて学ぶことが本当に多いです。改めて、この度はご協力してくださりありがとうございました。
【完】
⭐︎この記事を書いた人

