見出し画像

分子顆粒(タンパク質+マイクロザイマス)≧ヌクレイン(核酸物質)=再生芽=リボ核タンパク質複合体≧リボソーム

遺伝学の話は小難しいアルファベット略記号が多くて見るのも嫌になってくるのだが、(多少なり健康に関心を寄せる)庶民が知りたいのはどちらかというと遺伝子レベルの話より細胞レベルの話ではないかと思う(違うという方もいるだろうが)。昔の文献をSNS上で紹介しても「電子顕微鏡の存在しない時代の文献など見るに値しない」と一笑に付されてしまうのだが、寧ろ光学顕微鏡の時代の研究を正確に理解することの方が重要ではないだろうか?見えないミクロの世界はマクロの正確な理解ができて初めて意味をなす。ミクロは常にマクロの裏付けでなければならないが、これが逆転するとシャーレ上での出来事を拡大解釈して現実を歪めてしまう。概してインテリ層が頓珍漢な提言をしてファシズムに至る理由である。

そこでDNAの歴史を調べていた。DNAが遺伝物質と特定されたのは1944年だが、存在として発見されたのは1869年である。言い換えれば75年に渡る物質としての研究期間があるが、この時代の研究者にDNAはどのように見えていたのか?DNAの存在様式と体内動態を、それが遺伝物質という先入観のない時代に記述した文献は、大局を思い出させてくれる点でそれはそれで価値がある。

現代でデオキシリボ核酸 DNAと呼ばれる"物質"(※私はここから疑っている)の存在が発見されたのは1869年(論文発表は2年後の1871年)、ドイツのチュービンゲン大学で白血球の研究をしていたフリードリッヒ・ミーシャー(1844-1895)だ。当時の大学病院から大量に入手できた膿(=白血球の死骸)の付着した包帯を収集し、当時の科学が注目していた細胞核機能に貢献する物質を解明すべく化学分析に取り組んだ。結果、通常の硫黄成分に富むタンパク質以外に燐に富む成分を発見し、ヌクレインと命名して発表した。

Johannes Friedrich Miescher
スイス出身の生理学者・生化学者
画像:DNA物語(1)ミーシャ―によるヌクラインの発見. かずさDNA研究所.
※余談だが、生物学実験で初めて遠心分離器を使用したのもミーシャーとされる。

"物質"と強調したのは、私は現代が「遺伝物質」と呼ぶDNAやRNA等の諸々の存在が、アントワーヌ・ベシャンがマイクロザイマスと呼んだ"微小生命体"だと疑っている為である。

ベースとする文献はコチラ、Pubmed検索で見つかる最古のDNAの文献である。

Bergstretser, D. E. (1895). Nuclein. Am. J. Dent. Sci., 29(4), 164.

※以下、私による注釈はこの引用形式とする。


肉体の栄養を司り、常に活性状態にある無数の敵の侵入から肉体を守り、動物経済の消耗部分を回復させるために常に忙しく稼働する生理学的プロセスは、現在、最も緻密な分析を受けている。栄養、病気の予防と治療は、現在では生命エネルギーの明確な現れとしてではなく、ひとつの究極的な力の現象であると考えられている。

細胞が生命活動の最小単位であることは古くから知られているが、筋肉、神経、骨の組織が、如何なる方法で筋肉、神経、骨の細胞から進化したのかは、生理学者にとって難問であった。細胞核と核小体の周囲には、再生芽 blastemaと呼ばれる顆粒物質が存在し、この物質は親細胞から分離した後でも同化作用を活性化させる特定の分子力を与えられる。この再生芽は、細胞核と核小体が自身の組織を生産し修復するために使用する物質である。すべての細胞は、この顆粒物質、即ち再生芽を様々な量で保有しており、血液の血清中に分離または孤立して存在することが発見されている。後年の研究者たちは、この顆粒物質が動物界の細胞構造全体に広く存在し、血液の血清中にも分離して存在しているという事実を確立したようである。この顆粒物質は、多核白血球によって主に生成されている。これらの細胞が血管や組織を循環する際に分泌または製造しているこの顆粒物質を個々の組織細胞が絶えず摂取し、核と核小体の選択的活性により、それぞれの組織特有の細胞へと分化する。大まかに言えば、多核白血球は大都市の多数のミルクワゴンに例えることができる。そのミルクワゴンは、何千もの貯蔵庫構成要素に最も栄養価の高い液体を分配している。

