旅した気になるベトナム料理【文字で味わう本場のベトナム】
シンチャオ!(こんにちは!)
突然ですが、あなたはベトナム料理と聞いてどんな料理を想像する?
最近ちょこちょこベトナム料理のお店がオープンしているものの、日本ではまだまだ馴染みが薄いベトナム料理。
そもそもベトナムってどんな国なの?と思っている方も多いのではないだろうか?
興味はあるけど行く機会がなかなかない、なんて方もいるはず。
このページはそんなあなたに、文字で味わう本場のベトナムと題して、サクッとベトナムを旅した気分になれちゃう食や文化にまつわる情報をお届けしちゃおうという企画である!
申し遅れました、私はベトナム人の夫と暮らす旅好きの食いしん坊だ。
ここではベトナム料理定番の3品を思わず誰かに話したくなる現地の雑学とともに説明しよう。
さあ、これより先は人々の活気と熱帯雨林が南北に広がる東南アジアの大地。
これからベトナムの首都ハノイに行ってみよう!
旅した気になるベトナム料理3品
ベトナムといえば、やっぱり夏のイメージが鮮烈だ。
首都ハノイの空港に降り立つと外に出た瞬間から、むわっとした熱気と湿気が鼻の中から充満していく。
歩くだけで両腕にもったりと空気が纏わりつくような感覚は、なかなか日本で経験できるものではない。
そんなハノイは現在、経済成長真っ只中。
空港から中心部に伸びる大きな幹線道路沿いには、慌ただしく移動する車、そしてバイク、バイク、そしてバイク!
太陽光は皮膚の表面をじりっと焦がすほどの勢いで突き刺さってくる。
今日は1日晴れかなと思うと、一気に雨も降ってくる。
この太陽光と雨が植物の成長をこれでもかと促進する影響で、意外にもハノイの街中は緑で明るく多くの木々が存在する。

市内を走る二階建ての観光バスに乗り込んで、せっかくだからと屋根のない二階席に座ってみるとするじゃない?
すると、電柱の高さを優に超えるほどの高さの木々が、緑でいっぱいの枝の葉を揺らしながらあなたの顔面に上から枝垂れかかってくる。
観光バスは結構な速度で走行するため、顔面に木の枝がビシバシあたって地味に痛い。
ただそれほどに街中に緑が溢れているため、路端のカフェには多くの木陰が出来ている。
街なかを見下ろすと、いたるところにバイクとトラックのクラクションの音が飛び交う。
挨拶代わりにピンピンとなるクラクションは、聴こえない瞬間を探すのが難しいほど頻繁に鳴っている。
バイクと車で大忙しの道路のそばには、必ず肩に棒を担いで溢れんばかりの果物や花を売り歩く露天商のおばさんがいる。
停めたバイクの上に器用に座りながら、うちわで身体を仰いで雑踏をみているおじさんもよく見る定番の姿だ。
さて、そんな街中に出てきたらそろそろお腹が空いて来るはず。
ベトナムに来て、真っ先に食べてほしいのはバインミーだ。
いくつか狭い通りを抜けてみると、必ずたくさんのフランスパンが陳列されたバインミー売りの人やお店を見つけるはず。
まずはフランスパンを目印にバインミー屋さんへ行ってみよう。
1.バインミー【ベトナムサンドイッチ】

