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2曲まとめて新曲レコーディング

先日は、新曲「Epigenetic Clock」と「Malignant」のボーカル&ギター収録でした。過去の楽曲とは全く異なる次元のハードルと、予想外のトラブル、そして残り1分まで追い込まれたスリリングな4時間の全記録です。

はじめにーそれぞれの曲の意味ー
はじめにそれぞれの曲の意味や制作した目的について触れたいと思います。

2つの楽曲の意味について

Malignantについて

Malignantという曲は、「悪い」とされている者の葛藤を表現した曲です。参考までに、「Malignant Tumor」は悪性腫瘍(がん)という意味です。
私は今、体内環境に関わる分子を擬人化した物語「CODE:0」を作っているのですが、そこに登場する悪の主人公キング・パンサーという悪性腫瘍を擬人化したキャラクターをテーマにした楽曲となっています。
がん細胞というのは本来は宿主(本人)の細胞だったわけで、もともとは体にとって有益な細胞として働いていたのに、いつしか知らぬ間に悪者になってしまうのです。
良かれと思って正義を振りかざしてもそれが悪者として映ってしまうこともこの世の中にはあると感じています。そのような葛藤と共生みたいなものを描いたのが「Malignant」という曲です。個人的にはLinkin Parkを少しオマージュしており、リスペクトを込めています。少しヘヴィーなシネマティックロックです。

Epigenetic Clockについて

こちらの楽曲は、「体内年齢」と「時間」の関係、人生との向き合い方にフォーカスを当てた曲です。
「エピジェネティッククロック」は、遺伝子の時計みたいなものです。これが人の老いや若さを決めると思ってください。
人は、生きていれば時間の経過とともに歳を重ねていくわけですが、近年わかってきたのは、「生物学的年齢」という概念です。単純に、「30歳」「40歳」はたまた「60歳」「80歳」といっても、見た目も中身もかなり個人差があることは皆さんも感じておられることと思います。
実年齢が40歳だったとしても生物学的年齢は35歳かもしれない。
実年齢というのは時間の経過とともにほぼみんな平等に増していくわけですよね。しかし、生物学的年齢という違うものさしだってある、はたまた量子物理学の世界では「時間は存在しない」なんていう考えもある。
だから、そんなことにとらわれずに自分の魂の声に耳を傾けて、もっと違う重要な尺度と切り口で人生を生きていったら良いのではないかというメッセージを込めています。

どちらも歌いこなすのに時間を要した

英語詞のニュアンスとハイトーンの壁

今回は英語の歌詞が多く、発音のニュアンスや語尾の伸ばし方など、最後の最後まで迷い抜き、各パート最大4テイクを重ねました。両曲ともかなりのハイトーンを要求されるため、体が温まり声が鳴り始めたタイミングで、あえてAメロから録り直すなど、これまでにないアプローチに挑みました。昔から本番に強いタイプなので主旋律には自信がありましたが、最高のモニター環境とマイクのおかげで、自分の限界値をさらに引き上げられた感覚があります。

初めてのギター収録と「人間の息吹き」


今所有しているエレキギターについてどちらかだけ持っていくか両方持っていくか
直前まで迷って
音質の違いから自分の耳と感覚を信じてテレキャスター(右側の白と黒のギター)を持参しました

「Epigenetic Clock」では、DAWの打ち込みデータだけではどうしても厚みが足りず、自らエレキギターを弾いてバッキングを収録しました。冷たいデジタルビートに、人間の生々しい揺らぎと息吹きを吹き込む作業です。歌唱と違い、ギターのレコーディングは人生初。耳の肥えたエンジニアの前で弾くのは、本業の診療とは全く違うヒリヒリとした緊張感がありました。

機材トラブルと「残り1分」の死闘

Mitsuroのデビュー1曲目からお世話になっているエンジニアとは「あ、今少しリズム外したからもう一回」という感覚が完全に一致する最高のバディです。コーラスをダブルで収録して過去の音楽史をオマージュする提案をもらうなど、クリエイティブな相乗効果が生まれました。 しかし、今回は4時間の長丁場にも関わらず、かつてないギリギリの戦いに。マイクが反応しない機材トラブルや、DAW音源の揺らぎ補正作業で時間が削られ、極めつけは現場で変更・創作しながらのハモリ収録。気がつけば「あと1分しかないっ!💦」とエンジニアと焦りながら、最後の一行を録り終えるという凄まじい展開でした。

