秋刀魚の匂い
テレビの録画機能には、いくつか残している番組がある。
そのひとつが、「目黒のさんま」の落語。
一年に一度、この時期になると観たくなる。

昨晩、秋刀魚を食べた。
アジも好きだけれど、秋刀魚の脂がのった身と、ほろ苦いところが好き。
学校から帰ってきた息子が、玄関を開けるなり、
「今日、秋刀魚?」
と聞いてきた。
焼き魚の匂い、ではなく、
秋刀魚の匂いを知っているんだなと思った。
「もう秋なんだね」
とも言った。
そういえば、朝玄関を出たときに、秋の匂いがした。
肌に触れる空気が、少ししっとりしていた。
匂いというか、
肌と記憶で感じるような秋だった。
脂がのった身を、子どもに分ける。
それを知っているからか、夜遅くに食べる家族が、今度は私に身を分けてくれる。
そして、日本酒とお猪口もついてくる。
なんだか、秋刀魚となると、値段が気になる。
昔はもっと安かった、とか。
秋刀魚の値段が、なにかの目安のように語られていたりする。
けれど今年も、秋刀魚を買った。
秋を食べたかったから。
大分産のかぼすまで買ってしまった。
焼いた秋刀魚に、きゅっと絞る。
こういうことが、
日々の愉しみな気がした。
月見バーガーは、先日食べた。
あとは、お月見の日を心待ちにしている。
私の秋は、だいたいこの三つ。
録画していた「目黒のさんま」を、今度は子どもと。
昨年も、この時期に観た。
だから、息子の中にも、秋刀魚が残っていたのかもしれない。
なぜか心に残っているものを拾って、一冊にしました。