バインミーとは、ベトナムのサンドイッチのこと。
最近は日本で有名になってきたのでご存知の方も多いかもしれない。
が、筆者が初めてベトナムを訪れバインミーを食したときには、西洋と東洋との出会いに驚きたまげたものだ。
というのも、バインミーとは、フランスパンにレバーのパテ、そこに大根とにんじんの紅白なます、さらには緑色のパクチーが入っためちゃくちゃ個性的なサンドイッチなのだ。
ベトナムはかつてフランスに統治されていた歴史を持つ。
そのため、ベトナムにはフランス料理や建築様式、言語など多くのフランス文化の影響を受けている。そんなわけで、ベトナムの主食はもともと米だが、フランスパンも非常によく食べられるのである。
ちなみに、ベトナム人はフランスパンのことをバインミー(意味はパン)と呼ぶ。
ベトナムに行くと、焼き立てのバゲットを肩に棒を担いで物を売り歩く棒手振りが大量に運んでいる様子を1度は目にすることだろう。
外側はカリカリで内側はモチッモチッのパリ顔負けのバインミーは、ベトナムのあちこちで手に入れることができる。
なおベトナムのバインミーに使われるフランスパンは、米粉が入っており軽い食感でサクサクしているのが特徴だ。
バインミーは、焼き立てのパンの香ばしい香りに、ちょっと厚めに塗ったバターの香りがたまらない。
レバーのパテは臭みの処理が丁寧にされており、脂の旨味がパンの温度でゆっくりと温められてパンの中へと溶け出していく。
そこに、大根とにんじんの紅白なますが入ることでシャキシャキの食感とキリッと効いた酸味がアクセントに加わる。最後に緑色のパクチーが爽やかな香りを運んでくれる。
パクチーが苦手なら抜いてください、とお願いすることが出来るのも嬉しい。
バインミーは1つでなかなかの重量感があり、お腹いっぱいの満足感があるので昼食にぴったりだ。
野菜がたっぷり取れてお腹にもたれずヘルシーなのも良い。
旅した気になるバインミーの雑学
現地の雑学だが、ベトナム人の夫によるとチーズやベーコンなどが入ったバインミーは洋風気取りで邪道(!)なのだそうだ。
具材をたくさんカスタマイズできる現代的なお店よりも、伝統的なレシピでやっているところがやっぱり一番旨いとのこと。
平日のお昼時になると、ベトナム人のサラリーマンがスーツにバイク姿でバインミー屋さんに現れると、買ったバインミーを袋にサッと入れて立ち去る姿をよく見かける。
やっぱり繁盛しているバインミー屋さんが一番美味しい!これは万国共通!
2.フォー【ベトナムの国民食】

バインミーに次いで有名なベトナム料理といえば「フォー」ではないだろうか?
出汁が効いたスープに米の麺が入ったフォーはベトナム人にとって国民食。
優しい味付けでサラサラっと食べられるので、特に朝ごはんとして大人気。日本人にとってのうどんみたいな存在だ。
フォーには鶏だしと牛だしの二種類があって、スターアニスやシナモンスティック、コショウなどとともに長時間煮込んで出汁を取り、ベトナム魚醤のヌクマムで風味付けされたスープとともに提供される。
首都ハノイのある北部では透き通ったクリアなスープをシンプルなネギとライムのトッピングで食べる。
最大都市ホーチミンのある南部では、スープには濁りがあって甘みが強く、野菜やトッピングのソースをたっぷり入れて食べるという違いがある。
どちらも出汁の中に異国情緒溢れるスパイスの香りが溶け込んで、パームシュガー特有の微かな甘み、さらには豊かな魚醤の香りと旨味成分たっぷりの塩味を感じられる。お米の麺は平らで細く、歯で噛み切れるのが特徴だ。
日本のもちもち食べ応えのある麺も美味しいが、フォーの麺はスッと胃に入るのでいくらでも食べられる。
太らない気がして大量にかき込んでしまえるので要注意だ。
鶏肉はフォー・ガー(鶏)、牛肉はフォー・ボー(牛)と呼ばれるが、牛肉の場合はトッピングの牛肉をウェルダンにするかレアにするか選ばせてもらえるのも嬉しい。
全体的に優しい味付けが多く、最初にフォーを食べた人は、初めてなのにどこか懐かしい味わいの麺料理だと感じる人が多いはず!
さらに、フォーの上に中国や台湾でよく食べられる油条(ベトナム語でクウェイ)を乗せて食べるのも最高だ。
フォーだけだとちょっと物足りないなという人は、ぜひクウェイも頼んでみよう。クウェイがスープの出汁を吸い込んでホロホロになったところを啜るのも良い。
ベトナムに行ったらフォーを絶対食べてみたいと思う人も多いはず。
そんなあなたに絶対絶対気をつけて欲しいポイントがある!
結論から言おう、フォーはフォーではない!!!!!
旅した気になるフォーの雑学
フォーは、ベトナム語ではphởと表記する。アルファベットのスペルから、日本語や英語では「フォー」と呼ばれている。
しかし!ややこしいことに現地のベトナム人の発音は「ファー」である!
これがめちゃくちゃ大事!
というのも、大変ややこしいことにベトナム語で「フォー」とはセックスワーカーのことを指しちゃうのである。
別に下ネタを言いたいわけではないが、実際に現地ではこんなジョークがある。
とある男性の外国人観光客がベトナムに行ってタクシーの運転手にこう聞いた。
「ハノイで最高のフォーを味わいたい」
それを聞いた現地のタクシーの運転手が案内したのが、夜の歓楽街だったという話だ。
美味しいフォー料理のレストランに連れてってもらうつもりだった外国人観光客。
しかし、美女と一夜を共にしたいのだと勘違いされ、知らないうちに夜の街へと案内されてしまったというわけだ。
ちなみに筆者も最初、このややこしい発音問題を知らなかった。
ベトナム人の夫に「フォーを食べたい」と無邪気に言ってしまった私は、大変白い眼で見られて心が傷ついたので、ベトナムでフォーを食べる予定があるみなさまには本当に気をつけていただきたい。
ベトナムを訪れて本場のフォーを食べたい日本人は、「フォー」ではなく「ファー」くださいと言うこと、わかったね!
3.バインセオ【ベトナム風お好み焼き】

