【前半ネタバレ無し】ミカクテイ事件の観測者クリアしました【後半ネタバレあり】
まず本当に素晴らしく楽しめたゲームでした、今年やったゲームの中でも最上位に好きだったと思う。
ちょっとSNSの嫌な部分が出てくるので本当に苦手な人も居そうですが、それでも多くの人に触れてみて欲しいと感じる作品です。逆にSNSがメインなので普段Twitter(X)に触れてない人には伝わりにくい要素もあるのかも?
ゲームとしては、特定の事件の犯人を追って表示されている表アカウント、裏アカウント、人物の実名などを特定して真相を追い進めていく推理ADVです。
ネタバレの無い範囲の感想で一番に出てくる部分ですが、とにかく遊びやすいように手触りよく全体が作られている点が非常に印象的
タイムライン(謎解き)がChapterごとに分かれており区切りを付けやすく、かつその解明にかかる時間が1~1.5時間弱程度とこれまたスキマ時間に進めやすい。
読み返しもしやすくなっており、解明時に情報の整理を挟むので記憶にも残りやすい。
また、情報整理においても特定のパロート(Twitterで言うツイート、Xで言うポスト)を引用するのに、パロートは分かるがどのアカウントか思い出せない、なんてことがあるのに備えて引用欄にアカウントの簡単な情報(性別とか最低限)が添えられている、最終推理では特定のワードが一覧として残されているので再びタイムラインの大捜索などは考えなくても良い構造。
パロート探しもブックマーク機能から特定したアカウントを表示する機能、画像付きのみ探す機能など充実。

これらの要素によって謎解きの難易度には影響しない形で遊んでいる時のひっかかりがとことん少なくなっており、凄く手触りが良いと感じる。
ゲーム側から困ったら総当りもアリですよと肯定する一文もあり、例えば最後候補が2人だけどパロートがどこにあったか探すのが大変、などであれば総当りしてしまうのも手と言える。

タイムラインがかなり、SNSの嫌な部分が濃いシナリオは無理に見すぎず解明に絞っても大丈夫との一文があったり、ユーザーがどういったところで引っかかりを覚えるかがしっかり検証され、丁寧に潰したんだろうなと感じる圧倒的な遊びやすさ、これは一つの大きな魅力です。
そして勿論ストーリー、これがまた素晴らしい。
単体ごとのタイムラインで見えるストーリーも面白いし、徐々に見えてくる本筋の話も気になる。
そしてかなり踏み込んでいそうな怪しい情報も小出しにされながら、特定は難しく、何なら複数候補の関連が見えてきそうな情報の分散が綺麗に行われる。
タイムラインを解明する楽しさ、真相に繋がりそうな情報に僅かずつ見えてくる楽しさと気付くことによる気持ちよさ、でもそこから完全な真相には辿り着けないもどかしさと好奇心の惹かれ方、ここのバランスが上手いので、気持ちがダレること無くずっと最後まで走りきれる面白さです。
ここから先はネタバレになりますので、改行を挟みます。
本当に面白い作品なので是非たくさんの人に遊んで欲しいと思います。
ここまで語った内容もですが、後半ラスト周りの面白さが本当に抜群だったのが、ここまで丁寧な作りで積み上げた期待をしっかり上回ってきたのが素晴らしかったですね!!
怪クラで一緒だった友人っぽいというとことか、母らしいそぶり、茂木AIなど常時正体が複数重ね合わせで想定される状態に持ち込まれてる感覚が続いていて、まさしく観測するまで複数の正体が重ね合わせになってるシュレディンガーの猫箱っぽくてイメージにもそうだなあとか思ってたら真相パートでひっくり返るハメに。
言われてみるとそのあたりも可能性にあったのか……
この辺の造りも滅茶苦茶上手くて、多分ある程度の位置まで推察できる情報をバラマキまくって、猫箱要素に絡んでる?とかの想定までは辿り着けつつ、完全な真相には至らない程度に情報を上手く隠してて、とんでもないバランス取りでプレイ中ずっと興味を惹かせ続けてくるんですよね。
コノメ広告とかの圧倒的に怪しい要素もしっかり気にさせながら隠匿しきってる。
あそこまで伏線も見せ続け、ある程度以上に近づける真相のちらつかせ方をしながら最後の答えに辿り着くのは本当に最後の情報に触れてからと言う巧みさも良さで面白さで素晴らしかった。
ただ何より、私がこのゲームを好きだと思った大きい要素の一つ。
最後の最後に語り尽くされる、私がSNSをしていて苦しい気持ちになる部分、何度もこのゲーム内でも触れられてきた嫌な部分その中でも特に気落ちする、特定個人やアカウントへの、時には憶測ばかりでも発生する炎上や誹謗中傷、不要なまでの踏み込みのようなもの。
本当に僅かなきっかけとも言えない何かでも一度燃えてしまえば何の弁明もできない、何も悪くなかったと証明されてもなお燃え続けるか、或いは燃やしつくされて失ったものに謝罪などもなく、また次の火種に向かう様相が本当に苦手で、何かの拍子に私もこうなるかもという恐怖も、何か間違って私が火種を作ってしまう時があるかもと言う恐怖もあります。
そんな中でもずっとこうしてSNSを続けているのはやはり、魅力的な話題も共通の楽しい話題も、ここに居なければ出会えなかった素敵な出会いや作品もあるわけで。
嫌な部分が気落ちとして残りやすいとしても、そう言った正の面への肯定や、負の面にも個々の事情があるのかもしれないと言う、それで許せるものではないとしてもその人の人格や何かをすべて否定するものではなく、それだけで全てを決めつけることの危うさもまたある点への表現、でしょうか。上手く言葉にできていないんですが。

確かに悪意を持ったものが沢山目に入る場所でもあり、それも人間ではありますがそれだけではないと、そして少しずつでも人の優しさがあれば変わるものもあるんじゃないかと。
強い人間讃歌を感じる最後のやり取りが本当に美しかったと思います。
アクマの影響が無かった世界、ひとつの事件が発生しなかった世界というだけでこれまで見てきた人たちも、きっかけ一つでずっと美しいものを産み出せたかも知れないと言う終わり方も私は大好きでした。
見えていないだけで、少しの善や正で、何かきっかけが1つ違えばきっと綺麗な面は色んな人にもっとあるという肯定、頭では分かっていてもそうは考えられないことも多いのですが
そこにガッチリと踏み込んで正の部分を肯定してくれたことは、少し嬉しいことでした。
全体的に美しい肯定感と願いの込められたこの最後のやり取り、結論が、ゲームの面白さの先で本当にこのゲームが好きだったと感じさせてくれた1つです。
結局一番話したい感想の部分が上手く言葉に出来ないままなんですが、どうしても何とか言葉として残しておきたかったので、今はこれで満足、書き終わりとします。

