見出し画像

片付かない本当の理由(はじめに)|収納用品を買う前に♯01

一級建築士・整理収納アドバイザー1級の関美和です。
住宅設計に25年以上携わる中で、多くの住まいづくりと、収納のお悩みに向き合ってきました。
収納家具を増やさなくても、改善できることがあります。
このシリーズでは、暮らしをラクにする収納と片付けの仕組みづくりをお伝えします。



「部屋が片付かないんです。」

これまで何度、この言葉を聞いてきたでしょうか。

25年以上
一級建築士として住宅の設計に携わってきました。

新築住宅、リフォーム、リノベーション…等々

たくさんのご家族の住まいづくりをお手伝いしてきましたが、その中でずっと不思議に思っていたことがあります。

それは、
収納がたくさんある家でも片付かないことがある。

逆に、
収納がそれほど多くなくても、いつもスッキリ暮らしている家がある。

ということです。

〝収納が足りないから片付かない〟

そう思われる方は多いと思います。

実際に私も昔はそう思っていました。

だから収納をできるだけ増やす提案をしていました。

収納がたくさんあれば暮らしやすくなる。

そう信じていたのです。


今から十数年前のことです。

私はあるお客様の住まいづくりを担当しました。
その奥様は収納へのこだわりがとても強い方でした。

どこに何をしまうのか。
何を使うのか。
どんな動き方をするのか。

細かな打ち合わせを何度も重ねながら設計を進めました。

収納プランは
イメージスケッチから


収納量も十分。
家事動線も考慮。


当時の私なりに、
「とても使いやすい家ができた」
と思っていました。


ところがです。

お引き渡しからしばらくしてご自宅へ伺った際、私は大きな衝撃を受けました。

収納が活用されていなかったのです。

使いにくい収納ではありません。

収納量が不足していたわけでもありません。

にもかかわらず、

思っていたようには使われていませんでした。
(ミリ単位の打ち合わせで完成した収納内には、
 モノはほとんど収納されておらず
 カウンターや床の上にモノが溢れていて
 うまく収納を使っていただけていない状況でした)


私は正直ショックでした。

あれだけ打ち合わせをしたのに。
あれだけ収納を考えたのに。


なぜだろう。

お客様が悪いのでしょうか。
片付けが苦手だったのでしょうか。

いいえ。
違いました。

後になって気づいたのです。

お客様は何も悪くありませんでした。

足りなかったのは、
収納そのものではなく、
収納の使い方だったのです。


私はその時、
大切なことに気づきました。

収納は箱を作れば終わりではない。
収納は量でもない。
収納は家具でもない。

収納は「仕組み」なのだと。

どこに置くのか。
どう戻すのか。
なぜそこに置くのか。
家族全員が無理なく続けられるのか。

収納を
どのように収納すればよい良いのか?
…【収納の方法(仕組み)】をお客様にお伝えすることで
初めて収納は機能するのです。


設計という仕事は、図面を描いて終わりではないと思っています。
その住まいが完成したあと、どのように使えばもっと暮らしやすくなるのか。
そこまでお伝えすることも、設計者の大切な役割だと考えています。



その経験をきっかけに、
私は整理収納について本格的に学び始めました。

整理収納アドバイザー1級の資格も取得しました。(その後、整理収納コンサルタントも取得しました)

設計者としてだけではなく、
整理収納の視点からも住まいをご提案できるようになりました。

そして、たくさんの方の収納や片付けのお悩みを伺うようになりました。



そこでさらに
気づいたことがあります。

片付けられない人は、
決して怠け者ではありません。

ズボラだからでもありません。

性格の問題でもありません。

方法を知らないだけなのです。



実は私自身も、
昔から片付けが得意だったわけではありません。
どちらかと言うと苦手な方でした。

人が家に来るとなると慌てて片付ける。
クローゼットに押し込む。

とりあえず見えないところに隠す。
そんなことを繰り返していました。

だから、
片付けに悩む方の気持ちはよく分かります。


片付かない状態というのは、
単に見た目の問題ではありません。

➡️探し物が増えます。
➡️時間がなくなります。
➡️家事が面倒になります。

さらに気持ちが落ち着かなくなります。

そして、
片付けられない自分を責めてしまいます。

私はそんな方をたくさん見てきました。



でも本当は、
自分を責める必要はありません。

片付けは才能ではないからです。

センスでもありません。

シンプルで簡単な仕組みを作るかどうかです。



世の中には収納の情報があふれています。

SNSには素敵な収納実例が並びます。

便利そうな収納用品もたくさん売られています。

でも、
収納用品を買ったのに片付かなかった。

収納家具を増やしたのに変わらなかった。

そんな経験はありませんか?

もしあるなら、
それはあなただけではありません。


私はこのブログで、
収納用品を否定したいわけではありません。

収納家具を買うなと言いたいわけでもありません。

ただ、
その前に考えてほしいことがあるのです。

収納用品を買う前に。

収納家具を増やす前に。

リフォームをする前に。

見直せることがあります。

お金をかけなくても改善できることがあります。



このブログでは、

・片付かないのは性格のせいではないこと

・収納を増やしても片付かない理由

・モノに家賃を払っているという考え方

・定位置の重要性

・ダイニングテーブルにモノが集まる理由

・動線と収納の関係

・収納量より収納位置が大切な理由

などについて、

建築士と整理収納アドバイザーの両方の視点からお伝えしていきます。



家が片付くと、

✅暮らしは少しラクになります。

✅時間に余裕が生まれます。

✅気持ちにも余裕が生まれます。

そして、
本当にやりたいことに時間を使えるようになります。

その変化を何度も見てきました。

だからこそ、
同じように悩んでいる方に
お伝えしたい
と思っています。



収納用品を買う前に。

まずは一緒に、
片付く家の共通点を見ていきませんか。

次回は、
「片付かないのは性格のせいではありません」

というテーマでお話ししたいと思います。

* * *

片付けは、頑張ることではなく『仕組みづくり』です。
このブログが、暮らしを少しラクにするきっかけになれば嬉しいです。

関 美和|一級建築士・整理収納アドバイザー1級
▼プロフィール・活動はこちら