会社員が個人事業主を兼業するメリット・デメリット|副業を始める前に知っておきたいこと
副業を始めて、少しずつ収入が増えてくると、
「これって個人事業主になった方がいいの?」
と思う人も多いと思います。
開業届を出した方がいい。
青色申告をした方がいい。
経費にできるからお得。
いろんな情報が出てきますが、正直かなりややこしいですよね。
そもそも、会社員って個人事業主になれるの?
開業届を出したら何が変わるの?
確定申告はどうなるの?
今回は、会社員として働きながら副業をしている人に向けて、このあたりをできるだけ分かりやすく整理していきます。
こんにちは、みつきです。
副業を始めたばかりの人にとって、税金や開業の話はかなり難しく感じると思います。
ただ、最初から全部を理解する必要はありません。
まずは、
「個人事業主」
「開業届」
「確定申告」
「青色申告」
この4つがそれぞれ別のものだと分かれば、かなりスッキリします。
会社員でも個人事業主になれる?
結論から言うと、会社員でも個人事業主になることはできます。
例えば、会社で働きながら、
Webライター
動画編集
物販
デザイン
プログラミング
コンテンツ販売
などを自分で行う。
こういった形です。
会社からは給与をもらいながら、自分の事業からも収入を得る。
これが、いわゆる「会社員+個人事業主」という働き方です。
なので、
「会社員だから副業で個人事業主にはなれない」
ということではありません。
ただ、ここで一つ注意したいことがあります。
副業について調べていると、
「副業を始めたら開業届を出す」
「20万円を超えたら開業する」
「青色申告をすれば節税できる」
など、いろんな話が出てきます。
これらは全部同じ話ではありません。
まずはここから整理していきましょう。
開業届って何?
開業届というのは、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。
簡単に言えば、
「個人で事業を始めました」
と税務署に届け出るためのものです。
個人事業として副業を始めるのであれば、開業届について確認しておく必要があります。
ここで勘違いしやすいのが、
「開業届を出す=税金が発生する」
ではないということ。
開業届はあくまで、事業を始めたことを届け出るための手続きです。
一方で、確定申告は、その年の所得などを計算して税金を申告するもの。
そして青色申告は、確定申告の方法の一つです。
つまり、
開業届、確定申告、青色申告は全部別の話です。
ここを一緒に考えてしまうと、かなり分かりにくくなります。
なお、2026年1月1日以後に開業した場合、開業届の提出期限は、その年分の確定申告書の提出期限までとなっています。
個人事業主になるメリットは?
では、会社員が個人事業主を兼業するメリットは何なのか。
ここからは、実際に副業をするうえで関係してくる部分を見ていきます。
経費を管理できる
まず分かりやすいのが経費です。
副業をしていると、仕事のためにいろいろなお金を使います。
例えば、
パソコン
仕事で使うソフト
広告費
外注費
仕事に必要な書籍
などです。
こういった事業に必要な支出は、条件を満たせば必要経費として扱うことができます。
例えば、
売上50万円。
経費10万円。
なら、
50万円 − 10万円 = 40万円
というように、売上から必要経費を差し引いた所得を考えることになります。
ただし、
「副業に使ったものなら何でも経費!」
というわけではありません。
プライベートでも使っているものなら、事業で使っている部分を合理的に分ける必要があります。
なので、
「節税になるから買おう」
ではなく、
「事業に必要だから買った。その結果、条件を満たせば経費になる」
くらいに考えておくのがいいと思います。
青色申告という選択肢がある
もう一つ知っておきたいのが、青色申告です。
青色申告では、一定の要件を満たすことで青色申告特別控除などのメリットがあります。
ただし、
「開業届を出せば自動的に青色申告!」
ではありません。
青色申告を利用したい場合は、別途「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要になります。
さらに、控除額によって満たす必要がある条件も変わります。
例えば、最大65万円の青色申告特別控除を受けるには、複式簿記による記帳などの要件に加えて、e-Taxなどの要件もあります。
なので、
開業届=節税
と考えるのではなく、
「事業を続ける中で、使える制度を利用していく」
と考えた方が分かりやすいです。
もちろんデメリットもある
ここまで見ると、
「じゃあ個人事業主になった方がいいじゃん」
と思うかもしれません。
でも、もちろんデメリットもあります。
一番分かりやすいのは、やることが増えることです。
例えば、
売上を記録する
経費を管理する
領収書を整理する
帳簿をつける
確定申告について考える
などです。
副業が大きくなればなるほど、こういった作業も増えていきます。
せっかく副業を始めたのに、
「副業で稼ぐ時間より、管理する時間の方が長い」
となったら本末転倒です。
だからこそ、会計ソフトを使ったり、事業用のお金を分けたりして、できるだけ管理を簡単にしておくことも大切です。
「20万円を超えたら開業」は違う
副業について調べていると、
「20万円を超えたら開業届を出す」
という話を見かけることがあります。
でも、これは少し違います。
20万円は開業届を出す基準ではありません。
会社員の確定申告では、給与を1か所から受けているなど一定の条件を満たす場合、給与・退職所得以外の所得が20万円以下なら、原則として所得税の確定申告が不要となるケースがあります。
ここで大事なのは、
20万円というのは「開業するかどうか」の基準ではなく、「確定申告が必要かどうか」を考えるときに出てくる数字だということです。
さらに、この20万円は売上ではなく「所得」の話です。
例えば、
売上30万円。
経費10万円。
なら、単純に考えると所得は20万円です。
「売上20万円」と「所得20万円」では意味が違います。
ここはかなり間違えやすいので注意しておきましょう。
また、所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税については別途申告が必要になる場合があります。
じゃあ、いつ開業を考える?
