親が元気なうちに、子どもとして始めた相続準備
以前、相続について調べ始めたことを記事に書きました。
調べていくうちに、相続は親が亡くなってから考えるのではなく、
元気なうちに準備しておいたほうがいいことがあると分かりました。
そこで、この夏の帰省を利用して、親と少し具体的な話をしてみることにしました。
今回は、そのときに実際にやったことを書いてみようと思います。
親と終活について初めて話した
親はもうすぐ80歳になります。
これまで、親と終活や遺言について、
きちんと話したことはありませんでした。
そもそも、親子で「死んだあとの話」をすること自体、
どこかタブーのような感じがあります。
財産についても同じでした。
今回、初めて親の財産について具体的に聞きました。
預貯金、不動産、借金の有無などを確認しました。
借金はないとのことで一安心です。
そして、聞いた内容をもとに財産目録も作りました。
財産目録を作ってみると、親がどんな財産を持っているのかを、
これまでほとんど知らなかったことに気づきます。
それまで、親子でお金の話をする機会がなかったからです。
相続の準備という目的がなければ、なかなか聞けない話だったと思います。
遺言書を一緒に考えてみた
今回、一番話したかったのは遺言書です。
遺言書を作らない場合に、どんなことが起こる可能性があるのかを親に説明しました。
そのうえで、
「もし自分が亡くなったあと、こうしたい」
という親の希望を聞きながら、遺言書の文言案を考えました。
一緒に話した内容や、遺言書について調べたことは、1冊のノートにまとめて実家に置いてきました。
これで準備完了……とはいきませんでした。
帰省から戻って1か月以上たちましたが、まだ遺言書は完成していません。
「書く」とは言っているのですが、まだ書いていないそうです。
やはり、遺言書は本人がその気にならないと進みません。
元気なうちに作ってもらうのが一番だと思っているので、
気にはなっています。
ただ、毎回電話するたびに「遺言書を書いた?」と言われたら、
親も嫌になってしまうでしょう。
このあたりは、少し時間を空けながら話していくしかないのかなと思っています。
財産以外にも、確認することがあった
今回、財産のことを確認してみて、それ以外にも
いろいろ確認しておいたほうがいいことがあると分かりました。
たとえば、墓の管理についてです。
墓の管理や連絡先についても確認しました。
保険について聞いたところ、加入しているのは自動車保険くらいとのことでした。生命保険などには入っていないそうで、これは少し驚きました。
また、スマートフォンのパスワードも教えてもらいました。
こうして確認していくと、相続というよりも、
「親の生活を引き継ぐために必要な情報を整理している」という感覚に近くなってきます。
法律のことだけでは終わらない
帰省中には、市役所の無料法律相談にも行きました。
また、公証役場にも電話で問い合わせをしました。
相続について調べ始めたときは、法律や遺言書のことを調べればいいと思っていました。
実際には、それだけではありません。
親がこれからも生活していくことまで考える必要があります。
親はもうすぐ80歳なので、いつまで車を運転できるかも分かりません。
そこで、車に乗れなくなったときに備えて、
ネットスーパーの使い方も教えておきたいと思いました。
ただ、今回は親から「まだいい」と言われてしまい、
そこまではできませんでした。
クレジットカードやスマホ決済なども、今後覚えてもらったほうがいいと思っています。
相続の準備を始めたはずなのに、
いつの間にか「親がこれからも生活していくために何が必要か」という話になっています。
デジタルの準備もしておいた
親はデジタル関係があまり得意ではありません。
そこで、スマートフォンをこちらから遠隔操作できるアプリを入れて、
使い方の説明書も作って実家に置いてきました。
一応、何回か練習もしました。
ただ、こういうものは使わないと忘れてしまいます。
こちらとしては「これで準備できた」と思っても、
実際に必要になったときに使えるとは限りません。
このあたりも、少しずつ慣れてもらう必要がありそうです。
5年前だったら、話せなかったかもしれない
今回、親と終活や遺言について初めて話しました。
話してみて思ったのは、やはり「元気なうちに話しておくことが大事だ」ということです。
ただ5年前だったら、親ももっと拒否反応があったかもしれません。
「まだそんな話をする年齢じゃない」と思われた可能性もあります。
最近はテレビなどでも終活という言葉を聞くようになりました。
その影響もあるのか、今回は親も話を聞いてくれました。
これは良かったと思っています。
親が元気で、自分で判断できるうちだからこそ、本人の希望を聞くことができます。
自分の子どもには、どうするのか
ここまで親のことを書いていて、ふと思ったことがあります。
自分の子どもには、同じような苦労をさせないようにしたい。
今回、親の財産について調べてみて、子どもの立場からすると、
親がどんな財産を持っているのか、どこに重要な書類があるのかを知らないというのは、やはり大変だと思いました。
だったら、自分の家については、もう少しオープンにしておいたほうがいいのかもしれません。
では、いつから話せばいいのか。
子どもが成人したくらいから、少しずつ話しておくのがいいのかなと思っています。
もちろん、まだ若いうちから細かい相続の話をしても、実感はないでしょう。
でも、「家にはこういうものがある」「重要な書類はここに置いてある」
くらいのことは、早いうちから知っていてもいいのかもしれません。
そう考えると、自分も親と同じなのだと思います。
親には「元気なうちに遺言を書いておいたほうがいい」と言っているのに、自分自身も、「まあ、まだいいか」と思ってしまいます。
親がなかなか遺言を書かない気持ちも、少し分かるような気がしました。
結局、元気なときには、自分が亡くなったあとのことを考える必要性を感じにくいのだと思います。
だからこそ、完全に準備してから話そうとするのではなく、元気なうちに少しずつ話しておく。
今回、親と相続の話をしたことで、自分自身についても考えるきっかけになりました。
親の準備をするだけではなく、自分も子どもに同じ思いをさせないように、少しずつ準備していこうと思います。
まだまだ準備は終わらない
とはいえ、まだ何もかも終わったわけではありません。
遺言書はまだ完成していません。
車に乗れなくなったあと、どうやって日用品や食料品を手に入れるのかも、まだ具体的には決まっていません。
クレジットカードやスマホ決済なども、これから覚えてもらう必要があります。
まだまだ道は遠そうです。
でも、一度に全部やろうとすると、親にとっても負担になると思います。
毎回の電話で何度も同じ話をするのではなく、少し間を空けながら、
少しずつ話していく。
今はそれが現実的なのかなと思っています。
今回、相続について調べ始めたことで、親とこれまで話したことのなかったことを話すきっかけができました。
相続の準備というと、財産や遺言書を思い浮かべます。
でも実際にやってみると、それだけではありませんでした。
親が元気なうちに、親がどんな生活を続けたいのかを聞いておく。
そして、その生活を続けるために何が必要なのかを一緒に考える。
これも、子どもとしてできる準備の一つなのだと思います。
まだ始めたばかりですが、焦らず少しずつ進めていこうと思います。
