見出し画像

キッチンで無駄に3歩多く歩いていませんか?|動線リノベ[8]

“動線”を整えることで、暮らしはもっとラクになります。
一級建築士として、毎日の暮らしが少しラクになる住まいの工夫を発信しています。


― キッチンは「作業の集合体」です ―



キッチンのご相談を受けていると、

とてもよく聞く言葉があります。


「収納が足りなくて…」

「キッチンが狭くて…」

「もう少し広ければ使いやすいと思うんです」


でも、実際に住まいを拝見すると、

収納量も足りていて、

極端に狭いわけでもない。


それなのに、

「なぜか疲れる」

「なぜか使いにくい」


そんなキッチンは、少なくありません。


でもそれは
「あなたの段取りが悪い」わけではありません。


キッチンは「ひとつの場所」ではありません


キッチンは、

料理をする場所、ではありますが、


その中では、

実にたくさんの作業が行われています。


・冷蔵庫から食材を出す

・洗う

・切る

・加熱する

・盛り付ける

・片付ける

・ゴミを捨てる


これらはすべて、

別々の動作です。


つまりキッチンは、

一つの作業空間ではなく、

「作業の集合体」なのです。



使いにくさの正体は「作業のつながり」


キッチンが使いにくいと感じるとき、

問題なのは、

一つ一つの作業が難しいことではありません。


・作業と作業の間が遠い

・毎回、向きを変えなければならない

・小さな上下動作が何度も入る


こうした

作業同士のつながりの悪さが、負担になっている
ことが多いのです。


一回一回は小さな動きでも、

毎日、何度も繰り返されることで、

確実に疲れは溜まっていきます。



「正解の配置」を探さなくていい


キッチン動線の話になると、

よく出てくるのが

ワークトライアングルです。


ワークトライアングルは
冷蔵庫・シンク・コンロの位置関係。


シンク・コンロ・冷蔵庫を結ぶ三角形を「ワークトライアングル」と呼びます。
この距離関係が、キッチン動線の基本とされてきました。

もちろん、

基本として大切な考え方ではあります。


ただし、

それがそのまま

今の暮らしに当てはまるかというと、

そうとは限りません。


家族構成も、

家電も、

暮らし方も変わっています。


必要なのは、

「正しい配置」を探すことではなく、

今の暮らしに合った流れを見つけることです。


洗濯動線・帰宅動線と同じ構造です


これまで、

洗濯動線や帰宅動線についてお話ししてきました。


・順番を整理する

・距離を短くする

・考えなくていい流れをつくる


キッチン動線も、

基本は同じです。


ただ、キッチンは

作業の数が多いため、

「どこから見直せばいいか分からない」

と感じやすい場所でもあります。



キッチン動線を見るときの入り口


フェーズ2では、

キッチン動線をテーマに、


・なぜ疲れるのか

・どこで無駄が生まれているのか

・どう考え直せばラクになるのか


を、順番に見ていきます。



最初から

全部を整える必要はありません。


まずは、

一つの作業に注目する

それだけで十分です。



次回予告


次回は、

キッチン動線の基本として

よく知られているけれど、
実は誤解されがちな


「ワークトライアングル」


についてお話しします。


本来の意味と、

現代の暮らしとのズレ。


そして、

動線は横方向だけでなく、

縦方向にも存在するという視点にも、

こちらで触れていく予定です。


キッチンがラクになるヒントを、

一緒にほどいていきたいと思います。

👉はじめての方はこちら

毎日の暮らしが、

少しでもラクになるきっかけになれば嬉しいです。

関 美和|一級建築士
「動線リノベ」という視点で、
暮らしをラクにする住まいづくりを発信しています。

▼プロフィール・活動はこちら
https://miwaseki.carrd.co/