【シロクマ文芸部✖️宇宙兄弟プロジェクト】僕がここにいる理由
本を読むだけでは宇宙飛行士にはなれない。しかし、本を読んだ事がきっかけで僕は宇宙飛行士になる事ができた。
僕はこれから宇宙に旅立つ。管制塔からカウントダウンのコールが聞こえてくる。さあ、いよいよあの頃から思い描いた宇宙への旅が始まるのだ。
3 2 1 GO!
僕たちが乗るシャトルを載せたロケットは大きな炎を出しながら発射台を飛び立った。
各段を切り離しながらロケットはぐんぐんと上昇していく。無事に宇宙に届くのかという不安と、いよいよ宇宙に行けるんだという期待とがごちゃ混ぜになって僕の心臓はドクドクと音を立てていた。
やがて僕たちを乗せたシャトルは宇宙へ到着した。
果てしなく広がる宇宙はどこまでも広がる漆黒の世界だ。そこには太陽系の惑星とたくさんの星たちが輝く。それは僕の想像以上のスケールだった。僕たちの地球は海も陸も浮かぶ雲でさえも途轍もなく美しいと心の底から思った。柄にもなく、僕の目には涙がにじんできた。
僕は今、この宇宙にたしかにいる。あの本を初めて読んだあの時からずっと憧れ続けていた宇宙にやっと来たのだ。
🚀 🚀 🚀
あの本に初めて出合ったのは中学2年になった頃だった。
僕は学校になかなか馴染めず、授業は受けていたけれど休み時間は教室を逃げるようにして図書室で過ごしていた。僕がいつものように図書室の中に入ると、図書の先生が本を展示していた。
「先生、この本は?これは漫画じゃないですか?」
「ああ、この本ね。この本はインターネットのプロジェクトで寄贈して頂いたの」
そう言うと、先生はどういういきさつでこの本が寄贈されたのか話してくれた。
この本は宇宙兄弟という漫画で、ある兄弟が宇宙飛行士を目指して努力を重ね、夢が実現するという物語だ。僕たちが生まれた頃アニメにもなったそうだ。
この本に深い感銘を受けて子供たちにも読んで欲しいと思った女性がnoteというプラットフォームを通じて、宇宙兄弟を日本全国の学校に寄贈するというプロジェクトを立ち上げたそうなのだ。女性の熱意に賛同した多くの人々の力もあって、たくさんの学校にこの本が寄贈され続けているらしい。
僕は先生の展示を手伝いながら、宇宙兄弟を読んでもいいか尋ねてみた。先生は僕みたいな生徒にこそ読んで欲しいと言ってくれた。
その日から僕は宇宙兄弟をむさぼるように読みふけった。全部で45巻もあるそれを、僕は何回も何回も読んだ。宇宙兄弟を読んでいくうちに、僕の中にある一つの夢が生まれた。それは宇宙飛行士になる事だ。
宇宙飛行士になりたいと言ってもそう簡単になれるものではない。学力や体力、他にもたくさんの能力が必要だ。今のままの僕では到底なる事はできないだろう。それからの僕は夢に向かってひたすら努力を重ねた。
両親に夢を話すと頭ごなしに否定されると思っていたが、予想に反して賛成して僕を応援してくれた。図書の先生に話してみると、僕の目をじっと見て「頑張ってね」と握手してくれた。
図書の先生から話が伝わったのか、担任や各教科の先生方も僕の事を何かと気に掛けてくれた。両親も宇宙飛行士について僕と一緒に調べてサポートしてくれた。勉強や部活を頑張っているうちに少しずつ自信がついてきたのか、クラスメイトとも次第にうち解ける事ができ学校生活も楽しいものとなった。
僕は高校、大学、大学院と進学しJAXAに就職した。仕事をしながらも宇宙飛行士になるための勉強を続け、何回目かの挑戦で遂に試験に合格する事ができた。夢の切符を掴んだ僕はそれこそ宇宙へとジャンプできそうな気持ちになった。
だが、宇宙飛行士の訓練は想像以上に過酷だった。それでも、中学の時からの夢のために候補生たちと共に歯を食いしばって頑張った。
🚀 🚀 🚀
今、僕は宇宙にいる。ここにいるのは僕一人の力なんかじゃない。両親、先生方、仲間たちのおかげだ。そして、僕の学校に宇宙兄弟を寄贈して下さったnoteの皆さんのおかげだと思う。もし、インタビューをされたら絶対にこの事を言おうと決めている。
晩のニュースの時間、テレビの中継が入った。ニュースキャスターが僕に聞いてきた。
「あなたが宇宙飛行士を目指そうと思ったきっかけは何ですか?」
おしまい
🛸 🛸 🛸
シロクマ文芸部に参加します💛
今週のお題は「本を読む」です。
そして、このお題に絡めて、こちらのプロジェクトにも。
ミイコさんの「宇宙兄弟」を全国の学校に寄贈するプロジェクトです。
ミイコさんに「応援するお話を書いて!」とお願いされて早数ヶ月。
やっと書けました。
ミイコさんお待たせしてごめんなさい。
気にいって頂けたらいいのですが・・・
たくさんの学校に宇宙兄弟が届きますように😊
子供たちが堂々と夢を語る事ができる世の中になりますように😊
今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪
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