ここが一番気になるところだと思います。
「じゃあ結局、いつ開業すればいいの?」
という話ですよね。
個人的には、
「月○万円稼いだら開業」
と金額だけで決めるより、
「この副業をこれからどうしたいのか」
で考える方がいいと思っています。
例えば、
まだ副業を始めたばかり。
売上もほとんどない。
続けられるかどうかも分からない。
こういう段階なら、まずは副業そのものをやってみる。
そして、
「毎月継続して売上が出るようになった」
「これからも続けたい」
「もっと大きくしたい」
となってきたら、個人事業としての管理や青色申告などについて具体的に考えていく。
さらに、
「会社以外の収入源として本気で育てたい」
というところまで来たら、税金や経理まで含めてしっかり整えていく。
こんな考え方でいいと思います。
開業すること自体を目的にする必要はありません。
副業を育てるために、必要な制度を使っていく。
このくらいの感覚で考えておけばいいと思います。
会社員なら会社のルールも確認しておこう
もう一つ忘れてはいけないのが、会社のルールです。
税金上、副業をしていいかどうかと、会社が副業を認めているかどうかは別の話です。
会社によって、
副業禁止
許可制
届出制
一定の条件なら可能
など、ルールは違います。
なので、副業を始める前に一度、就業規則などを確認しておくのがおすすめです。
また、
「この方法なら絶対に会社にバレない」
みたいな情報を見かけることもあります。
でも、そんなに単純な話ではありません。
住民税だけではなく、SNSでの発信や知り合いから伝わる可能性もあります。
「どうやったらバレないか」を考える前に、
そもそも会社のルール上、副業して問題ないのか。
ここを最初に確認しておきましょう。
個人事業主になることを目的にしない
ここまで読んで、
「結局、自分は開業した方がいいの?」
と思った人もいると思います。
僕は、個人事業主になること自体を目的にする必要はないと思っています。
副業を始めたなら、まずは自分で1円でも稼いでみる。
そこから、
1万円。
3万円。
5万円。
10万円。
と少しずつ育てていく。
そして、
「この副業はこれからも続けたい」
「もっと大きくしたい」
となったときに、開業や青色申告などの制度をきちんと使っていく。
大切なのは、
「個人事業主という肩書きを持つこと」ではなく、「自分で収入を作れる状態を育てること」
だと思います。
副業を始めたばかりなのに、開業や税金のことばかり考えてしまうと、本来やるべき「稼ぐための行動」が後回しになってしまいます。
まずは稼ぐ。
続ける。
大きくする。
必要になったら、制度を整える。
この順番で考えてみてもいいと思います。
今日からできること
今回の記事を読んで、
「じゃあ何からやればいい?」
と思った人は、まず次のことを確認してみてください。
会社の副業規定を確認する
副業の売上と経費を分けて記録する
自分の副業が個人事業として継続していくものなのか考える
開業届が必要な場合の提出期限を確認する
青色申告を利用したいなら、申請期限も確認する
いきなり全部やる必要はありません。
まずは、自分の状況を整理するところから始めてみましょう。
まとめ
会社員でも、個人事業主を兼業することはできます。
そして、事業に必要な支出を経費として管理できたり、一定の条件を満たせば青色申告のメリットを受けられたりと、個人事業として副業をするメリットもあります。
一方で、売上や経費の管理、確定申告など、自分でやることも増えていきます。
そして何より大切なのが、
「開業届」「確定申告」「青色申告」はそれぞれ別のもの
ということ。
「20万円を超えたら開業」
でもありません。
個人事業として事業を始めるなら開業届について確認する。
青色申告を利用したいなら、別途必要な手続きをする。
そして確定申告が必要かどうかは、所得や勤務状況などから別に判断する。
このように一つずつ分けて考えると、そこまで難しい話ではありません。
副業を始めたばかりなら、最初から完璧に事業化する必要はありません。
まずは小さく始めてみる。
続けられるようになったら、売上や利益を管理する。
そして、本気で事業として育てていくなら、税金や経理もしっかり整えていく。
個人事業主になることはゴールではありません。
あくまで、自分の収入源を育てるための一つの手段です。
まずは「開業するかどうか」だけに悩むのではなく、
「自分はこの副業をどうしていきたいのか?」
から考えてみるのがおすすめです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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※税金や社会保険、会社の副業規定などは、個人の状況によって扱いが変わります。実際に手続きをする際は、国税庁や勤務先などの最新情報をご確認ください。