本物はもっとデカくて野菜たっぷりで美味しそう!
バインセオとは、ベトナム風お好み焼きである。
へーそうなんだと思うよね?
実際にバインセオを目にしてみると、全く想像と異なる姿で出てくるのに驚くはず。
原材料をあげてみると、ココナッツミルクにターメリック、米粉に豚肉、もやし、エビにパクチーなどなど、かなり予想外のメンバーである。
さらに、大量のサラダとともに提供される。
しかも、バインセオはベトナム魚醤のヌクマムに、砂糖や柑橘を絞ったチリソースに付けて食べるのだ。
でもこれが本当に美味しい!
バインセオは、米粉が生地のベースなのでお好み焼きよりも薄く、油で揚げたようなカリカリ感がある。
ココナッツミルクが入っているのでふんわり甘さが香り、ターメリックの色味で黄色い見た目をしている。
ターメリックの見た目が強い割に、カレーのような強い味わいはせず、ほんのりとしたスパイスの香りが食欲をそそる。
この油でカリカリになった生地に、炒めたもやしやミント、パクチー、にんじんなどの野菜と豚肉とエビをたっぷりと挟み、さらに甘酸っぱいソースにつけて食べるのだ。
美味しくないはずがない!
口の中はがっつり、しっかり、さっぱりの三重奏!!
もちろんのこと、素晴らしいハーモニーが奏でられる。
しかもこのバインセオはビールとも相性抜群。
ベトナムでは、お店の外にある小さな椅子に座りながらご飯を食べる文化がある。
夏の夜の夕飯時に外の暑さも落ち着いてきた頃、冷たいビールを飲みながらハフハフとバインセオを口に放り込むと格別の達成感に包まれるだろう。
暑い夏の夜に食べるベトナム料理にバインセオは、とってもおすすめだ。
旅した気になるバインセオの雑学
日本ではバインセオは「ベトナム風お好み焼き」と呼ばれている。
誰だ、はじめにお好み焼きって言ったやつは。全然違うじゃないかと言う人もいるのかもしれない。
面白いことに、ベトナムでは、日本のお好み焼きのことを「日本風バインセオ」と呼ぶ。
そのため、ベトナム人も日本に来ていざお好み焼きを食べて、ぜんぜんバインセオじゃない……と愕然とするらしい。
両国で同じ現象が起きているなんて!
ちなみに英語では日本のお好み焼きはジャパニーズ・パンケーキで、ベトナムのバインセオはベトナミーズ・パンケーキと呼ばれる。
みんな自分の食文化に引きつけて他国の食文化を理解しようとするのは、ちょっと面白いよね。
まとめ

さて、ここまでサクッとベトナムを旅した気分になれちゃう食や文化にまつわる情報をお届けしてきた。
今回は初回ということで、ベトナム料理として有名な3品を紹介したがいかがだっただろうか?
ベトナム料理は本当に様々な種類があってぜんぜん紹介したりないが、ほんの少しでもベトナムの風をみなさまにお届けできたなら幸いだ。
もし興味が出てきた人は、まずは日本のベトナム料理屋さんからトライしてみてはいかがだろうか?
もちろん、本場ベトナムに赴いてみるのも良いだろう。
そのときは今回ご紹介した雑学についてぜひ思い出してみてほしい。
すべての写真:筆者