この顆粒物質は、多核白血球によって大量に産生されるため、最近になって「ヌケリン nucelin」という名称が付けられたが、この同じ用語は、すべての動物細胞構造の化学的基盤に長い間適用されてきた。 後に「ヌクレイン nuclein」という言葉が使われるようになったのは、そう呼ばれるようになった物質の由来を示すためであると同時に、身体の様々な組織細胞に対して、その構造と存在が依存する栄養を供給するという関係を示すためでもある。 栄養現象は集合過程と分離過程から成る。まず、消化産物が循環系に入ると、白血球がそれを捕捉し、活発な透析作用によってヌクレインと呼ばれる顆粒物質に変える(※)。故に一次同化は細胞化によって達成されるのであり、吸収 absorption浸透 osmosisなどと記される粗雑な方法ではない。次に、個々の組織細胞は、血液中の至る所にあるヌクレインから、自身の固有組織の生産に適した部分だけを取り込む。これが二次同化、或いは実際的には分離である。

「消化産物」→「抗原」
「白血球」→「抗原提示細胞」
「活発な透析作用」→「MHC(主要適合遺伝子複合体)による抗原ペプチドへの分解」
「顆粒物質」→「抗原ペプチド」
と読み換えれば、これは免疫反応が開始する前段階と考えられる。白血球の通常の役割が上記の通り栄養同化・異化であることを加味すると、免疫反応の本質とは栄養現象の派生型と解釈できる

「一次同化は吸収や浸透ではない」の一文は、栄養成分が直接身体の一部になるのではなく、まず白血球の一部となり(=細胞化)、その後の「二次同化」とは、白血球が排泄した顆粒物質(=ヌクレイン=抗原ペプチド)を全身の細胞が「必要な成分だけを受け取る」(=この点で抗原ペプチドの「分離」)作業だと解釈できる。

こうして俯瞰すると、消化管に侵入した食物を最初に取り込む細胞は白血球であることから、腸管にリンパ球の80%が集中する理由が理解できる。

ヌクレインの化学式は$${C_{27}H_{49}N_9P_3O}$$と表される。アルカリ溶液に自由に溶解し、水に僅かに溶解して無色となる。ヌクレインは複蛋白質 proteids(Conjugated proteins)に属し、非常に多くのリンを含み、ヌクレイン酸 nucleinic acidの形で存在する。異なる種類の細胞に由来する様々なヌクレインによるヌクレイン酸は常に同一であるが、これらの異なるヌクレインの中では、様々な塩基性物質と結合している。これらの様々な塩基性物質が分解されると、キサンチン体 xanthin bodies、即ちキサンチン xanthinアデニン adeninグアニン guaninサルキン sarkin(※ヒポキサンチン Hypoxanthine)が生成される。ヌクレイン酸が塩基と結合し、それが分解されてアデニンを生成する場合、アデニン-ヌクレイン酸と呼ぶことができ、同じようにグアニン-ヌクレイン酸、或いはサルキン-ヌクレイン酸と呼ぶことができる。ヌクレインは、他の複蛋白質が屈するペプシン性の消化過程に対する強い抵抗性により分離される。ヌクレインの性質と起源に関する一般的な見解に続き、自然界がバクテリアという破壊的な生物の侵入から自身を防衛する為の方法に着目しよう。

