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重野なおき『石田三成の妻は大変』第2巻 いざ初陣 時間的にも空間的にも引き離された二人!? 

 『信長の忍び』第23巻と同時に重野なおきの歴史四コマ『石田三成の妻は大変』第2巻が発売されました。夫婦としてまだ十分に馴染まない中、三成は三木城攻めに加わるために播磨国に向かいます。突然物理的に引き離された二人の運命は……

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 羽柴秀吉に引き合わされて結婚することとなった石田三成とうた。密かに憧れていた三成との結婚に胸をときめかせるうたですが、実際の三成は仕事第一――秀吉と算盤が大事という人間でした。
 堅物で万事効率重視の三成に戸惑ううたですが、三成の(唯一の)友人・大谷吉継と小石夫妻や秀吉の妻・ねねらに支えられ、なんとか新婚生活をスタートすることに……

前巻の紹介記事はこちら。

 という第1巻を読み直してみると、思っていた以上に二人の関係が進展していない(というか三成のうたへの対応が堅すぎるのに)驚くのですが、この巻ではさらに大きな試練が二人を待ち構えています。

 ついに初陣することになった三成――それ自体がうたにとっては大きな心配ですが、その初陣の舞台というのが遠く離れた播磨国の三木城攻めなのです。
 それどころかここで秀吉が選んだ手段というのが兵糧攻め。兵と兵のぶつかり合いによる生命の危険は少ないものの、それだけ長期戦となります。

 つまりは、遠距離かつ長時間――新婚生活まだ半年程度のうたにとって、突然の大試練というほかありません。
(それは単に三成と引き離されるだけでなく、その間の領地の経営という重責が彼女にのしかかるということでもあります)
 秀吉のように、ねねと離れて性的な意味で羽伸ばし放題というのは極端にしても、このまま三成との距離が精神的にも離れてしまうのでは……

 こうして、思いもよらぬドラマがこの巻では展開することになります。

 もちろん、戦国時代の後期、信長が天下布武に駒を進めて戦場が遠距離化していった時期には、こうした事態は十分あり得る、というよりありふれていたと言ってもいいかもしれません。
 しかしそれがいささか特殊な状況にある石田夫妻の身の上に起きることで、独特のユーモアが生まれていることは間違いありません。

 しかし読者にはユーモラスですが、本人たちには重要な問題。はたして時間的にも空間的にも引き離されて、二人の関係はどう変化するのか?
 ――めちゃくちゃ生じました。しかも三成の側に、より大きな変化が。

 この辺り、ちょっと予想していなかった感じの艶っぽさがあってドキドキしてしまうのですが、なにはともあれ結果オーライです。
 そしてこれまでフィクションの世界ではあまり好意的に描かれてこなかった三成が、このような形で人間らしく描かれることにも、ちょっとホッとしてしまうのです。

 かくして、実に二年に渡った三木城攻めも終わり――というよりこの巻はほとんどそれだけで終始するという大胆な構成に驚かされたのですが――ということはこの巻で天正10年(1582年)まで時間が進んだことになります。ラストには意味ありげに坂本城が描かれるのですが、さて、次の巻ではその城主が引き起こしたあの事件が取り上げられるのでしょうか。
 本作が三成とうたの視点からそれをどのように描くのか、今から楽しみです。


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前巻の紹介記事はこちら。


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