見出し画像

こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
「笑顔工学」についてはこちらの記事をご覧ください。

私は、色々な活動や仕事を通じて、情報通信技術、経営、人材育成、介護、地域活動など、異なる分野の方々と関わる機会を多くいただいています。

そうした中で、自分の仕事の一つは、何かと何かを「むすぶ」ことなのではないかと考えるようになりました。

人と人をむすぶ。
現場と経営をむすぶ。
技術と人の想いをむすぶ。
過去の経験と、これからの未来をむすぶ。

しかし、ただ2つのものを近づければ、
むすばれるわけではありません。

人を紹介しただけ。システムを連携しただけ。会議を開いただけでは
まだ「むすぶ」ということにならないと感じています。

「むすぶ」は、もう少し深い意味があるように思います。

「むすぶ」とは、新しいものを生み出すこと

小野照崎神社の記事では、「結ぶ」という言葉には、ひもをくくるだけでなく、「つなげる」「まとめる」「創る」「固まる」「締める」など、さまざまな意味があると紹介されています。

さらに、そのルーツの一つとして、日本神話に登場する「産霊(むすひ・むすび)」という考え方が挙げられています。

記事では、産霊について、

「結びつくことによって神霊の力が生み出される」

と解説されています。
私は、ここに「むすぶ」という言葉の大切な意味があると感じました。

2つのものが近づくだけではありません。
2つのものが関わることで、
それまで存在しなかった新しい価値が生まれることで
初めて「むすぶ」と言える、ということなのでしょう。

システムはつながっても、仕事はむすばれない

DXの現場では、複数のシステムを連携することがあります。

顧客管理システムと会計システムをつなぐ。
現場の記録と請求システムをつなぐ。
フォームへの入力をスプレッドシートへ送る。

技術的には、データが送受信できれば「接続できた」と言えます。
しかし、接続しただけでは、仕事がうまく流れるとは限りません。

一方のシステムでは「顧客」と呼び、
もう一方では「利用者」と呼んでいる。

同じ「売上」でも、受注時、納品時、請求時で意味が違う。
データは届いても、誰が確認し、誰が修正し、誰が責任を持つのかが決まっていない。

この状態では、システムがつながったことで、
かえって混乱が増えることさえあります。

必要なのは、データを送ることだけではありません。

言葉の意味をそろえる。
仕事の順番を整える。
責任の境界を決める。
例外が起きたときの対応を考える。

つまり、接続を価値へ変える設計が必要なのです。

これが、システムを「むすぶ」ということだと思います。

人を紹介すること≠連絡先を渡すこと

人と人を紹介するときも同じです。
「お2人は仕事につながりそうなので、あとはよろしくお願いします」

これだけでは、単に接触点をつくっただけです。

相手は何に困っているのか。
もう一人は、その課題に本当に応えられるのか。
いま話すことが双方にとって適切なのか。
何を期待して、二人を紹介するのか。

そこまで考えて、初めて良い紹介になります。
紹介とは、自分の信用を手渡すことでもあります。

ですから、誰でもむやみに紹介すればよいわけではありません。

むすぶとは、関係を増やすことではなく、
関わる人たちに新しい可能性が生まれる状態を整えることなのです。

違いを消さずに、力を活かす

異なるものをむすぶとき、無理に同じにする必要はありません。
若い人とベテランでは、経験も感覚も違います。
経営者と現場では、見ている範囲も使う言葉も違います。
介護の専門家とIT技術者では、大切にしていることも、仕事の進め方も違います。

しかし、違うからこそ、一緒になる意味があります。

若い人の新しい感覚と、ベテランの失敗の記憶。
現場の具体的な困りごとと、経営者が描く未来。
人に寄り添う介護の知恵と、情報を仕組みに変えるICTの力。

それぞれの違いを消さず、
互いの力が活きる役割を設計することで、
新しい価値が生まれます。

むすぶとは、相手を自分と同じにすることではありません。
違うままでも、共に力を発揮できる状態をつくることなのです。

これは、私が大切にしている「人を活かす経営」にも通じます。

AIは、結び目の候補を見つけてくれる

AIは、むすぶ仕事を大いに助けてくれます。

大量の情報から共通点を見つける。
異なる立場の意見を整理する。
専門用語を分かりやすい言葉へ変える。
課題を持つ人と、知恵を持つ人の接点を探す。
会議で出た意見を、次の行動へつなげる。

