クレイグ・ライス『第四の郵便配達夫』読了
1948年の作品。何度目かの再読。
「あなたとは賭けはしません」とマギーは言った。
「そう、わたしは霊能力者だからね」
「いいえ」とマギーは冷ややかに言った。「あなたは一文無しだからです」
「世の中には金で買えないものもあるんです」そう言って彼はヴェストに落ちた灰を払い、金で買えないものを何かひとつぐらいは思いつこうとした。
罵声をあげないで我慢したのはヘレンがいるからだった。しかし、罵声をあげたくなったのもヘレンがいるからだった。
その他にも、マローンにジェイク、ヘレンの三人組を含め、軽いユーモアが飛び交う、ペーソス漂うミステリー。
著者のユーモアには皮肉が込められている。不幸な人間をこれでもかと、更に不幸にする。その両面性がライスの魅力なのだ。
