【アート巡り記・番外編】六本木アートナイト2025 その2
9月28日日曜日、この日は午前中から国立新美術館で行われている「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現1989-2010」を観るために六本木へ行った。展覧会の概要として、下記のように書かれていた。
昭和が終わり、平成の始まった1989年から2010年までに、日本でどのような美術が生まれ、日本からどのような表現が発信されたのか。本展は、国内外の50を超えるアーティストの実践を検証します。この20年間は、冷戦体制が終わり、人、ものが行き来するグローバル化の始まりによって、国際的な対話が大いに促進された時期です。アジア地域におけるパートナー美術館、香港のM+との協働キュレーションにより、変化に富んだ時代を見つめなおします。

1989年は私が社会人になった年で、この展覧会が概観しようとしている時代の中で生きてきた。ただ、私が現代アートに興味を持つようになったのはここ5年くらいのことで、そこまでの美術動向についてはほぼ知らず、この間に活動してきた作家が名を成した現在を知るのみである。興味を持つようになったとはいえ評価の定まっていない現代アートは理解し難いことが多く、この展覧会のようにある特定の時代に生まれた美術表現の背景などを振り返って見せてもらえるのはありがたいと思った。

日本が昭和から平成へと年号を変えた1989年は、ソ連の崩壊、冷戦の終結、ベルリンの壁の崩壊など、世界の枠組みも大きく変わった年だった。その後のテクノロジーの進化は著しく、パソコンや携帯電話の普及などもはや生活に欠かせないものが当時はまだなかったことを思えば、この時代に美術表現が新しく生まれてくるのも必然だったのだろう。動画ヴィデオ作品の展示が多かったが、アナログからデジタルへ、撮影や編集作業そして画質がどんどん変わっていっているからこそ、制作時のテクノロジー込みで作品だというところが面白い。しかしまあ人間の表現というのは果てしないと思った。アイデアと素材やメディアとのかけ合わせで生まれてくるものだから、新しいことはAIには生み出せないのではないか。

展示を観るときに作品の所蔵元を気にして見るのだが、今回は作家蔵という記載が多かった。現代アートはまだ美術館などに収蔵されていないものが多く、作家の手元にあるものなのか? 考えてみれば美術館がコレクションするようなところまで評価が定まっていないものもあるのだろう。作家自身が展覧会に貸し出しているというのは、ちょっと興味深かった。
展示作品がかなり多く、特にヴィデオ作品は鑑賞に時間がかかるため、全部を見ることはできなかった。私の知識が追いついていないのもあるが、ちょっと消化不良な感じではある。最後に1989-2010の年表があり、私が生きてきた時代が歴史になろうとしていると思うとちょっと感慨深いものがあった。読みものとして絶対に面白いに違いないと思い、図録を買ってしまった。
国立新美術館を出て、日中ではあるが六本木アートナイトをもう少し満喫することにした。ミッドタウン方面にもいってみたかったが、どうしてもヒルズカフェのMOLTON BROWNコラボフードがあきらめられず、六本木ヒルズに向かうことにする。昔はよく六本木で迷子になったが、今はヒルズタワーがランドマークになっているので、見えている方向へ歩けばたどり着ける。ヒルズカフェ、まだ日中だったのでMOLTON BROWNコラボフード「ハニーマスタードチキンと洋梨・巨峰のケールサラダ ベルガモットドレッシングで」と「ウード・アコードティー」を無事に注文できた。ティーはちょっとスパイスが効いた独特の味だったが、洒落た感じで美味しい。サラダもサラダと言いつつボリュームがあり、ドレッシングにまたスパイスが効いていて、ケールがモソモソしてちょっと食べづらかったものの、大満足。フードを2点注文したので、MOLTON BROWNのサンプルセットも2セットいただけた。壁面に展示されていた和紙職人・川原隆邦の作品のメイキング映像もじっくり観ることができた。目の前のテーブルにいた家族連れのお父さんらしき人をどこかで見たような?と思っていたら、そこに映っていた作家ご本人だった。映像の中でカッコよく腕組みをしたいかにもな職人が、あまりにも普通にそこにいてビックリ。家族団欒のようだったのでさすがに声はかけられなかったが、改めて作品をじっくり眺めてきた。


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ウード・アコードティー



六本木ヒルズ周辺も一周してみたら、金曜日の夜には気づかなかった作品もあった。サントリー響のブースは午後4時からオープンとのことで、さすがに日中からウイスキーは飲めないらしい。夜にならないうちにまた六本木通りに出て帰途についたが、やはり明るいうちは鳥のオブジェもお休み中だった。時間帯によってはパフォーマンスなどもあるのだが、残念ながら時間が合わずに見られなかった。


六本木で行われるアートのお祭り、とても全部は回りきれないが、昨年よりは楽しみかたがわかったような気がする。街なかプログラムなど通りにある作品はそれこそNowな現代アートだ。良いも悪いもわからないけれど、「いま・ここで」見たものが、いつか歴史に残ることもあるのだろうか。
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参考:
六本木アートナイト公式ホームページ https://roppongiartnight.com/2025/
国立新美術館ホームページ https://www.nact.jp/exhibition_special/2025/JCAW/
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