お金の防災、気づきを数字にしてみた
今月から収入が止まったら、貯金だけで何ヶ月暮らせますか」
そう聞かれて、即答できる人はどれくらいいるだろう。家計簿をつけている人でも、「今月いくら使ったか」は把握していても、「もしものときにどれだけ耐えられるか」まで考えている人は、意外と少ないという話をよく聞く。わたしもそのひとりだった。
「なんとかなっている」の中身を知らなかった
給料日前に財布が少し心もとなくなることはあっても、生活が回らなくなったことは一度もなかった。だから「うちは大丈夫」と、なんとなく思っていた。
でもあるとき、こんな場面をふと想像してしまった。
大きな災害や体調不良で、しばらく働けなくなったら
キャッシュレス決済やATMが、しばらく使えなくなったら
通帳や保険証券、大事な契約情報のありかを、家族に聞かれたら
正直、どれも即答できなかった。「なんとかなっている」は、実は「一度も試されたことがないだけ」だったのかもしれない。そう気づいたとき、はじめて背筋が伸びた気がした。
変わったのは、金額より先に「見る場所」
この気づきをきっかけに、家計簿アプリの見方を変えた。「今月いくら使ったか」だけでなく、「この貯金で、もし収入が止まったら何ヶ月もつか」という見方を、ひとつ追加した。
そうやって考え始めてわかったのは、「いくら備えればいいか」には、実はちゃんとした考え方の筋道がある、ということだった。当てずっぽうで不安になる必要はなく、自分の生活費を基準に、順を追って計算していけば、目安の数字は誰でも出せる。
この記事では、その計算の視点――生活防衛資金の目安をどう考えるか、手元に置いておく現金はどれくらいが目安か、そしてその現金をどう保管・分散しておくと安心か――を、一般的な考え方の枠組みとして整理していく。
投資や資産運用の話ではなく、あくまで「現金・預貯金でどれだけの備えを持っておくか」という土台の部分の話です。読み終えたころには、漠然とした不安を、自分の数字で確かめるための手順として持ち帰ってもらえるはずだ。
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