(子どもへの声かけ⑥)〝便利な言葉〟が、子どもの語彙力アップの邪魔をする
(ケース)親子で映画を見終わったとき。
(NG声かけ)「ヤバかった(面白かったね)」
(OK声かけ)「どんな話だった?」
親子で映画やアニメを観る。そんな機会も、子どもが成長すると出てきます。
その際、若い親御さんに多いのが「ヤバかった」「面白かったね」という声かけ。
ここでは、子どもの感想を聞くのはチャンスだと思ってほしいのです。
なんのチャンスかというと、子どもが言葉で表現できる力を育むチャンスということです。
言葉で表現できるのは、言葉を大切にしなければ身につきません。
そのような機会に「ヤバい」「面白い」といった、いろいろな意味を含んだ〝便利な言葉〟を使ってしまうと、子どもの語彙力アップの邪魔をしてしまいます。
そのような〝便利な言葉〟に囲まれて育った子どもは、大人になっても、「ヤバかった」「面白かった」「つまらなかった」といった単純な表現しかできなくなるのです。
そこで、提案したいのは、子どもに観た映画やアニメがどんな内容だったか、解説させることです。
「川から流れてきた桃から生まれた桃太郎が、動物たちを仲間に加えて、鬼が住む島にいって、鬼を倒してきた話」
このように答えられれば、わかりやすい言葉で物語の概要をちゃんと伝える力が身についています。
ただし、子どもに話させたら、
「川から桃が流れてきて、そしておばあちゃんがそれを拾って、そこから生まれた桃太郎がいて……」
と長々となることも珍しくありません。
しかも、このように順序だって説明できるのは、ある程度お子さんが育ってきてから。
「川から桃が流れてきて、桃太郎が犬を仲間にして」
といった具合に、話を飛ばすことも多い。
そうした際は、
「川から流れてきた桃は誰が拾ったのかな?」
「桃太郎はどこから生まれたのかな?」
といった具合にアシストの声かけをしてあげる。
そうすることで、言葉を巧みに使える子どもに育つのです。
こうするためには、親が家庭で使う言葉にこそ、敏感になりたいものですね。
子どもが成長するためには、まず親が成長せねばならない。
「親がなくても子は育つ」といいますが、近所付き合いがない今は、家庭環境が子どもの将来を左右する要因が強くなっているともいえます。
まずは親が家庭で「ヤバい」といった言葉を使わないようにしたいものです。
