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「地面師と何が違う? 正圓寺事件をわかりやすく読み解く」きょうの不動産、3分で読める話vol.273

きょうの不動産:「名義だけ移した」は通用しない―1000年寺院の土地を巡る“虚偽登記”事件から考える不動産実務の危険性

不動産業界に長くいると、「一時的に名義を移すだけです」「差押えを避けるためだけです」「後で戻しますから」という話を耳にすることがあります。特に資金繰りが厳しい案件や、権利関係が複雑な案件では、こうした“仮の名義移転”のような話が水面下で持ち上がることがあります。

しかし今回、大阪で起きた「正圓寺」の土地を巡る事件は、そうした行為がどれほど危険であるかを改めて浮き彫りにしました。

1000年以上の歴史がある寺院の土地について、実体のない売買を装って所有権移転登記を行い、その後第三者へ転売したとして、不動産会社の元社長に大阪地裁が懲役3年の実刑判決を言い渡したのです。

この事件は単なる詐欺事件ではありません。不動産登記制度の仕組み、所有権移転の危険性、そして「名義だけ」という発想の恐ろしさが詰まった事案でもあります。今回はこのニュースをもとに、実際にどのような不動産手続きが行われたのか、そして不動産実務上どこに注目すべきなのかを整理してみたいと思います


ニュースの参照、紹介

今回問題となったのは、大阪市阿倍野区にある1000年以上の歴史を持つ「正圓寺」が所有していた西成区内の土地です。

報道によると、不動産会社の元社長である西村浩被告は、当時資金繰りに困っていた住職らと共謀し、自身が経営する会社が寺の土地を購入したように装い、虚偽の所有権移転登記を実施。その後、別の不動産会社へ約1億1000万円で転売し、横領した罪などに問われていました。

被告側は裁判で「実際に売買は成立していた」と無罪を主張していましたが、大阪地裁は「寺と会社の口座間に送金履歴がない」「売買代金の実体がない」と判断。登記自体が虚偽の申請によるものだったと認定しました。

さらに裁判所は、「不動産取引に長けた被告が立案した手口」と指摘し、計画性の高い犯行だったと評価しています。

一方で判決では、「寺側にも一定の落ち度がある」とも言及されており、単純に“完全な被害者”と“完全な加害者”という構図ではなく、寺側も名義移転に一定程度関与していた可能性が示唆されました。

この点が、今回の事件を非常に特徴的なものにしています。

この事案の具体的な不動産手続きの流れを解説

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