「コミック乱ツインズ」2026年1月号(後編)
発売日は今年最後、号数は来年初めの「コミック乱ツインズ」2026年1月号の紹介の後編です。
『寿司銀捕物帖』(オズノらいおん&風野真知雄)
今回から、第3章「海苔で人が殺せるか」がスタートします。
自分も世話になってきた海苔問屋・川本川(……)の旦那・清右衛門が餅を喉に詰まらせて亡くなったと聞き、店に弔問にかけつけた銀蔵。そこで入り婿の全二郎と顔を合わせた銀蔵ですが、全二郎は銀蔵が十手持ちと知り、凄まじい表情を向けます。
実は二ヶ月前、夜道で何者かに斬られかけていた清右衛門を助けていた銀蔵。その時銀蔵は、全二郎を跡取りから外そうと思っていると語っていたのです。
その時のことが糸を引いているのではないかと考えた銀蔵は、清右衛門の死の様子を調べるのですが……
と、第1回であるためか、状況説明でほとんど終わった今回。まだまだ何が手がかりもわからない状況ですが、寿司屋ならではのネタを持ってくるのには感心させられます。
それはもちろん原作由来だとは思いますが、今回の終盤、久々に銀蔵が巻物を巻く姿は実に格好よく、こちらは漫画ならではの魅力であることは間違いありません。
『エドゼニ』(青木雄二プロダクション コヤマサトシ&秋月戸市)
まだまだ貧乏同心・西川の転落劇は続きます。貧困に苦しむあまり、ついに信助の働く金貸しで金を借りるまでになった西川ですが、それでも自転車操業の彼は、自分の切米手形の金額を書き換えるという禁断の手段に出るます。
これがうまく行ったことから味をしめた西川は、さらなる偽造に手を出したものの、浅草御蔵に忍び込もうとしたところにぶつかったのは、上司の(そして彼の貧乏の原因である)田所でした。
実は田所は蔵米を横流しするというとんでもない悪事に手を染めていたのですが、西川はそれには気付かず、自分の悪事がバレたと焦るばかり。ついには自らの所業を白状してしまい、田所のさらなる悪だくみに利用されることに……
と、御蔵で田所に出くわしたことで逆転の目が出たかと思いきや、逆に利用される羽目になるという、とことんツイていない西川。もはや鬼役に成敗されるレベルの悪党な田所と、今回のラストでついに顔を突き合わせた信助ですが、はたして相手の企みを見破ることができるでしょうか。
さて、ここで気になるのは、彼の身元引受人であり、田所・西川の同僚である新井の言葉です。
「銭に振り回されるのは貸すほうも借りたほうも同じ 貸した者の立場がいつも上だとは思わぬことだ」
なるほど、金融ものらしい言葉ではありますが、それを聞いた信助が、借りた側がいくら武士であっても金を持っている商人の方が上、と思うのももっともな話です。しかしこの先、この言葉が意味を持ってくるのでしょう。時代ものならではの展開に期待します。
『ビジャの女王』(森秀樹)
馬ウイルスとインド墨者の増援により、ビジャ側が大きく有利になってきた戦況。あまりに有利なので逆に心配になってきたほどですが、しかしやはり防衛戦となれば、墨者のアドバンテージが異常に高いのは紀元前の昔から変わりません。
前には決死の総力戦で守りを固めるビジャの人々、後ろにはガンガン爆弾を放り込んでくる墨者という状況で、さしものラジンも、ついに全滅を避けるために逃亡を始めるのでした。
この光景をものすごい顔で見たブブは、オッド姫に見送られながら単身後を追うのですが――大打撃を受けたとはいえ、ラジンにはまだ二千騎もの兵が従います。さしものブブでも無謀すぎるのでは、と思いきや、天が彼の復讐を嘉するかのように……
こうして見るともう最終回目前という印象ですが、そうそう簡単に行くとは思えません。何よりもラジンにはあの奥の手があるのですから――なんだか自滅しそうな気もひしひしとしますが。
そして今回登場したインド墨家の隊長、名前がなんというか……
次号は表紙&巻頭カラーが『鬼役』、『古怪蒐むる人』『猫じゃ!!』が掲載予定です。
