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【第4話 問題意識】サファイアを追いかけろ~とある会社の採用ストーリー~

コードネームは「サファイアを追いかけろ」に決まった。

だが、ほっと胸をなでおろす間もなく、そのまま作戦会議へと突入する。当然だ。ここまでは僕がひとしきり愚痴をこぼし、それを諭され、作戦名が決まっただけなのだから。本番はここからだ。

山路さんが、探るような視線を僕に向けた。
「これまでは教育担当というお立場でしたね。その中で、いろいろと課題を感じていらっしゃった。スキルや価値観のミスマッチ、入社後のギャップ、そして早期離職……といったところでしょうか」

「はい」
僕は深く頷き、胸の奥につかえていたものを吐き出すように言葉を続けた。

「正直、『なぜこの人を採用したんだろう』と首を傾げたくなることもありました。経験やスキルが明らかに不足している人、あるいは、その価値観やキャリア観ではうちの社風には合わないんじゃないか、と感じる人など様々です。

案の定、彼らは僕のところに悩みを相談しにきて、結局は半年も経たないうちに会社を去っていきました。

今期の早期離職は6名。全体の採用人数が20名にも満たないことを考えると、異常なほど高い確率です」

「なるほど、30%を超える計算ですね」
山路さんは手元の資料に目を落しながら、静かに問いを重ねる。
「ちなみに、ほかにも気にかかっていたことはありますか?」

「……『聞いていた話と違う』と、退職していったメンバーから相談されたとき、実は当時の求人票をすべて見返してみたんです。そのとき、書かれている内容に強い違和感を覚えました」

「違和感、ですか?」
山路さんがすかさず口を挟む。

「ええ。業務内容自体は事細かに書かれていました。でも、読んでもちっともワクワクしないんです。なかには、会社の魅力が不自然に盛られていたり、結局どんな人に来てほしいのかターゲットが曖昧だったり。そんな求人票ばかりでした。

……あ、それから面接です。採用担当の代わりに何度か同席したことがあるのですが、横で聞いていて不安になりました。『そんなこと言って大丈夫?』、『なぜ今、その質問をしたんだろう』、『もっと深掘りすればいいのに』と思うことばかりで。『面接力』そのものにも、大きな疑問を持っています」

一気にまくしたてた僕の言葉を受け止め、山路さんが小さく息をついて口を開いた。

「なるほど。解決すべき問題は、多いと。ただ、見事だなと思うのは、朝霧さんが肌で感じているその問題意識が、実はすべて『数字』の裏付けと一致している点ですね。」

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