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ぼくたち三匹いつも一緒

ここは下町のデパートの中にあるぬいぐるみ屋さん。

クマにネコにウサギにと、色んなぬいぐるみたちがいる中、すみっこの方でぼくたち三匹は並んでいた。

ここへ来る前からぼくたちは一緒だったからもう、きょうだいみたいなもの。

ある日、お母さんと一緒に姉妹がやってきて、ぼくたちの前で色々と話をしていた。

「これかわいいね」

「うん」

お姉ちゃんが茶色の子を手のひらに乗せた。

妹の子はぼくと黄色の子をむにむに、わしゃわしゃと触っている。

すると、その様子を見ていたお母さんが言った。

「じゃあひとり一個ずつね」

お姉ちゃんはそのまま茶色の子を、

妹の子は黄色の子かぼくかどちらにしようか迷ったあと、黄色の子を選び、ぼくはまた棚のすみっこに戻された。

ふたりはその姉妹のもとへ行き、ぼくはひとりになった。

ふたりが姉妹のもとへ行ったあと、ぼくは周りの仲間たちと一緒に日々を過ごした。たくさんのぬいぐるみ仲間がいたから、少しずつ、さみしい気持ちも和らいでいった。

ふたりとも、今ごろなにしてるかな・・・



今日もお店にはたくさんの人が訪れていた。

「ねぇねぇ、わたしこのクマさんがほしい~」

ワンピースを着た女の子がお父さんにおねだりをしている。

「あの子のプレゼントにはこれがいいかね」

老夫婦がにこにこしながら、あれかな?こっちかな?と嬉しそうな顔をして悩んでいる。

お店の明かりが点いたり、消えたりを繰り返していくうちにひとり、またひとり・・・と仲間が誰かのもとへ行くのをぼくは何度も見送った。

大きな背中に乗せてくれたゾウさんも

自慢の長い首で滑らせてくれたキリンさんも

しあわせそうな誰かの元へと行ってしまった。



真っ暗なお店の中、悲しくなって泣いていると隣にいたワニさんが話かけてくれた。

「俺はもう長いことここにいるんだ。君がここにくるよりもずっと前からさ。俺はこの通り、ちょっといかつい顔をしているだろう?だからなかなか見向きもされなくてねぇ」

ワニさんはちょっとさみしげに笑った。

「君にもきっと、しあわせにしてくれる人が現れるから、だいじょうぶさ」

ワニさんに勇気づけられてぼくはほんのちょっと、気持ちが楽になった。

そんなワニさんも、何日か前にやってきた元気な男の子のもとへと行ってしまった。男の子は嬉しさのあまりにワニさんをブンブンと振り回していた。

よかったね、ワニさん。
しあわせになってね。


ふたりがいなくなってから数週間が経ったある日。

なんと、またあのときの姉妹がやってきたのだ。

「あ!あの子まだいるよ!」
「ほんとだ!」

女の子は近づくなりすぐに僕を手のひらに乗せた。

「よかった~」

そしてぼくも、その姉妹の元へ行けることになった。

ふたりにまた会える。

気がついたら涙がこぼれていた。


女の子たちの家に着くと、茶色の子と黄色の子が待っていてくれた。

ぼくはふたりの顔をみるなり安心して、わんわんと泣いた。

もう2度と会えないと思っていた。
また会えて、ほんとうによかった。


これからもぼくたちは一緒。

三匹ずっと、一緒だよ。




* * *


あとがき

稚拙な文ながら、ここまで読んでいただきありがとうございました。

このお話は実際にあった出来事から着想を得て書いてみました。

いつもメロンパンの記事に出てくるハムスターのぬいぐるみはずっと昔、こどものころにやって来た子たちで、文中の通り最初は私と妹でひとつずつ買ってもらいました。

それからしばらくして、私がグレーの子も欲しいとねだった・・・のかどうかは記憶にないのですが、もう一度お店に行くと運よく残っていて、三匹揃ってお迎えすることができたのでした。

私たち姉妹が大きくなるにつれ、いつの頃からか妹の方はぬいぐるみに興味がなくなってしまったので、三匹とも私のもとで飾られるようになり、現在に至ります。

何故だかわからないのですが、このぬいぐるみにはすごく愛着があります。元々ハムスターが好きなのもありそうですし、それにもしかしたら、親から買ってもらったものだから大切にしたい、という気持ちからかもしれません。

noteの記事ではむちゃんずとして登場させることで、なんだかぬいぐるみたちに命が吹き込められたような気がして、より大切にしたいなという気持ちになりました。

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