この辺の結合する塩基性物質の話は現代と異なり、実際に誤りである。

生理学者達が血液中の殺菌成分を求めて実施した研究について、Vaughan教授が歴史的に概説した内容の要約と、教授の重要な推論は、本稿で提示する考想に影響する範囲で関心を惹くものとなるだろう。LouisとD.Cunninghamが1872年に実施した一連の実験では、循環血液に注射されたバクテリアが急速に消滅する様子が発見された。血管外の血液による殺菌作用の最も初期の発見は1884年にGrohsmannによってなされた。血液凝固の原因を研究する過程で、血漿に保存した後の炭疽菌を家兎の循環系に注射すると病原性が弱まることを発見した。1877年、Fodorが、循環血液が炭疽菌培養に殺菌作用を示すことを証明し、一方で同じ血液が暫くすると殺菌作用を喪失し、炭疽菌の数が再び増加することを実証した。1888年、Nuttallは、Bacillus anthracis(炭疽菌)、Bacillus subtillis(枯草菌)、Bacillus megaterium(巨大菌)Staphylococcus pyogenes var. aureus(黄色ブドウ球菌)[※]に対する諸々の動物の血液の殺菌作用に関してFodorと同じ結果を得て正しいことを発見した。

※Staphylococcus aureusの旧名。Staphylo(ブドウの房状の)+coccus(球菌)+aureus(黄金の)=黄色ブドウ球菌という学名だが、aureusは特定のVar(=Variant(株))の名前であり、正式な学名はS. pyogenes(化膿性)=化膿性ブドウ球菌

彼はこれらの実験に脱繊維素血液を使用した。Nissenは、Fluggeの指導を受けて、Nuttallと同様に、自身の実験から以下の結論を下した。

1.コレラ菌とEberth桿菌は新鮮な血液で容易に破壊される。
2.一定量の血液には、破壊できる桿菌の最大量がある。
3.血液は、ペプシン注射で凝固能が破壊されて尚、殺菌性がある。
4.馬の血漿の濾過物には殺菌性がある。

Buchnerは1890年、Voit、Sittman、Othenbergerらの協力を得て、次のような実証を行った。

1.血液の殺菌作用は食作用に因るものではない。血液を交互に凍結・解凍し、家兎の白血球が破壊されても影響がない為である。
2.無細胞血清の殺菌特性は、その可溶性成分によるものでなければならない。
3.血清の中和もペプシン添加も、炭酸ガス除去も酸素処理も、血液の殺菌特性に影響しない。
4.無機塩には、それ自体に殺菌作用はない。血清中のアルブミン塩 albuminatesの正常な性質に影響を及ぼす限りにおいてのみ、活性を示す。血清の殺菌作用はアルブミノース albuminose成分[※]にある。

※アルブミノース:アポリネール・ブシャルダ(Apollinaire Bouchardat(1809–1886)が1842年に提唱した仮説上の物質。当時の科学界は、自然界の全てのタンパク質(カゼイン、フィブリン、グルテン…etc)は本質的に同一物質だとする実質的統一体構想が支配的であり、この構想では、各々のタンパク質に共通する部分に様々な塩基やミネラル成分、脂肪分が結合することで多様化するものとされた。この全てのタンパク質に共通して存在する本質的成分のことをブシャルダはアルブミノースと呼ぶことを提案した。ベシャン曰く、この概念は、ブシャルダが実験に使用した塩酸濃度を誤った為に生まれた誤解の産物である。
無機塩には~の記述から、無機金属イオンで活性化するタンパク分解酵素(プロテアーゼ)を指していると思われる。

Buchnerのこの最終結論から、Victor Vaughan教授は明らかに異なる見解を示している。Vaughan教授が指摘する通り、血清-アルブミンが、血液-血清が徹底したペプシンの消化作用を受けた後、どのようにして血液-血清中に残留しうるのであろうか?血液中の殺菌成分の探索はHalliburtonによっても続けられ、彼はこれをリンパ腺から得た細胞グロブリン cell globulinと呼んだ。Christmasは脾臓やその他の臓器に殺菌性の物質を発見し、グリセリン抽出物の形で調製した。

Bitter、Christmas、 Emmerich、Tsuboi、Steinmetz、Lowなどの研究者は、血液血清の複蛋白質に殺菌作用がある可能性があるとして注目したが、彼らは皆、血清アルブミンが血液の殺菌性物質だと結論づけた。ミシガン大学のVictor Vaughan教授が、最終的に血液の殺菌成分を最初に証明したのは、アメリカの生理学者の功績である。教授は、血清中のアルブミノース成分のペプシンによる完全な消化過程からなる多くの実験で以下のことを示した。

