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はじめてのひこうき

子供の頃から両親は、子供たち(私と弟の事)をあちこち遊びに連れて行ってくれた。けれど、それは車で行く事のできる場所が多かった。主に九州のいろいろな所に連れて行ってくれたのを覚えている。両親はドライブするのが好きだったのか、福岡、佐賀、大分、長崎、熊本のどこかによく行った。さすがに車で行くには遠いので宮崎や鹿児島はなかったけれど。

そういう訳で、私の新幹線デビューと飛行機デビューはかなり遅かった。

新幹線デビューは、高校の修学旅行だ。高校の修学旅行では、京都、奈良、明治村、東京という豪華コースだった。
そのため、高校のある地元駅から博多駅までは普通列車で行く。博多駅からは新幹線に乗り新大阪まで行く。そこから京都、奈良はバス移動だ。そして、奈良からバスで明治村に行き名古屋駅から東京駅まで新幹線に乗る。
帰りは東京から博多まで新幹線移動だ。その後はまた地元まで普通列車に乗って帰ってきた。今回は飛行機の話なので、新幹線の話は割愛するけれど、東京からの帰りはお尻が痛くなってしまった。

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やっと本題の飛行機デビューの話だ。

私の飛行機デビューは20歳の時。それは、遊びではなく仕事で。しかも初めての飛行機なのに、一人で乗らなくてはならなかったのだ。

その頃、私は中途入社で某カーディーラーに勤めていた。その会社は某メーカーの直資の子会社だったので福利厚生や研修制度がしっかりしていた。
それで、入社後の試用期間も過ぎて仕事にも慣れつつあった頃に新入社員研修に行かなければならなくなったのだった。

「○○くん、今月下旬に新入社員研修あるから行ってきてね。」
「分かりました。どこですか?」
△△中部地方某所までね。飛行機に乗って名古屋まで行って。そこからは近鉄で移動だから。」
「え?飛行機で行くんですかー?」
「分からない事は、□□さんに聞いてね。じゃ、そういう事だから。」

私より少し先輩の□□さんに聞いてみる事にした。

「□□さん、やっぱり飛行機じゃないとダメですかー?私、飛行機乗った事ないんですよぉ。」
「あー、大丈夫、大丈夫。乗ったらすぐ着くからね、平気平気。じゃ航空券、予約しとくからねー。」


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いよいよ研修に出発する日がやって来た。
新入社員研修は、5泊6日もある。そのために私は大きな荷物を抱えて、地元駅にやって来た。この日のために買った新しい服に身を包んで。

ほどなくして、福岡空港行きの高速バスがやって来た。空港までは1時間ほど掛かるので少し眠ろうかと思ったけれど、緊張して眠るどころではなかった。
空港に着くと、事前に教えてもらった通りにカウンターに行って手続を済ませ、荷物を預けた。上に上がり、お店をぶらぶら覗いたりジュースを飲んだりした。少し落ち着いてきた。
そして、時間が来たので手荷物検査を受け、飛行機に乗り込む事になった。座席に座ると、またちょっと緊張してきた。スッチーのお姉さんにコーヒーを入れてもらった。スッチーのお姉さんはやっぱりキレイだと思った。

離陸の時間が来た。私は緊張しまくった。前に付いているモニターから目が離せなかった。
ゴーっと加速する飛行機。当然のことながら、けっこうなスピードで走る。その時だ。ふわっとした感じがした。
浮いてる!飛んでる!!おおー!!すげー!!!
やっぱりモニターからは目が離せなかったけれど、無事に飛行機は離陸した。初めての飛んでいる感覚。なんだか、とても不思議な感覚だった。

やっと落ち着いた私。入れてもらったコーヒーを飲みながら1時間ほどの空の旅を楽しんだ。高い高い上空から見る景色は爽快だったし、地上の様子はまるでミニチュアの世界の様だった。

名古屋空港に着いた。ターンテーブルから荷物を受け取り、名古屋駅に向かう。空港からはバスに乗る事にした。無事バスに乗り名古屋駅へ着いた。高校の修学旅行以来の名古屋駅だ。

とりあえず、適当な店でランチを食べる事にした。その後、まだ時間があったのでデパートをうろうろしてみる事にした。そこで、ついついお買い物をしてしまった。赤茶の革のバレッタ(FLANDERCLUB)とグリーンの革のお財布(JUNKOSHIMADA PARTⅡ)を買ったのだ。どちらも、とてもかわいくて衝動買いだ。嵩張らないからいいけど、いったい私は何をやっているのか。

時間が来たので、近鉄の乗り場に行こうと思った訳なのだが。だがしかし!名古屋駅で迷子になりかけた。その頃の私には名古屋駅はカオスだった。博多駅も大きいけど、そこまで大きくはないし複雑でもなかったから。
一人で歩いても埒が明かず、人に聞きまくり、ようやく近鉄の乗り場にやって来た。

なんとか電車に乗り、某駅に降り立った。
そこからはタクシーかバスで研修会場まで移動だ。研修の事も、今回は割愛する事にする。そのうち、語りたくなったら記事にするかもしれない。

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なんとか研修も終わり、帰途につく。
帰りは来た時とは違い、少し余裕も出てきた。今度は名古屋駅でも迷う事無く、名古屋空港までやって来た。
カウンターに手続きに行くと・・・。
なんとなんと。私が乗る予定の飛行機、欠航になっていた。初めて飛行機に乗ったのに、一人なのに、なぜこんなイレギュラーな事が起こるのか。
ちょっと、どうしてくれようか。もうー。

欠航になってしまったものは仕方がない。次の便に変更して、荷物を預けた。時間はあり過ぎるほどある。空港のお店を覗いては、自宅用や会社用のお土産を買う。
ちょっとお腹が空いたので、晩ごはんを食べる事にした。目の前にカレー屋さんがあったので、カレーを食べた。おいしかった。
時間はまだある。喫茶店でコーヒーを飲んだり、売店で雑誌を買って読んだり。飛行機の時間まで時間をつぶした。

ようやく飛行機に乗る時間。今度は手荷物検査なども手慣れたものだ。飛行機に乗った頃には、もう外は暗くなっていた。
ふわりとした感覚の後、私を乗せた飛行機は空を飛んだ。また1時間少しの空の旅だ。外は暗いけれど、地上の明かりがきらきらしている。

福岡空港に着いた。空港の外は、テレビでおなじみの見慣れた光景。大きな荷物やお土産の入った紙袋を抱えて、空港バスの乗り場に並んだ。あとは、バスに乗り込み、地元駅に着いたらタクシーに乗ろう。

地元駅に着いた時には、もう9時を回っていた。見慣れた、いつもの街並み。都会に比べると、かなり寂しいその景色を見て、やっと帰ってきた気がした。
一人で初めて飛行機に乗り、知らない土地に行き、長い時間を過した。その経験は私をちょっぴり成長させてくれたような気がした。
帰りが遅くなった私を両親も心配しているだろう。明日、私は仕事だ。早く帰らなくちゃと私はタクシー乗り場に急いだ。


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