陰謀論に対し、宗教で自衛する時代
陰謀論についてのポッドキャストを聞いた。
魚豊とは?
魚豊(うおと)。漫画家。陸上漫画『ひゃくえむ』でデビュー。地動説を信じる者たちによる壮大なつながれる意思の物語を描いた『チ。』が大ヒットし、アニメ化。その後、第3作目の長編として執筆した『ようこそ! FACTへ』は陰謀論を取り扱い、それが今回の雨宮純との対談につながった。
本人の哲学や人文学への興味関心、人間の信仰的な執着への興味が、作風である。
雨宮純とは?
カルトや陰謀論に詳しいライター。著書に『あなたを陰謀論者にする言葉』や『危険だからこそ知っておくべきカルトマーケティング』など。正直魚豊に比べてよく知らなかったが、確かにネットでたまに陰謀論やカルト教団、マルチ系の話題が出ると言及するポストをしている。私はそれを何度が見たことがある。
『ようこそ! FACTへ』という漫画が完結したことを記念しての対談かつ、魚豊は漫画家でありながらも音声メディアとか別媒体でも発信・マネタイズするようなルールを作っていきたいのかな、と想像している。
※最近、他のポッドキャストなどに出演しているのも目にしたので。
──で、本題なのだが、上記ポッドキャスト内で前提となっているのが陰謀論はだれでも場合によっては信じうるし、そこに対して自衛する方法ってなかなか見当たらないよね、という話だ。
そもそも『ようこそ! FACTへ』自体もそういうストーリーが含まれているらしい(読んでないんかい)。
ただ、かようなやり取りに対して俺がひとつ思っていたのが、「そんなもん、陰謀論への自衛の方法なんか宗教(また別の陰謀論)以外ないやろがい」というものであった。
たとえば、われわれがマルチ商法や陰謀論カルト(両社は別のものだが、反社会的なそれに対する自衛方法として共通のものを紹介したいので、同一のものとして扱う)に騙されないのは、別に警視庁による啓もう動画がACによって流されていたからでも、渋谷109KENZO(犯罪撲滅系YouTuber)の動画を見たからでもなく、なんとなーく「よく知らないやつが久しぶりに声かけて着たり、なんか今の社会を否定するようなこと言ってたら近づくべきではない。キショい」というセンサーをインストールされているからだ。
若い時は心も頭も柔らかい。
とくに、大学生ぐらいの受験という団体で行う個人戦から解放され、暇とアパシーにされされる時期は、上記のセンサーが緩んだり、あるいは「少し今までの常識を疑ってみてもよいのでは?」と自分で解除してしまったりすることがある。
そのため、カルトや陰謀論にはまる。
そちらは経験していないのでよくわからないが、引退後の老人がYouTubeで陰謀論にはまったり、オレオレ詐欺に騙されたりするのも同じ仕組みであろう。
だから、特に確とした信仰を持たない我々を守ってくれるのは宗教(世間教)しかなかった。
あいつはどうも世間からつまはじきにされていそうだな……というセンサーが働くことで、もっともらしい理論武装を携えて向こうからやってくる陰謀論やカルトにはなから耳を貸さずにいられるのだ(そう、だからこそそれもまた根拠のない陰謀論なのだが、、だからこそ強い)。
ただ、トランプ政権やイーロンマスクに対する評価が一面では「ちゃんちゃらおかしいネオリベバカ」であり、一方では「バラモン左翼によるリベラルバビロンに対抗するため、民意が選んだ選択肢」であるように、世間の目の支配力はネットの海に飛び込むと容易に力を失ってしまう。
というわけで、世間教の力が弱まっている今、我々は意識的に陰謀論やカルトへの対抗手段として別の手段を選ばなければならないと思うのだ。
俺は個人的に「五次元教」という宗教を自分の中で考えている(「」)。その教義は非常に簡単で、以下に集約される
・人間は死んだら五次元の存在になる
なぜ五次元かといえば、五次元のことは俺には何もわからないからだ。四次元までは、時間なんでしょ、確か~くらいの浅瀬の理解がある。
すなわち、五次元とは、死んだらどうなるかわからないということの言いかえでしかないのだが、「死んでも消えたりせず、別の人生が始まったらいいな(消えてしまうのは怖いから)」くらいの俺の願いは反映されている。とうより、死んでも消えたりしないだろ!という俺の根拠のない確信だけがある。それに衣をつけてあげると、五次元教という料理(一人で信じているだけの宗教)になったのだ。
※じゃあ別に11次元教でもいいだろ、という話だが、さすがにそれでは分からなさすぎるので、5に落ち着いた。
なんだそりゃ、何もわからないのと一緒じゃないか、と突っ込まれそうだが、「何もわからない」ということを根拠のない確信(宗教)として意識的に選択している、というプロセスが大事なのだと俺は思っている。
と、ここまで書いて「五次元教」という宗教が別にあってそちらの一味だと思われたら恥ずかしいなーという感情がわき、ググってみたら、気持ちの悪い謎の合同会社のnoteとか、サイエントロジー(トム・クルーズが昔(今も?)信じてたカルト)とかのサイトで「五次元」というワードがガンガン使われていた。
科学に理解のない浅瀬の人間が、適当に引っ張ってくる神秘的なワードとして五次元は、どうやら非常にありふれたもののようだ。
絶対に、全員俺と同じように適当に引っ張ってきただけの雰囲気ワードだ。
みんな、信じるなよ!
