大切な人にきつくなってしまうのはなぜか― その怒り、期待から生まれていませんか? ―
前回
前回は、効率が悪い自分を許したら変わったことについて書きました。
今回は、大切な人にきつくなってしまうのはなぜかについて書いていきます。
大切な人にきつくなってしまうのはなぜか― その怒り、期待から生まれていませんか? ―
余裕をなくしていた日々
いちばん大切にしたいはずの家族に、きつくなってしまう。
以前の私は、そんな日が少なくありませんでした。
子どもが話しかけてきても
「あとでね」と言って、目を合わせられない。
夫の何気ない一言に、必要以上に反応してしまう。
本当は、穏やかでいたい。
でも、余裕がない。
そして夜になると、
「どうして優しくできなかったのだろう」と静かに反省する。
そんな繰り返しでした。
怒りの正体に気づく
なぜ、あんなに余裕がなかったのか。
振り返ると、
お金のことが不安でした。
時間にも追われていました。
体力も、思っている以上に削られていました。
そして何より、
「わかってほしい」という気持ちを抱えていました。
あるとき、家計の不安を夫に伝えたことがあります。
「少し心細い」と。
返ってきたのは
「大丈夫じゃない?」という軽い言葉。
悪気はない。
でも、私の不安はそのままでした。
また別の日、
一年のはじまりを静かに過ごしたいと思っていた朝、
母から何度も電話がありました。
急ぎではない相談でした。
その瞬間、胸の奥で何かが固まりました。
「どうして、今なのだろう」
そう感じた自分に気づいたとき、はっとしました。
私は、期待していたのです。
わかってくれるはず。
気づいてくれるはず。
大切にしてくれるはず。
その“はず”が届かないたびに、
怒りという形で外に出ていました。
そして一番近い家族に、向いていた。
期待を手放す練習
それから私は、
誰かが変わる前提、という考えをやめようとしていきました。
まずは、自分の状態を整える。
疲れていないか。
無理をしていないか。
本当は何を求めているのか。
子どもには、
「自分とは違うひとりの人」として向き合う。
他の家族には、
察してもらうのではなく、短く具体的に伝える。
そして何より、
「私は今、何を期待している?」
と自分に問いかけるようになりました。
優しさが戻ってきた
期待を少し手放すと、心が軽くなりました。
相手が変わったわけではありません。
でも、怒りに飲み込まれなくなった。
冷たさは、性格ではなかった。
余裕のなさと、届かなかった期待がつくっていたもの。
そう気づいたとき、
自分を責める時間が減りました。
そして結果的に、
家族への言葉もやわらいでいきました。
大切な人にきつくなってしまうとき、
その奥にあるのは何でしょうか。
怒りの裏には、
届かなかった期待が隠れているかもしれません。
責めるより、整える。
まずは自分の心から。
そこから、静かな優しさは戻ってきます。
※読んでくださった方へ
最期まで読んでいただき、ありがとうございます。
この文章の背景には、「生きることそのものが苦しかった時期」の経験があります。
食べることが負担になり、減らすことでしか自分を保てなかった日々。
その原点を書いたのが、1作目:『減らして生きる ― 食べることが苦しかった私の記録 ―』です。
そして今回、その時間の延長線上にある記録として2作目を出版しました。
2作目:『少食に慣れるという選択: ― 慣れていくことで、なりたい自分に近づく―』
いずれも答えを示すための本ではありません。ただ、同じように苦しさの中にいる方が、
「ひとりじゃない」
と感じられる一冊であればと思っています。
必要なところから、必要な順番で読んでいただけたら嬉しいです。
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