見出し画像

日報:赤血球から炭疽菌??012/365【2025年度】

ベシャンのラヴォアジエとビシャ、A. トリピエ博士へ向ける敬意が好きだ。ベシャンのパスツールへの皮肉交じりの批判が絶妙で好きだ。クルックシャンクは紳士的にジェンナー批判をしたが、それとは違った趣があってよい。こんな余りにも人間的な人物を後世に語り継がないのは勿体ない。

2年、私はデッド・エドガーと共に過ごした。原本から転写し、クルックシャンクのテキストのみの版と、クルックシャンクの丁寧な英国風の散文にパトリック・ジョーダンが「人類はかつてない程の巨大な敵から軍事攻撃を受けている」と叫ぶ罵詈雑言を散りばめた心底真面目な研究者向けの版を用意した。

私はエドガーと仲良くなった。100年前に生き別れた母親の双子の兄弟だと思うほどにだ。彼がジェンナーを詐欺師と糾弾し、ワクチン接種は歴史から退場すべきだと言った127年後、同じ物語を私が罵りながら語っている点の違いで、私の仕事はクルッキーに比肩する。つまり、エドガーは正しく完璧で学術的なことをした。仕事を失い、著書は姿を消したか、或いは誰もアクセスできない図書館の中に隠されてしまった。

彼にとってのクルッキーが私にとってのベシャンだ。彼の1899年の著書もカリフォルニア大学が仏語原著をHathitrustにアップしてくれなければ、学術的表現とカジュアル表現とが混在したレバーソンのヤヤコシイ英訳文と四苦八苦する所だったし、真意を捉え損なってしまう所だった。だから今彼と仲良くなろうとしている。まずは友達からである。友達の為ならば書籍298ページ分1枚1枚ダウンロードすることも、わざわざルーマニア語で伝記を探し当てることも苦ではない。だがいつまでも彼は孤独である。そうして126年間誤解されたままの天才は今尚Controlled Opposition連中に利用されている。彼の友達ならば放っておくわけにはいかない。

今回は、「自分はフランスに留学して彼の著書を読んだ」と豪語するロバート・O・ヤングである。今回の動画は「赤血球から炭疽菌様の菌の発生を観測し、再び細胞に戻る様子」の撮影である。見た瞬間に嘘吐き野郎と口から零れた。

動画のタイトルが「Biological Transformation of a Red Blood Cell to a Rod Bacteria Like Anthrax(赤血球から炭疽菌様の桿菌への生物学的変換)」だ。動画はまず、既に細長い菌らしきものがいる所から始まる。

ヤング曰く、この菌は周囲の赤血球から誕生したらしいのだが、誕生する様子をまず映していないので何とでも言えてしまう。個人的にこの時点で既にスピロヘータに見えなくもないのだが(コイルを巻かない段階も実際にある)、この男曰くこれは炭疽菌らしい。ちなみにWikipediaにある炭疽菌の画像がコチラ。

Bacillus anthracis
全然違うくない?

ツッコミ処満載だが次に行こう。

21:00~
下端が袋状に
31:00~
袋が益々膨れていく
41:00~
完全に袋に。ヤング曰く、これが赤血球らしい。

この菌の種類の特定は専門家に委ねるとして、素人騙しのこの動画に反論しよう。

確かにベシャンは「炭疽菌は赤血球MZの形態変化の産物」と言った。それは事実だが、炭疽はそもそも羊の感染症である。ベシャン自身明言していないことも悪いが、文脈的に羊の赤血球の話だ。

この炭疽菌の発生の話は、彼が個体係数の話をしたことに由来する。

純粋近成分の内部環境、所謂「培養土壌」仮説に立脚すれば、その土壌での病原微生物の増殖は有毒である以上、全ての羊は炭疽病(脾血)流行期間に、同一状況で伝染による罹患に平等に感受性があり、また全例が接種により罹患する傾向にある筈である。