AIによって、これまで見えていなかった関係が見えることがあります。

しかし、AIが示すのは、あくまで結び目の「候補」です。

本当に二人を紹介してよいのか。
この情報をつないでもよいのか。
いまが適切なタイミングなのか。
そこから生まれる結果に誰が責任を持つのか。

最後に判断するのは人間です。

AIは、どことどこをむすべそうかを教えてくれます。

しかし、結び目に信用と責任を込めることは、人間にしかできません。

AI時代だからこそ、人間には、何をむすび、何をむすばないのかを判断する力が必要になります。

千年企業は、時間をむすぶ

私が研究している「千年企業」、すなわち永続する仕組を有する企業も、
時間をむすぶ企業だと思います。

創業者の想いを、次の世代へむすぶ。
過去の失敗から得た知恵を、未来の仕組みへむすぶ。
長く積み重ねた信用を、新しい商品やサービスへむすぶ。

ただし、昔の形をそのまま残すことが継承ではありません。

理念は守る。やり方は変える。
信用は守る。道具は変える。
人を活かす姿勢は守る。組織の形は進化させる。

過去を保存するだけでは、未来には届きません。

過去に込められた意図を理解し、
その時代に合った形へ変えながら、
次へ渡していく。

千年経営とは、
過去と未来をむすび直し続ける経営
なのではないでしょうか。

「むすぶ」の先に、「実を結ぶ」がある

日本語では、努力や活動が成果につながることを「実を結ぶ」と言います。

人と人をむすんだ。
学びと実践をむすんだ。
現場と経営をむすんだ。
技術と人の想いをむすんだ。

その結果として、新しい行動が生まれ、誰かの課題が解決し、社会に新しい価値が加わったとき、その結び目は「実を結ぶ」のだと思います。

ですから、むすんだ数を誇るだけでは足りません。

何人を紹介したか。
いくつのシステムを連携したか。
何回会議を開いたか。

大切なのは、その先で何が生まれたかです。

誰かが力を発揮できたか。
現場の負担が軽くなったか。
新しい挑戦が始まったか。
次の世代へ残せるものが生まれたか。

むすぶことの価値は、接点の数ではなく、
その先に生まれた変化によって決まります。

私が、むすんでいきたいもの

私は、すべての分野の答えを持つ専門家にはなれません。

しかし、異なる分野の間に立ち、それぞれの言葉を聴き、翻訳し、共に価値を生み出せる状態をつくることはできます。

経営者の想いを、現場で動ける仕事へむすぶ。
現場の小さな「実は……」を、経営判断へむすぶ。
介護の現場にある知恵を、AIやICTの仕組みへむすぶ。
人の苦難から得た学びを、次の誰かが困らない仕組みへむすぶ。

これが、私の仕事の一つなのだと思っています。

私が提唱している「笑顔工学」も、人を無理に笑わせるものではありません。
人、仕事、情報、技術、想いが適切にむすばれ、人が安心して自分の力を発揮できる状態をつくることです。

その結果として、笑顔が生まれ、続いていくのです。

そのような結び目を、
社会の中に1つずつ増やしていきたいと思っています。

まとめ

「むすぶ」とは、単につなぐことではありません。

相手を理解し、違いを翻訳し、目的を共有し、
つながった先に新しい価値が生まれる状態をつくることです。

そして、その結び目に信用と責任を持つことです。

人と人をむすぶ。
現場と経営をむすぶ。
過去と未来をむすぶ。
学びと実践をむすぶ。
技術と人の幸せをむすぶ。

今日、目の前にある二つのものを、丁寧にむすんでみる。

そこから、それまで存在しなかった何かが生まれるかもしれません。

私はこれからも、情報通信技術と経営工学、そして人とのご縁を活かしながら、社会の中に良い結び目をつくり続けていきます。

その一つひとつが実を結び、すべての人が笑顔で在り続ける社会へつながっていくと信じています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を少しでも良いと思っていただいたら「♡」を押して応援お願いします!noteのアカウントが無くても押せますので、気軽に押していただければ助かります!私の笑顔の画像が出ます(笑)

もちろん、フォロー、フィードバックなどをいただければ、さらに喜びます。よろしくお願いします!

いいなと思ったら応援しよう!