合間にLinkin ParkやRage Against the Machineの歴史、古畑任三郎の俳優論などを熱く語り合った時間がなければもっと余裕があったかもしれませんが(笑)、その時間こそが今回のエモーショナルなテイクを生んだのだと思います。 デジタルの正確さと、人間の泥臭い限界値がぶつかり合った2曲。ミキシングを経てどう化けるのか、リリースを楽しみにしていてください。

4時間のレコーディングを終えて出てきた直後の顔


レコーディングの最中どんなことを話していたのか下記にまとめます(笑)

Linkin Park

元々、ボーカリストのチェスター・ベニントンが、長くうつ病や依存症に悩まされていた。2017年7月、自ら命を絶ってしまった。自宅で発見され、享年41。ボーカリストのカリスマ性がすごかったので、同バンドはそこから7年ほど活動を休止していた。今のボーカリストの女性はエミリー・アームストロングといって、元々Dead Saraというロックバンドのフロントウーマンとして知られていたミュージシャン。2019年頃からLinkin Parkのメンバーと一緒に音楽を作るような関係だったという。そのなかでやってみようの精神で新体制がスタート。それがすごくはまったということになる。2024年9月に新ボーカルとして正式に発表され、同年11月にはアルバム『From Zero』をリリースしている。

Rage Against the Machine


元々は、アメリカの上院議員アラン・クランストンの事務所で秘書をしていたトム・モレロ。ハーバード大学卒で、すごく優秀な人材だったそうだ。しかし、自分のしている仕事と哲学の不一致を感じ、政治関連の仕事を辞めてミュージシャンに転身した。ボーカリストのザック・デ・ラ・ロッチャとは、モレロがクラブで彼のフリースタイルラップを見て声をかけたのがきっかけ。偶然同じ思想の持ち主で、奇跡的な出会いを果たす。同バンドは、強烈な怒りと主張とかっこよいサウンドで世の中の聴き手を魅了した。ファンを伝って世の中を変えようとしたのだ。その結果、曲が放送禁止のような扱いを受けたこともあると聞く。ただ正確には政府による禁止ではなく、2001年の9.11直後に全米最大のラジオ局グループだったクリア・チャンネルが「放送を控えるのが望ましい曲」のリストを社内で回した際、同バンドは全曲がまとめて対象になったという話らしい。1996年には『サタデー・ナイト・ライブ』出演時に星条旗を逆さに掲げようとして、1曲だけで降板させられたこともあったらしい。スタジオエンジニアの方の話によれば、ロックフェスなどで同バンドが登場したときがあったが、ライブ前に醸し出す雰囲気が異様で、怖すぎて誰も声をかけられなかったという逸話があるそうだ。

古畑任三郎


西村さん(今泉君)の俳優としてのすごさについて話した。本当に、西村雅彦さん(現在は西村まさ彦さん)が演じた今泉慎太郎という、「できない」コミカルで運動音痴なキャラをあそこまでしっかり演じ切ることができるのはプロの俳優の姿だという話になった。一方で、田村正和さんは、古畑任三郎にもちろんなり切っていたが、逆に別のカリスマ性や特徴が強いので、役柄がその俳優に寄っていってしまうような強烈な個性がある。そのような二者の俳優としての違いについて面白いねという話になった。ちなみに『古畑任三郎』は1994年にフジテレビで始まった三谷幸喜脚本のシリーズで、犯人が先にわかる倒叙ミステリーという形式が当時新鮮だった。

2曲のリリース日について

これからミキシングという工程と、マスタリングという工程が必要になります。
2曲のリリースの順番は前後するかと思います。おそらくMalignantのほうが早くリリースまでたどり着けそうな感触はありますが、アレンジなどで考えていることもあるので何とも言えません。
何よりも私自身が、楽曲がマスタリングまで仕上がって聴いたときの高揚感と、リリースが完了した時の安堵感を早く味わいたいので頑張ります(笑)
ここまで読んでくださり誠にありがとうございます。


Mitsuroについて


Mitsuro(ミツロー)は、東京で歯科医師をしながら音楽をつくっているプロジェクトです。免疫、細胞、遺伝子、そして量子の世界—臨床の現場で日々向き合っている「体の内側で起きていること」を、ロックに翻訳しています。科学の言葉だけでは説明しきれない領域に、音楽なら踏み込めるかもしれない。そう思いながら曲を作っています。

代表曲

『Rewrite』(2nd Single)
体内世界を舞台に、遺伝子レベルで運命を書き換えることをテーマにしたサイバーロックです。
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『逢方』
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Mitsuro|Sound Lab(歯科医師 手塚充樹) ここまで読んでくれてありがとうございます。あなたの一歩が、僕の次の表現を生み出すエネルギーになります。