1.血清アルブミンは血液の殺菌成分ではない。
2.殺菌性物質は複蛋白質に属する物質でなければならない。そうでなければ、55℃で血清が不活化する事実を説明するのは困難である。
3.血清中に存在し、ペプシンの消化作用で破壊されない唯一の複蛋白質はヌクレインである。

Vaughan教授が最初に行った血液血清からヌクレインを得る方法についての詳細な説明は、現時点では直接にはできないだろう。教授が家兎と犬の血液血清を使用した点だけを述べておけばよい。全過程は当然ながら完璧な防腐処理 anti-sepsisで行われ、その一般的な詳細としては、ペプシンの消化作用の影響を受けるであろう血液血清の複蛋白質を徹底的に消化分解し、ヌクレインを分離することである。

次の一連の実験は、上で引用したVaughan教授の結論を実証するものである[1]。

実験I:ヌクレインチューブ(?)にAsiatic Cholera アジアコレラの桿菌を接種し、これを用いてプレートを作製したところ、次のような結果が得られた。

時   間:直後 5分 15分 30分 1時間 2時間 22時間
コロニー数:2100 43 54 71 90 115 1200
このヌクレインを溶かしたアルカリが菌数の減少を引き起こなかったことは、その後の増加によって示されている。

実験II:黄色ブドウ球菌
時   間:直後 1時間 4時間 7時間 24時間
コロニー数:4000 1720 1050 810 0

実験III:芽胞のない炭疽菌
時   間:直後 1時間 4時間 7時間 24時間
コロニー数:100 43 10 1 0

実験IV:コレラ菌
時   間:直後 1時間 4時間 7時間 24時間
コロニー数:470 45 1 0 410
コレラ菌の最終的な増加は、家兎の血清から調製したヌクレイン溶液と犬の血清から調製したヌクレイン溶液の両方で起こった。

実験V:黄色ブドウ球菌
時   間:直後 1時間 5時間 19時間 24時間
コロニー数: 無数 22,000 12,525 155 0

実験VI:胞子を含まない炭疽菌
時   間:直後 1時間 5時間 19時間 24時間
コロニー数:5000 165 0 0 0

実験VII:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus Pyogenes Aureus)
時   間:直後 1時間 4時間 7時間 24時間
コロニー数:5000 2500 1600 1200 0

実験VIII:胞子を含まない炭疽菌
時   間:直後 1時間 4時間 7時間 24時間
コロニー数:43 7 0 0 0

実験IX.:コレラ菌
時   間:直後 1時間 4時間 7時間 24時間
コロニー数:350 105 150 42 0

実験X:黄色ブドウ球菌
時   間:直後 1時間 5時間 19時間 24時間
コロニー数:25,000 5525 65 65 500

実験XI:胞子を含まない炭疽菌
時   間:直後 1時間 5時間 19時間 24時間
コロニー数:430 0 0 0 0

※原文に引用文献の記載はなかったので、自力で発掘した⇩。
[1]Vaughan, V. C., & McClintock, C. T. (1893, December 23). The nature of the germicidal constituent of blood-serum. The Medical News,; p20, https://collections.nlm.nih.gov/catalog/nlm:nlmuid-101317743-bk

上記の例でヌクレインの溶解に使用した溶媒量は、ヌクレインを得た血液-血清と同量であった。溶媒には0.12%のカリウム水和物および0.06%の塩化ナトリウムを含む滅菌水を使用した。後半5つの実験での滅菌水には、1L当たりにカリウム水和物1.2g、塩化ナトリウム6g、重炭酸ソーダおよびリン酸水素二ナトリウムを各1gを含んでいた。

これらの実験は完全に決定的であり、歯科医師が仕事中に見かける病的状態の治療において非常に興味深く重要であるため、この論文に取り上げた。私の知る限り、歯科関連の文献でこの実験に関する記述はない。

