シニアの4割超が「熱中症かも」と感じた経験あり。水分補給に加えたい夏の習慣
研修講師、手話通訳士の横山熊太郎です。
AIを活用しながら、シニア向けの情報や、書籍やガジェットの紹介などをしています。
「水分はこまめに取っているから、熱中症対策はできている」
そう考えている人は多いのではないでしょうか。
しかし、65歳から80歳までの男女を対象にした2026年の調査からは、水分補給への意識が高い一方で、塩分やミネラル、毎日の食事まで意識している人はそれほど多くない実態が見えてきました。
調査を実施したのは、健康に配慮した宅配食などを手がけるウェルネスダイニング株式会社。2026年7月、65~80歳の男女300人を対象にインターネットでアンケートを行いました。
43.4%が熱中症やその疑いを経験
「熱中症になった」「熱中症に近い症状だったかもしれない」と感じた経験がある人は、合計43.4%に上りました。
回答の内訳は次の通りです。
なんとなく体がだるい日が多く、暑さのせいかもしれない:26.0%
頭痛・めまい・吐き気などの症状が出たことがある:9.7%
受診していないが、ぐったりして動けなくなったことがある:5.7%
病院で熱中症、またはその手前と診断されたことがある:2.0%
医療機関で診断された人だけでなく、「あの体調不良は暑さが原因だったかもしれない」と感じた人を含む数字です。
自己申告によるインターネット調査のため、この43.4%をそのまま医学的な熱中症の発症率と捉えることはできません。それでも、多くのシニアが夏に何らかの体調異変を経験していることは、見過ごせない結果です。
水分補給は86.0%、塩分・ミネラルは29.7%
普段行っている熱中症対策で最も多かったのは、「こまめに水分を取る」の86.0%でした。
一方、「塩分やミネラルも一緒に取るよう意識している」と答えた人は29.7%。水分補給に比べると、大きな差があります。
暑い日に飲むものについても、「お茶」が59.7%で最も多く、「水」が48.0%と続きました。経口補水液を選んだ人は2.7%でした。
もちろん、経口補水液を日常的に飲めばよいという意味ではありません。経口補水液は一般的な水分補給用の飲み物とは目的が異なり、必要のないときに大量に飲むと、ナトリウムを取りすぎる可能性もあります。
大切なのは、「水を飲んでいるから安心」と一つの対策だけで判断せず、発汗量や体調、食事、過ごしている環境を含めて考えることです。
エアコンの効いた室内でも油断しない
夏の昼間を「エアコンの効いた室内で過ごすことが多い」と答えた人は64.0%でした。
涼しい室内で過ごすことは、熱中症を防ぐうえで重要です。ただし、冷房を使っていれば絶対に安全というわけではありません。
高齢になると、暑さや喉の渇きを感じにくくなる傾向があります。本人が「それほど暑くない」「まだ飲まなくても大丈夫」と思っていても、気づかないうちに水分不足が進むことがあります。
環境省も、高齢者の熱中症対策として、エアコンを適切に使って涼しい環境で過ごすことに加え、喉が渇いていなくても、こまめに水分や塩分を補給するよう呼びかけています。環境省「高齢者のための熱中症対策」
室温や湿度、暑さ指数を確認すること。時間を決めて飲み物を取ること。家族や周囲の人が声をかけることも、大切な対策になります。
夏の食事が麺類だけになっていませんか
調査では、夏の食事について「冷たいものや麺類など、同じようなメニューに偏りやすい」と答えた人が40.3%に上りました。
さらに、「暑くて食欲が落ちる」が21.7%、「栄養バランスが取れているか不安」が19.3%でした。
暑い日に食べるそうめんや冷たいうどんは、のどを通りやすく、手軽に用意できます。しかし、麺だけで食事を済ませる日が続けば、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが不足しやすくなります。
調査を発表したウェルネスダイニングの管理栄養士は、次のような工夫を紹介しています。
そうめんやうどんに、魚の缶詰などを加える
トマト、なす、きゅうり、果物など、水分を多く含む食品を取り入れる
香辛料などを活用し、食欲が落ちる時期も食事を楽しめるようにする
できるだけ3食を欠かさず、食事からも水分やミネラルを取る
いつもの麺に、サバ缶やツナ、卵、豆腐、夏野菜などを一品加える。まずはその程度の工夫からでも、食事の偏りを減らせそうです。
「飲む」だけではなく、夏の生活全体を整える
今回の調査から見えてくるのは、水分補給ができていないという問題ではありません。むしろ、86.0%の人がこまめな水分補給を実践していることは、対策が広く定着している表れです。
次に必要なのは、水分補給を続けながら、対策を少し広げることではないでしょうか。
エアコンを適切に使う
室温・湿度や暑さ指数を確認する
喉が渇く前に水分を取る
発汗量や体調に応じて塩分・ミネラルも意識する
食事を麺類だけで終わらせない
家族や周囲の人が声をかける
無理をせず、涼しい場所で休む
ただし、心臓病や腎臓病、高血圧などで水分量や塩分量について指示を受けている人は、自己判断で増やさず、かかりつけ医の指示を優先する必要があります。
また、熱中症が疑われる人が自力で水を飲めない、呼びかけへの反応がおかしい、意識がないといった場合は、すぐに救急車を呼ぶことが必要です。厚生労働省「熱中症が疑われる人を見かけたら」
水分補給は、熱中症対策の大切な基本です。
その基本に「涼しい環境」「食事」「体調確認」「周囲の見守り」を重ねること。それが、厳しい夏をより安全に乗り切るための現実的な備えになりそうです。
調査の詳細:【2026年調査】シニアの4割以上が「熱中症かもしれない」と感じた経験あり。水分補給だけに頼らない夏の対策とは
※調査結果の出典:ウェルネスダイニング株式会社
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