【ゲーム】HELL is USはもっと売れてもいいし荒れてもいい。
「HELL is US」をプレイしています。
戦争で荒れ果てた街で聞き込みをしながら、突然現れる正体不明のバケモノを切り捨て、家族の足取りを追うゲーム。
現実の被災地を思わせる町に、ダークファンタジーみたいなモンスターもぶちこんで、抑えた色味で描いた滅びの街は寂しくも美しく、動作は軽快。
ゲームに高級感がある。
手間をかけて作ったことがうかがえる。
動画だといわゆる「ソウルライク」に見える。
三人称視点で、スタミナを気にしながら、ガードをタイミングが重要な戦闘がある。しかし、敷居の高さは戦闘難易度由来ではない。
売り文句は「地図とマーカーがない」。
その一文だけで、ゲーム好きは警戒するはずだ。
次の目的地が表示されない。地図がない。
今どき、あえてその仕様にしたということは、
「話を理解して、地理感覚を身につけて、本気で向き合ってほしい」ということだ。「身勝手なユーザーにどれだけご奉仕できるか競争」を絶賛開催中のゲーム界。よほど自信がないと、この仕様にはできない。
といっても、ひと昔まえのRPGは、話を雑に読みとばしたは、次どこに行けばいいか分からなくなって詰むのは当たり前だった。
主人公は家族の消息を求め、荒れ果てた土地を歩く。
崩壊した家屋を探索して、生き残りがいたら
「あなたは誰で、ここで何があった?」
「私の家族に見覚えは?」と質問する。
次に繋がりそうな物事はなるべく自分でメモをとる。
重要そうな場所に人がいて、ほかのゲームなら強い武器をくれそうなところで、手に入るのが生存者の目撃情報。激しいバトルがあるのに推理ゲームみたいで新鮮な感触。

製作者は、もっと大きい反響を期待していたはずだ。
売上はもちろん、こんなゲームやってられっかと「否」も浴びるかもしれない、それも受け止めてやろうという挑戦的な精神であったはずだ。
だがしかし、HELL is USがアリかナシか論争が起きることはなかった。論争が起こるほど売れてない。
無数のアクションRPGの中で埋もれて、こんなタイトルが一年も前に出ていたのを自分も知らなかった。
たぶん作った人はSEKIROぐらいの問題作を、剛速球を世に投げ込んだはずなのに、その球は誰にも当たらずに、草むらや廃屋のゴミの中で誰かに発見されるのを待っている。
いいなと思ったら応援しよう!
読んでくれてありがとうございます。
これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。