組織に感染が起こると、すぐに白血球が毒性病原体が作用する場所に殺到する。侵入された組織のあちこちにヌクレインが注がれ、逆行性変態[※1]が抑制され、修復される。しかし、もしその病原体の生命力が強く、成長が速いものであれば、闘争は最も激しくなり、白血球の敗北に終わるかもしれず、何故なら、現在多核白血球の起源と考えられている甲状腺、胸腺、脾臓、骨の赤色骨髄はある程度までしか反応することができず、それらが疲弊すると、戦場には勝利したバクテリアとそのプトメイン[※2]が残される。

[※1]retrograde metamorphosis:通常の発達とは逆方向に進む変化。成熟状態の特定の細胞や組織が未熟な状態に戻る現象。神経変性疾患などでは、神経細胞が逆行性変態を起こして機能を喪失することがある。
[※2]ptomaines:19世紀当時使用された「タンパク質の腐敗によって生じる有毒物質」を意味する用語

白血球のヌクレインがバクテリア細胞のヌクレインを克服または破壊する方法は、解決が難しい問題である。Vaughanは、これがどのようにして起こるかを示唆している。多核白血球のヌクレインは異性体であり、一方はA化合物、もう一方はB化合物と命名されており、一方は、他方の分子の原子を再配列することで、それを吸収する可能性がある。最も活力のある分子は、より活力の低い分子を再配列して吸収する。このようにして、時に病原体が勝利し、またある時には血液の殺菌細胞が征服する理由を理解することができる。その生命力がドラマにおいて重要な役割を果たしていることは、雛鳥の血管外血液で繁殖する炭疽菌に対して家禽は生まれつき免疫があり、ウサギの血管外血液が、循環系に侵入した場合は急速に動物に破壊的作用をもたらす炭疽菌を破壊する事実に示されている。

多くの動物には、特定の病原体に対する生得的な Natural免疫が備わっている。ニワトリは生まれつき炭疽菌免疫を持つが、多くの場合、ある種の病原体に対する生得免疫は、体の発育が成熟するまで完成しない。若いネズミは炭疽菌に感染しやすいが、成熟したネズミは免疫を持っている。 人間の成人は、小児期の感染症の多くに対してほとんど完璧な免疫を持っている。また、特定の病原体に対する免疫の人種差の例もあり、黒人はマラリアからほとんど免れている。

病原体に対する人工免疫は、病原体のヌクレインを体内に導入することで誘発される。これにより、多核白血球を生成する器官が機能活性の増大を促され、ヌクレインが供給されることで病原体が駆除される。周知の通り、この免疫は消滅しやすい。ワクチン接種は保護効果を失い、猩紅熱、ジフテリア、麻疹の再発は珍しいことではない。

健康状態は、個人の感染症に対する抵抗力を左右する非常に重要な要素である。なぜなら、自然界は保護し栄養を供給する白血球を、感染現場に一度に集結させることができないからである。 ネズミがトレッドミルでの長時間の運動で疲労困憊すると、正常な状態では炭疽菌に対する免疫があるにもかかわらず、炭疽菌の感染に容易に屈する。気候的な治癒は、不健康な環境から解放された結果というよりも、ヌクレインを産生する微生物に刺激を与えた結果である。

しかし彼は、殺菌作用を持つのは細胞そのものではなく、その生成物であるヌクレインであること、そしてヌクレインが最も活性を発揮するのは、おそらく親細胞から分離して循環系に移行した後であることを区別していなかった。ウサギの血液血清は、白血球を破壊する凍結と融解を交互に行なっても殺菌力を発揮する。羊皮紙に包まれた胞子をウサギの皮下に入れると、胞子は破壊された。この結果は、羊皮紙のために食細胞が侵入できない条件下で達成された。この実験から、殺菌剤は血液中の可溶性成分でなければならないことがわかる。Metschnikoffの説には、細菌は食細胞自身の中で成長し増殖するという事実もある。(※)

[※]1930年代ソビエト微生物学者ゲオルグ・ボシャンも同じことを言っている。「抗生物質/免疫血清/バクテリオファージ/食細胞の作用は、微生物を濾過性形態へ変形させる点において本質的に同一である」
Bosh’yan, Gevork Mnatsakanovic. 1950. ON THE NATURE OF VIRUSES AND MICROBES. Monthly periodical. Moscow: CIA.
https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp80-00809a000600340489-2