だがこの通りにはならない。アフリカヒツジという種の成体は炭疽病に耐性がある。伝染でも接種でも一般に病気に罹患することはない。従ってフランスヒツジとアフリカヒツジでは、同一状況での個体係数は同一ではない。年齢別の係数に相異がある証拠として、アフリカの仔羊には耐性がなく、成羊には耐性があると認識すれば十分である。アフリカの成羊の血液微小発酵体は、若齢の場合を除き、仮に乱暴な処置を受けようと炭疽病を発症するような悪質進化には至らないと述べよう。

ベシャンによればパスツール一派は原形質論者であり、人体の全ては純粋化合物の構築物と考えていた。純粋化合物の自然変性は彼が1858年に甘蔗糖実験で証明した通り空中浮遊のMZの関与が必要となる。パスツールはこの実験を生肉や血液に代替して模倣して1861年の実験に着手したが、奴は腐敗臭を放つ血液を存在を認識しながらそれを意図的に無視した。こうして「自然発生説の否定」が定着したわけだが、これが自然発生の否定になっていないことは自明であり、血液には腐敗発酵の内的因子が存在することは自明である。従って人体は単純な「空中浮遊微生物の培養土壌」と捉えることはできない。もしそうなら、純粋化合物が空気接触で100%変性する以上、人体もまた100%変性・感染する筈である。これは個体に感受性がある証拠である

彼は単一の原因に対して個体が示す感受性の差を「個体係数(individual coefficient)」という指標を用いて数値的に表現しようとした。健康管理していようが感染する人物は感染する通り、これが単純な体内環境だけで決定されるわけではなく、遺伝や隔世遺伝、体質も関与する。この点、ホメオパシーも結核体質、疥癬体質などの体質分類をしている通りである。そして炭疽に関しても、フランス羊とアフリカ羊は感受性に差があり、またアフリカ羊も年齢によって相違が見られると言った。これは個体係数が生物種や年齢差によって変動することを意味する。

この文脈で赤血球MZによる炭疽菌の発生の説が生まれた。注意が必要なのは、彼は飽くまでカシミール・ダヴァインの観察結果から自論を述べただけであり、彼自身が炭疽病の研究をしたわけではない点である。だから赤血球MZの変性起因の炭疽菌発生は裏付けがあるわけではない。

だがこの自論を正しいと仮定した上でもヤングの主張はベシャンの主張には反する。それは前述の通り、ヤングが人間の赤血球を対象としている点だ

そして最大のヤングの嘘は、この菌が「再び細胞になる」と主張する点である。ベシャンは細菌が細胞になるなど一言も言っていない。何故なら、細菌MZは元の解剖学的MZとは機能的に相違しており、その進化は不可逆的だからだ。唯一元に戻せる方法が以下の記述から推察される。

動物も然りである。生体内へ移植された生物の増殖ではなく、その存在自体および存在を飽和する溶液が周辺環境を変質させることで常態微小発酵体の病的進化を招き、バクテリア形態の発生如何が決定される。病気とは単に常態微小発酵体の新たな存在様式が招くものではない。その後の発熱とは、微小発酵体の新たな機能様式と、病的微小発酵体を生理的状態へ回帰させつつ異常発酵・異化現象の産物に対処する生体の努力の結果に外ならない

つまり発熱のみが病的MZを正常MZに戻せる唯一手段である。MZがDNAの可能性があり、現代的に発熱の際に活性化するタンパク質がHSP(ヒートショックプロテイン)で、HSPは唯一異常フォールディングしたタンパク質を元に戻せるタンパク質である以上、その作用にはDNA修復の役割も担っていると考えられる。その発熱を解熱剤で抑制する現代医療の末路は何か?彼の理論に則れば、それは異常MZが排除されないまま残存することを意味する

MZが細胞を構築する過程は2013年に韓国グループ(Micron, 2013)が実証した通り、まず核形成に始まり、核構築の後に細胞新生が開始する。これはベシャンやボンハン、レペシンスカヤなどの先人達が観察した通りだが、ヤングの動画にその様子は見られない。だから断じてこの動画は細胞新生の様子ではない


いいなと思ったら応援しよう!

MitNak 全記事無料公開しつつサポートのみでの生存を目指す男です。 何か響くものがあれば、期待できる何かがあれば投げ銭頂けると幸いです。 よろしくお願いいたします。