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私が出会った愛すべき男たち 八|「僕はお父さんに似てるから仕方ないんだよ。」と言い放った男


クラブで声をかけられた。

アメリカ人とのハーフだった。

坊主だった。

「ハーフっぽい顔じゃないのがコンプレックスなんだ。」

坊主にすると外国人っぽく見えるらしい。

私はそうかなと思いながら、
「そうなんだ。」

と頷いた。

二度目に会ったのもクラブだった。

トイレの前でキスをした。

あれは、その先を期待されても仕方のないキスだった。

いや、
私の方から、その空気を作った。

彼の家は池袋だった。

私の家からは少し遠い。

それでも何度も通った。

彼は、とにかく性欲が強かった。

会うたびに求められた。

正直、
うんざりする日も少なくなかった。

ある日、彼は言った。

「僕のお父さん、アメリカ人なんだけどさ。」

「毎日じゃないと無理な人だったらしい。」

「それが原因で、お母さんとは離婚したんだ。」

少し笑って続ける。

「だから僕も、
お父さんに似て強めなんだよね。」

その言葉は、
言い訳というより、
宣言だった。

というか、何を言ってる、強め以上だ。

自分はそういう人間だから、
仕方がない。

そんなふうに聞こえた。

体は求める。

でも私が残業の日は、
一人でクラブへ遊びに行く。

「君が仕事で忙しいことと、
僕は関係ないから。」

悪びれる様子もなかった。

それが文化なのか。

彼だけだったのか。

今でも分からない。

でも、
私には受け入れられなかった。


結局、
私も彼の母親と同じ選択をした。





▶︎この話のあとがき
創作ノート 八|「僕はお父さんに似てるから仕方ないんだよ。」と言い放った男を書いたあとに、この話で初めて”母”という言葉を使った理由

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