尿酸とヌクレインの形成には密接な関係があり、歯槽膿漏の病因を研究する歯科医にとって、これは直接的な関心事である。Herbaczewskiは最近、尿酸の起源に関する重要な発見をいくつか加えた。これまで尿酸の形成は、尿素を生成するそれらの物質の酸化不足によるものとされていたが、生理学ではこの想定された関係を証明することは困難であった。Herbaczewskiは、血液のような酸化剤の存在下で、脾臓パルプのヌクレインが尿酸を生成することを示した。脾臓のヌクレインを酸化して得られた尿酸は、ヌクレインの完成された物質ではなく、キサンチン、サルキン、グアニン、アデニンも生成する母体物質の派生物である。この母体物質は、すべてのヌクレインに存在し、酸化剤の存在下で分解されると尿酸が生成される。一方、酸化剤の非存在下でこの母体物質が分解されると、キサンチン、サルキン、グアニン、アデニンが生成される。これは、動物の体内で尿酸が形成されることに関する最も納得のいく説明である。尿酸とキサンチンの形成は、ヌクレインが消費される量の指標であり、これは主に破壊的な変態を遂げる白血球の数を意味する。尿酸の過剰な形成は、白血球の異常な増加、すなわち白血球増加症を意味する。栄養状態が活発であるが正常である場合、例えば乳児の場合、尿酸の割合が大きいことが分かっている。また、栄養状態が低下している場合、例えば断食の段階では、尿酸の量が減少する。栄養プロセスを乱し、暴走させるような疾患では、過剰な尿酸とキサンタンが形成される。Herbaczewskiの実験により、これは白血球の過剰な形成と破壊によって引き起こされることが分かった。白血球は、血液中のヌクレインの大部分を占めていることは間違いない。

もし尿酸素質が歯槽膿漏症の究極の原因であるならば、局所治療のみでそれを治そうとする歯科医は、無駄骨に終わるだろう。治療は今、大きな変革の時を迎えている。ヌクレインが抗毒素であり、組織を構築する物質であることが知られているが、今、大きな問題となっているのは、ヌクレインの機能活性を維持したままそれを入手することである。口腔外科医は、これらの新しい発見や病気の治療への応用に興味を抱かずにはいられない。自然が動物の生態を維持し、細菌の敵の侵入から身を守る仕組みについての我々の知識は、修正され、拡大された。ヌクレインの機能的重要性と生産方法の発見により、生理学者と治療医にとって新たな領域が開かれる。脾臓、肝細胞、甲状腺、胸腺、精巣が、生命の問題におけるこの最も重要な要素の供給源であることが分かっているが、このような重要な要素が、動物の経済のこれらの隅にだけ限定されている可能性は極めて低い。おそらく、ヌクレインは体内のすべての有核細胞から供給されていることが証明されるだろう。

歯科医は、自分の治療対象となる多くの疾患の治療において、自然界には血液血清中に溶解し、どこにでも存在する、最も効率的な殺菌剤があるという事実をしばしば見落としてきた。このような状況下で歯槽膿漏の治療に使用されるエスチャロチンをはじめとする強力な薬剤は、原因となっている疾患を外科的に徹底的に取り除いた後では、不必要な場合が多い。しかし、これほど治癒が良好な外科症例は他にない。顔面や頭部の血液供給は非常に豊富であるため、自然は自らの殺菌剤であるヌクレインを用いて、身体の他のどの部位で最高の無菌手術を行ったとしても、それをはるかに上回ることができるようである。このことは、私たちすべてに強いヒントを与えてくれるはずだ。清潔と徹底的な外科手術にもっと依存し、強力で刺激性の強い殺菌剤にもっと依存しなければ、自然は自らの優れた手段によって、今ではめったに到達できない結果を私たちに示してくれるであろう。

いいなと思ったら応援しよう!

MitNak 全記事無料公開しつつサポートのみでの生存を目指す男です。 何か響くものがあれば、期待できる何かがあれば投げ銭頂けると幸いです。 よろしくお願いいたします。