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【毎週ショートショートnote】信号機ぶどう味
「助けてくれ!」
響く悲鳴に、人が集まる。見上げると、赤色灯の部分にたわわな実をつけた信号機があった。
「このぶどうを全て食べないと、青にならないんだ!」
信号機にまたがっている男が叫んだ。
「これ、タダ?」
「お得すぎる!」
わらわらと信号機に駆け寄る人々。
「デラウェア、クイーンニーナ、サンシャインレッド⋯⋯赤系ぶどうって種類豊富なんだな!」
皆の興奮が増す。
「マイハート、かわいくて濃厚!」
「私はさっぱり系が好き」
楽しげな皆をよそに、一人の青年が呟いた。
「俺、ぶどう苦手」
青年が赤信号を渡った瞬間、サイレンが鳴る。皆ごくりと唾を飲み込み、がむしゃらにぶどうを口に放り込んだ。甘さが舌を刺す。
ようやく最後の一粒が消え、青色灯がともる。そこに実ったのは⋯⋯。
「シャインマスカットだ!」
腹をさすりながら実をもぎ取り、道を渡る。そうして皆、膝から崩れ落ちた。
「ぶどう狩りへのご参加、ありがとうございました。料金はこちら」
(410字)
ちなみに、隣の信号機はりんごでした。たぶん、他にもまだある。
赤系ぶどうってあんまり食べたことなかったのですが、おいしそうですね! でも、栽培は難しいとか。
こちらのお題で書かせていただきました。
画像は、みんなのフォトギャラリーよりお借りしました。
